日誌

田上教育長日誌

捲土重来に期待

  7月8日(土)の下野新聞に、中村南小リレーチームの県大会3位の記事が掲載されました。全校生僅か57人の小規模校の見事な活躍を知り、大変嬉しく思っております。
 さて、今日から夏休みになりました。中学校の部活動では、いよいよ3年生にとっては最後の大会となる総合体育大会が始まりました。春季大会では、真岡中卓球部の県大会優勝や中村中野球部の3位など、たくさんの部が県大会出場を果たし、大変活躍しました。
 その一方で、残念ながらあと一歩というところで敗れ、県大会を逸した部もあれば、県大会には出場したが、目標達成までは至らなかった部など、何らかの課題を残し、生徒だけでなく指導の先生も悔しい思いをしたという部もあったのではないでしょうか。
 春季大会では十分に力を発揮できず、目標を達成できなかった部の捲土重来を期待しております。これまでの練習の成果を存分に発揮して、思い出に残る中学校最後の大会にしていただきたいと思います。各部の健闘を大いに期待しています。

暑さ対策 熱中症対策 大丈夫ですか

 昨年のことですが、某中学校のバスケットボール部の生徒が部活動の練習中に倒れ、熱中症が原因で亡くなるという事故が発生しています。この事故は夏休みの8月16日の朝、まだ気温もこれから上昇するというときに起きています。
 このときの練習は午前8時半からのランニングで開始されました。通常なら30分走るときには15分で給水することになっていたそうですが、この日は正顧問が不在で副顧問が指導、給水なしで走らせたとのことです。しかも、生徒が通常より5分早く終わらせたのを、教師は「ごまかした」と判断、さらに5分長く走らせたため、実際は35分間無給水でランニングをしたことになります。事故はその直後に起きています。
 この事故については、第三者による調査委員会が設置され詳しく調べられました。その結果、「水分を取らせなかったこと」と「通常は30分のところ5分長く走らせたこと」が不適切な指導と指摘されました。これ以上詳しいことは報道からの情報では分かりませんが、こういった事故にはいくつかの原因が考えられます。 
 その一つに、時間帯での危機意識のなさがあったのではないでしょうか。事故が起きた午前8時半から9時といえば、まだ気温が上がりきっていない時間帯です。日中の炎天下なら誰でも熱中症を警戒しますが、この時間帯ではその意識はなかったと思われます。そうでなければ、無給水で30分(教師はそう思っていた)も走らせることはなかったでしょう。
 それにもう一つ、熱中症はそのときの体調にも左右されるということを認識していたでしょうか。例えば、夏バテで朝食を食べられなかったり、夏休みの不規則な生活のため体調を崩したりしても熱中症になるリスクは高まります。事故が起きた8月16日といえば、まだお盆も終わってなく、盆踊りなどの行事や親戚等との交流もあり、夜遅くまで起きていて寝不足などということも考えられます。ですから、部活動の開始前には、健康観察により一人一人の体調を把握することも必要なのです。
  さて、あと1週間で夏休みです。日本の夏は近年暑さが増しています。暑さ対策、熱中症対策は大丈夫でしょうか。上述のように、時間帯にかかわらず熱中症の危険性がありますので注意が必要です。また、夏休みの子供たちの生活は不規則になりがちですので、部活動等での健康観察は不可欠です。
 気象と健康が専門の村山貢司氏によると、「夏バテしない規則正しい生活が大事で、それだけでも熱中症はかなり防げる」と言います。また、「ただの水では体液が薄まって2次脱水が起こるため、ナトリウム等の電解質が入ったスポーツドリンクのようなものがよい」とも言っています。これから夏本番に向けて各学級等での指導をお願います。
 

