校長室より

校長室より

3つの約束と心意気(校長室より No.38)

先週、4月10日(水)にオンラインで全校朝会を行いました。
初めに、1学期がスタートしてまだ3日目にも関わらず、「立場が人をつくる」という言葉どおり、3年生は最上級生らしくリーダーシップを発揮して東中をけん引し、2年生は中堅学年として1年生のよき手本となり、そして1年生は先輩を見習いながら、あっという間に中学生らしくなってきた生徒たちを称えました。

その後、「3つの約束」と「スローガン」について、話をしました。
主な内容は以下のとおりです。


3つの約束とは、「時を守る 場を清める 礼を正す」のこと。
これは、明治、大正、昭和、平成までの4つの時代を生きた哲学者、教育者である、森信三先生が唱えた言葉である。この3つのどれもが人として生きていく上でとても大切なものであることから、多くの学校で行動規範として活用されている。
「時を守る」については、「遅刻をしない、期日を守る」ということ。
定刻までには準備を整え、きたるべき時に備えて心を静めて開始を待つ姿勢が大切。
本校では、2分前着席や決められた期日までに提出物を提出することが当てはまる。
時を守る先には必ず相手があり、自らが時を守ることで、相手を尊重することになる。
「場を清める」については、「整理整頓をして、しっかりと掃除を行う」ということ。
清掃を一生懸命行うと、気付く人になれる、心が磨かれる、謙虚になれる、感謝の心が芽生えるなど、様々な心の成長が見込まれる。
本校では、清掃の時間の取組やロッカー・教室の整理整頓などが当てはまる。
「礼を正す」については、「気持ちのよい挨拶や返事を行い、敬意を表すために服装や身だしなみを整える。」とういこと。
挨拶には、「心を開いて、相手に迫る」という意味があり、挨拶をすることで人間関係は良好に保たれる。
また、服装や身だしなみを整えることは、相手に対する礼節につながる。
本校でも、気持ちのよい挨拶やきちんとした身だしなみは、当たり前のこととして実践してほしい。
森信三先生の3つの約束、「時を守る 場を清める 礼を正す」は人としての基本であり、本気で守ろうと思えば、誰でも必ず守れるもの。
中学生のときに、人としての基本をしっかりと身に付けておけば、社会人になっても他人からの信頼を得ることができるはず。
昨年度に引き続き「3つの約束」をしっかりと守るようにしよう。

今年度のスローガンも、引き続き「心意気 ~東中PRIDE~」とした。
「心意気」は、東中の校歌の冒頭にもあり、先輩方から連綿と受け継がれる東中の伝統とも言える言葉。
その意味は、「物事に積極的に取り組もうとする気構え。意気込み。強い意志。」のこと。
中学時代は心身共に大きく成長する時期で、皆さん一人一人が持つ、様々な可能性が大きく花開くときでもある。
しかし、自分がどんなことが得意で、どんな可能性を持っているのかは、なかなか分からない。
そこで、「心意気」を持っていろいろなことに挑戦し、自分の可能性を開花させてほしいという思いを、スローガンに込めた。
その際、大切なのは、東中生としての誇りを持って挑戦すること。
そこで、スローガンのサブタイトルに「東中PRIDE」の言葉を加えた。

「一人が一校を代表する」の言葉どおり、「東中PRIDE」は、自分が東中の代表なんだと自覚することから始る。
そして、「東中PRIDE」は、皆で創り受け継いでいくものである。
皆の心のよりどころになる、すばらしい「東中PRIDE」を創っていこう。
「心意気 ~東中PRIDE~」のスローガンのもと、皆が自分の力で、可能性を扉を開き、次のステップに進んでいくことを期待している。


令和6年度も「3つの約束」と「心意気」で大きな飛躍の年にしていきましょう!
 

