日誌

学校の決め手は組織力と機動力

 4月12日(火)に、真岡市小中学校長会がありました。その折りに、校長先生方に次のことをお話ししました。

 平成28年度がスタートしました。校長先生の確固たる学校経営方針の下、すべての教育活動が円滑に進められ成果が上げられることを大いに期待しております。そして、子供たちが通ってよかったと思える学校、保護者が通わせてよかったと思える学校、教職員が勤務してよかったと思える学校となりますようご祈念申し上げます。

 
 そこで、一つお話しいたします。
 平成10年の中教審答申「今後の地方教育行政の在り方について」で、「組織的、機動的な学校運営」という言葉が初めて使われました。
 当時の学校は、いじめや不登校、非行等の児童生徒の問題行動が深刻化していました。それだけではなく、学校が外部から閉鎖的であることなどが指摘され、学校の信頼が失われつつありました。そのため、学校が家庭や地域からの信頼を回復し、特色ある教育活動を展開できる「信頼される学校づくり」が急務となっていました。そこで登場したのが、「組織的、機動的な学校運営」という言葉です。
  学校は組織体です。校長、教頭、事務長をはじめ、複数の教職員で組織されています。配置された教職員は、それぞれ特長のある素晴らしい力量をもっています。組織にはそれらを結集することが求められます。「群羊を駆って猛虎を攻む」という諺があるように、たとえひ弱な羊であっても力を結集すれば猛虎にも勝てるのです。組織は1+1が3にも4にもならなければならないのです。そうでなければ、単なる烏合の衆で終わってしまいます。したがって、学校の決め手は「組織力」と言えます。つまり学校は、教職員の力を結集して組織力を発揮できなければならないのです。
  また学校は、何か問題が生じた場合には、即対応、即解決が求められます。学校が信頼されるためにはこれが不可欠です。しかしながら、これはそう簡単ではありません。いじめ問題でも分かるように、学校は後手に回ってしまい、発覚したときには「ときすでに遅し」で、学校の対応の遅れが白日の下に晒(さら)されることになってしまいます。そうならないよう、学校では、問題等の早期発見、適切な初期対応、迅速な諸対応、そして早期解決を図ることが常に求められます。その決め手となるのが「機動力」です。
 「機動」とは、「状況に応じてすばやく行動すること」です。ですから機動隊は、緊急事態のときにのみ出動し、警備や鎮圧に当たります。事態に速攻で対応し、いち早く解決を図ることが求められるのが機動隊です。学校も同様で、機動力を発揮して事に当たらなければならないのです。
  組織力と機動力。これらは平成10年の答申以来、ずっと学校に求められてきた最も必要な力です。よりよい学校運営のため、一層の組織力と機動力アップを期待しています。