いい教育してますね

 先日、とてもよい光景を見ました。それは、私がよく行っている公園でのことです。
 幼稚園の年長さんくらいの女の子が自転車に乗って遊んでいました。すると、突然、乗っていた自転車から飛び降りて、「〇〇くーん」と叫んで、一目散に走り出したのです。女の子が向かった先には、幼い男の子が自転車で転んだのでしょうか、泣いていました。女の子から男の子までの距離は約30mくらいあったと思います。女の子は脇目も振らず一心不乱に走って行って、その子を助けてあげました。たぶん、男の子は女の子の弟なのでしょう。しばらくすると、お母さんも近くにいたようで、二人のところへやって来ました。男の子は、お姉さんとお母さんの二人に助けられ、べそをかきながらも自分で自転車を起こしました。
 なんと、弟思いのお姉さんなのでしょう。私は、思わずそのお母さんに、「よい教育をしてますね」と言ってしまいました。そのお母さんは、30歳くらいの年齢ですが、とてもしっかりしたお母さんでした。このような姉弟でしたら、思いやりの心が育まれ、陰湿ないじめなどしない子供に育つのだろうと、つくづく思いました。
 どうしたら、この女の子のように思いやりのある子供に育つのでしょうか。どうしても、就学前の兄弟姉妹の場合には、親として下の子のほうに手をかけてしまうのが普通です。その結果、上の子が愛情不足を感じてしまうなどの、子育ての難しさも指摘されています。
 それを思いますと、少なくともこのお母さんは、普段から二人の子供に、惜しみない愛情を分け隔てなく注いでいるのだと思います。そして、女の子自身も満ち足りた愛情を感じ、安心した生活を送っているのでしょう。
 また、このお母さんは、もし子供に何かあったら、この女の子がとった行動のように、自分のことはさておき、すぐに対応しているのだと思います。女の子も、そういったお母さんの行為をいつも見ているからこそ、冒頭のようなほほ笑ましい光景があったのではないでしょうか。
  と考えますと、これは教師にも当てはまります。子供が一番嫌うのは、教師の依怙贔屓(えこひいき)です。教師はそうとは思っていない行為であっても、子供は捉え方が違うことがありますから注意が必要です。また、子供最優先は教師の鉄則であるにもかかわらず、忙しさのあまり、つい後回しになってしまうことがあります。
 改めて、これらのことは子供への影響が大きく重大なことですので、これを機会に、「教師の当たり前」として意識していただきたいと思います。
 
ii

学校経営に命を吹き込む

 6月6日(火)に芳賀郡市小中学校校長会があり、岡良一郎教育長会長の代理として挨拶をしました。
 校長先生方に少しでも参考になればと思い、私の校長経験から得たことですが、「学校経営に命を吹き込む」という内容で、次のように話しました。

 
 「校長の言葉は校経営に命を吹き込む」と言えます。それは、なぜかと言いますと、学校経営には校長の教育理念が必要です。また、経営理論も大事ですし、それに基づく経営構想や経営計画も大事です。しかし、どんなに崇高な教育理念をもっていても、また、高度な理論に基づき、素晴らしい経営構想や経営計画があったとしても、それらを通して見える学校の現状を的確に捉え、適宜・適切に発信する「言葉」が校長になかったら、学校は安定しません。血液が心臓から体内のあらゆる器官に行き渡るように、校長の言葉が、職員に、学校組織に、そして子どもたちに伝わってはじめて、学校経営が円滑に機能すると言えるのです。このように考えると、無味乾燥な学校経営に命を吹き込むのは、やはり「校長の言葉」と言えるのではないでしょうか。
  言葉には力があります。学校経営に命を吹き込むような大いなる力があるのです。ですから、言葉は学校経営の戦略として使えます。と言っても、言葉巧みに相手を洗脳するとか、カリスマ的に相手を操るとかのために使うのではないことは言うまでもありません。あくまでも、校長が学校組織を動かし、円滑に学校経営を進めるために使うのです。そのためには、職員への発信が最も大事になります。
  よく「校長は講話で勝負する」と言いますが、これは主に児童生徒や保護者向けの講話です。もちろんそれも重要ですが、それ以上に神経を注がなければならないのは、実は職員への話なのです。なぜなら、その校長の言葉によって学校組織が動き、あらゆる教育活動が展開されるからです。一人一人の職員が校長の考えに納得し、共感・共鳴して、一丸となって学校運営に当たれるかどうかは、校長の言葉次第ということです。
 ですから、学校経営の戦略として言葉を使う必要があるのです。そのためには、普段使っている言葉は別として、思いつきや行き当たりばったりで言葉を使うことは避けなければなりません。そこで、次の3つのことが大切になります。
 (1) 言葉を使える確かな言葉として整え、ストックしておくこと。
 (2) いつ、何をどのような言葉で発信するか、意図的・計画的であること。
 (3) 必要に応じて、同じ言葉を何度でも繰り返し使うこと。
  言葉は見えませんし形もありませんが、使い方次第で、学校経営の大きな武器になるということも忘れてならないことです。

笑顔で始め、笑顔で終わる

 新学期が始まり3週間が経ちました。学級経営や日々の授業は順調でしょうか。そこで今回は、先生方へのメッセージとして書きましたので、是非実行していただきたいと思います。

 子供は教師をよく見ています。なかでも、教師の表情は常に見られていますので、子供に大きな影響を及ぼします。といいますのは、教師の表情によってそのクラスの雰囲気が変わりますし、それだけではなく、クラスの子供自身が変わってしまうからです。
 私が最初に勤務した中学校の先輩教師のことです。その教師は、子供に厳しく、どちらかといえば力で牛耳るタイプの教師でした。毎年のように問題行動のある子供を担任していましたが、それでも無難な学級経営をしていました。
 しかし、ある年のクラスはそうはいきませんでした。やはり、問題行動のある子供がクラスにいましたので、彼は、毎日のように、険しい表情で朝や帰りの会を行っていました。それだけでなく、授業でも厳しく、笑顔などほとんど見せませんでした。教室に入るときから、怒鳴り散らしていることも希(まれ)ではありませんでした。
 ついに彼のクラスは、今でいう学級崩壊の状態となってしまいました。だからといって、そのクラスには問題行動のある子供がたくさんいたわけではありません。ほんの数名だったのですが、恐ろしいことに、他の子供も教師に反発するようになってしまったのです。
   教師の表情で子供が変わります。やはり、笑顔でにこやかな表情が、子供によい影響を与えることは間違いありません。
 特に、授業は笑顔で始めたいものです。私は、いつも授業に臨むときには、自分の気持ちをハイにして子供の前に立つように心がけていました。とはいっても、授業中はそうはいかないこともあります。もちろん、大切なところは真剣な表情で教えなければなりませんし、注意を促すときには表情も厳しくなってしまいます。教師は、ときには役者になることも必要なことです。
 笑顔や厳しさなどの表情の豊かさは、まさしく教師の専門性といえます。ですが、授業においては、笑顔で始め、笑顔で終わることを心がけるだけでも、子供の授業への取り組みは変わってくると断言できます。


 

学力が人の流れをつくる

 4月5日(水)に真岡市小中学校校長会総会があり、教育長の挨拶の中で、次のことをお話ししました。

 平成29年度がスタートしました。4月10日(月)・11日(火)には小・中学校の入学式が行われます。次の週の4月18日(火)には全国学力・学習状況調査ととちぎっ子学習状況調査、そして本市独自の学力調査も行われます。その準備はいかがでしょうか。チャレンジシート等の活用はされたでしょうか。
  もはや、学力向上は学校だけの問題では済まされないのです。
 去る3月17日(金)に行われた県議会予算特別委員会総括質疑の中で、学力問題が取り上げられました。新聞によると、学力向上は人口減少対策に直結する重要課題だとして、低迷している本県の小学生の学力について、原因の分析と適切な対応、そして危機感をもって学力向上に取り組むよう強く要望されたということです。
  特筆すべきは、「学力向上が人口減少対策に直結する」という点です。
  ご承知のとおり、日本の人口は平成20年から減少時代に入っています。特に地方においては、少子化だけでなく都市部への人口流出も相まって、著しく減少しているところもあります。人口の減少は、労働生産の減少や消費市場の縮小を引き起こし、地域経済やサービスに大きな影響を及ぼします。そのため各自治体では、少子化問題や人口流出問題は喫緊に取り組まなければならない重要課題とし、当該自治体へ人の流れができるよう「選ばれるまち」づくりに躍起になっています。
 その方策の一つが教育です。つまり、教育の質を上げることによって人の新たな流れができるということです。なぜなら、教育は若い子育て世代にとっては関心が高く、よい教育が受けられるところに人は集まって来ると予想されるからです。中でも学力については注目度が大きく、「学力が人の流れをつくる」と言っても過言ではありません。水は高いところから低いところに流れますが、「人は学力の低いところから高いところに流れる」と言えます。
 したがって、学力向上は、学校だけの閉じた世界で論じられる問題ではなく、今や県をはじめ各市町村の行政が人口減少対策として講じなければならない重要な問題となっているのです。校長先生にはこういった社会情勢も踏まえたうえで、学力向上に積極的に取り組んでいただきたいと思います。

ご卒業おめでとうございます。

 小学6年生のみなさん、ご卒業おめでとうございます。心からお祝い申し上げます。山前小また、保護者の皆様、お子様の大きく成長された姿に喜びもひとしおかと存じます。本当におめでとうございます。
 さて、小学校課程を終了したみなさんは、4月から中学生となります。中学生の時期は思春期前期に当たり、心も体も人生の中で最も成長する時期です。また、感受性も強くなり多感な時期でもあります。ですから、中学校での学びや体験はそのときだけに留まらず、将来に大きな影響を与えることになります。しかし、中学校は小学校と違って3年間しかありませんから、これまで以上に一日一日の生活が大切になります。
 そこで大事なことは、先ずは勉学に励んでほしいということです。中学校での学習は、小学校とだいぶ違います。「算数」が中学校では「数学」となります。名前が変わっただけではなく、内容もより考える力が求められるようになります。英語の授業も本格的に始まります。また、授業も教科ごとに先生が違う教科担任制になります。さらに、小学校ではなかった中間・期末テストがあります。そのため、予習や復習などの家庭学習も計画的にやることが大切になります。中学校3年間は、皆さんが自ら進んで勉強する良い時期でありますし、意欲的に学んでほしいと願っています。
  次に、何かに本気で打ち込み友情を育んでほしいと思います。中学校では、体育祭や文化祭など様々な行事があります。また、生徒会活動や部活動も活気があります。特に部活動では、県大会をはじめ、関東大会や全国大会ですばらしい活躍をしています。このような活躍は、皆さんの先輩たちが、毎日努力を積み重ね、本気で取り組んできた成果なのです。仲間と本気で取り組めば、そこに確かな友情が生まれます。共に何かを成し遂げる体験やそこで生まれてくる友情は一生の宝物です。豊かな体験を通して友情を育み、一生の友とできる人を探してほしいと願っています。
 みなさんの中学校での活躍をご祈念申し上げます。

ご卒業おめでとうございます。

  卒業生のみなさん、ご卒業おめでとうございます。心からお祝い申し上げます。真岡東中また、この日を長く待ち望んでおらました保護者の皆様には、心よりお慶び申し上げます。
  さて、義務教育を終了したみなさんは、今日より新しい門出を迎えます。進む道もそれぞれ異なりますし、将来就く職業も違います。自分の人生設計に基づいて、自分の意思で歩んで行くことになります。
  そこで、大切にしてほしいことは、「感謝の気持ちを忘れない」ということです。
  思い起こしてください。ちょうど6年前の3月11日午後2時46分、未曾有の被害をもたらした東日本大震災が起こりました。ここ真岡市でも震度6弱の激しい揺れに見舞われ、甚大な被害が生じました。水は出ない、電気は付かない、スーパーでの買い物もできない、ガソリンスタンドには長蛇の列、一瞬にして「日常」が奪われてしまいました。学校でも、電気や水、トイレ、チャイム、給食、授業、そして部活動等々、当たり前のことが当たり前でない状態になってしまいました。
  その後、少しずつ復旧していきましたが、その都度、誰もが当たり前の生活ができることに感謝したことと思います。東日本大震災という過去に経験したことのない大災害を乗り越えてきた皆さんだからこそ、より以上に「感謝の気持ち」の大切さを深く心に刻み、これからも忘れないでほしいと思います。
  私たちは誰でも、一人では生きていくことができません。皆さんがこうして卒業の日を迎えられたのも、決して皆さん一人だけの力ではありません。これからの人生、皆さんが生きていくためには多くの人の力を必要とします。そうした方々への感謝の気持ちが大切で、その気持ちが何よりも自分自身の人生を豊かにしてくれます。感謝の気持ちを忘れずに大切にしてほしいと思っています。
  みなさんの輝かし未来を祝福いたします。

指導主事を活用していただきたい

 本年度最後となる3月2日(木)の校長会で、次のことを校長先生方にお願いしました。
 
 ご承知のとおり、芳賀地区広域行政事務組合教育委員会(以下「芳広教委」という)は一昨年3月末をもって解散いたしました。これまで1市4町の教育事務の共同処理として、芳広教委が行っていた教員研修や学習指導・教育課程に関する指導等を各市町教委が行うことになりました。そのため真岡市教委においては、指導係を新設し指導主事6名を配置するなど、組織を改編し体制を整えたことは周知のとおりです。
 しかしながら、芳広教委を解散するとなると、教員研修をはじめ合同訪問や教科書採択等の事務を滞りなく市町教委へ移管しなければなりません。これは相当の事務量で容易ではありません。そこで、芳賀地区教育研究協議会を1年間の限定で創設し、解散後もこれまでと同様に事務処理を行い円滑に移管できるようしました。業務は広域行政センターで市町教委の指導主事が行い、真岡市教委は3名を派遣していました。そのため、指導係に6名の指導主事が配置されたとはいえ、実際は3名で指導係の業務を行っていました。
 その芳賀地区教育研究協議会もこの3月末をもって解散することになります。4月からは指導係に6名の指導主事が揃います。いよいよ真岡市教育委員会学校教育課の指導係が、本格的に業務を遂行するときが来たと言ってよいでしょう。ですから、大いに指導主事を活用してほしいと思っております。
 今やどこの学校においても、学力向上やいじめ・不登校対策、若手教員の育成等々、課題があります。また、授業をはじめ、学級経営や児童・生徒指導等、学校で日常的に営まれている教師の仕事であっても、専門性と実践的指導力が要求されます。指導主事はこういった学校の課題解決の取組を援助し、教師を支援するために配置されています。
 地教行法第18条第3項には「指導主事は学校における教育課程、学習指導その他学校教育に関する専門的事項の指導に関する事務に従事する」とあります。そのため、指導主事には理論と実践に基づく高い専門性が要求されます。それだけではなく、学校教育を教育行政の最前線で支援する市教委の指導主事には、県教委や教育事務所等の指導主事と違って、積極果敢な機動性も要求されます。つまり、学校で起きた諸々の出来事に即対応し、解決を図らなければならないのです。6名の指導主事は学校の要請に応えるため、その専門性と機動性を培ってきていますので、是非とも活用していただきたいと思います。

指導がなければ向上はない!

 2月13日(月)に真岡市小中学校校長会があり、次のことを話しました。

 早いもので年が明けて既に1か月半が経ち、2月も中旬となりました。短い3学期の慌ただしい中で、ふと気付いてみれば、平成29年度の全国学力・学習状況調査及びとちぎっ子学習状況調査の実施まであと2か月になっています。どこの学校でも、昨年の調査結果を分析し、学力向上のための改善プランを作成しています。また本年度は、学力向上検討委員会を設け、学校で取り組むべき学力向上の具体的手立てを提案していただきました。それらの取組状況はいかがでしょうか。
  言うまでもありませんが、教師の指導がなければ子供の向上はありません。特に各学校の課題となっている学力については、子供一人一人の学力を把握し、必要かつ適切な指導を全校体制で行うことが必須と言えます。そのための改善プランであり、具体的手立ての提案であったわけです。もちろん、学力向上は一朝一夕には結果が出ないことは分かっています。しかし、だからといって改善プランや具体的手立てを、教師が安易な気持ちで受け止めていたのでは事態は絶対に改善しません。先ずは教師自身が、それらの学力向上の取組に本気になることです。子供にとって必要な学習指導を本気で行うことです。
  当然テストへの備えも必要です。思考力・判断力・表現力等の活用力については、課題や発問を工夫したり、論述や説明などの言語活動を取り入れたりして、授業を通して育んできています。しかしながら、授業学力とテスト学力は必ずしも同じではありませんので、授業で身に付けた力がテストに反映されるとは限りません。全国学力・学習状況調査のB問題に見るように、たとえ算数や数学の問題であっても、解答するためには相当の読解力を要します。子供たちはそういった問題をやり慣れていませんので、無防備に臨むと戸惑ってしまい対処しきれません。したがって、ある程度類似した問題に取り組ませておくことも必要です。各学校に配布してある「チャレンジシート」(芳賀教育事務所・芳広教委発行平成26年12月配布)はそのためのものですので、是非とも活用をお願いします。
  また、テストのあるなしにかかわらず、国語の漢字やローマ字、算数・数学の計算等の基本的事項は、その学年で確実に身に付けていなければ、その後の学習に支障をきたすことになります。ですから今、この時期が大切であって、まとめの3学期におけるそれらの総括した学習と、定着させるための繰り返し指導が極めて重要になります。
 改めて、教師の指導があってはじめて子供は向上するということをご指導願います。