ようこそ東中へ!歓迎、96名の新入生(校長室より No.37)

昨日、4月8日(月)に、満開の桜の下、真岡東中学校入学式を実施しました。
4年ぶりに御来賓の皆様の御臨席を賜り、新入生の入学を盛大にお祝いすることができました。
校長式辞では、新入生に以下の3つのことをお願いしました。


1 当たり前のことが当たり前にできる生徒になってほしい。
朝は自分で起きられる。誰にでも大きな声で挨拶ができる。人の話をきちんと聴くことができる。自分を振り返り反省することができる。
どれも当たり前のことばかりだが、なかなかできないものである。
人として当たり前のことができるようになることが、中学校生活を豊かで楽しくする第一歩である。
このことに関して、本校には「3つの約束『時を守る 場を清める 礼を正す』」がある。
進んで守ってほしい。

2 一生懸命に勉強してほしい。
中学校での学習は、小学校とはずいぶん違い、内容が難しくなり、より考える力が求められるようになる。
また、授業も教科ごとに先生が違う教科担任制になり、さらに、小学校にはなかった中間テスト・期末テストがある。
そのため、予習や復習などの家庭学習も計画的に行うことが大切。
日々の努力を欠かさず、皆さん一人一人が三年間で確かな学力を身に付け、自らの進路を自分の力で切り拓いてほしい。

3 何かに本気で打ち込み友情を育んでほしい。
本校では、3大行事である「運動会、ひがし野祭、駅伝フェスティバル」など様々な学校行事があり、大いに盛り上がる。
また、皆が楽しみにしている部活動も盛んで、関東大会や全国大会に出場し活躍している。
学校行事や部活動で一番大切なことは、本気で取り組むことである。
仲間と一緒に本気で取り組めば、そこに確かな友情が生まれる。
共に何かを成し遂げ、そこから生まれてくる友情は、一生の宝物である。
中学校生活を通して、友情を育み、生涯の友とできる人を探してほしい。


新入生の皆さんが、真岡東中学校の伝統である「心意気」をしっかりと受け継ぎ、中学校3年間で大きく成長されることを期待しています。

東日本大震災を忘れない(校長室より No.36)

13年前の今日、3月11日、14時46分。東北地方を中心に未曽有の被害をもたらした東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)が発生しました。
元日に能登半島地震が発生したこともあり、3月11日を迎え、改めて当時の記憶がよみがえるとともに、防災に向けた取組について思いを新たにしました。
震災時、生徒たちはまだ幼く記憶もほとんどないことから、本校独自の指導資料を作成し、今後担任が東日本大震災の概要と具体的な避難行動等について指導する予定です。
指導資料の東日本大震災に関する概要は、以下のとおりです。


・東日本大震災は、東北地方太平洋沖地震により発生した災害である。
・震源は三陸沖の海底24km、地震の規模を表すマグニチュードは9.0~9.1という超巨大地震で、日本では観測史上最大、世界でも4番目ぐらいに大きな地震である。
・地震の揺れの大きさを表す震度は、宮城県で最大7を記録しており、また、本震の継続時間は約6分間と非常に長いのが特徴だった。
・巨大津波の発生により、甚大な被害が発生した。震源が地下24kmと浅く、地震の規模が非常に大きかったことが原因。津波のスピードは非常に早く、水深の深い沖の方では、時速800kmにもなる。水深が浅くなるとスピードは落ちるが、それでも時速36kmほどはあり、津波が近づいてから走って逃げても、逃げ切れない。
・東日本大震災で発生した津波は、最大で海岸から6kmの内陸にまで達し、津波の高さは最大16m、最大遡上高40m以上を記録した。
・この巨大津波により未曾有の災害が発生し、死者・行方不明者は2万人以上にも及び、13年が経過した今なお2万9千人ほどが避難生活を送っている。
・また、巨大津波により、福島第1原発の1~5号機で全ての電源を喪失し、原子炉を冷却できなくなり、1~3号炉で炉心溶融(メルトダウン)が発生。それに伴い、大量の放射性物質が空気中に拡散し、原発周辺が立ち入り禁止区域となった。


東北地方を中心に甚大な被害をもたらした東日本大震災から13年の月日が流れ、私を含め人々の記憶は薄れつつあります。
元日の能登半島地震は、まるで「自然の脅威を決して忘れてはいけない」との警告のようでした。
日本は、3つのプレートの境目に位置しているため、ある程度の周期で巨大地震が発生します。
次に、発生が予想されている巨大地震は、駿河湾から日向灘沖にかけてのプレート境界を震源域とする「南海トラフ地震」です。
静岡県から宮崎県にかけての一部では、震度7の強い揺れが想定され、また、関東地方から九州地方にかけての太平洋沿岸の広い地域に10mを超える巨大津波の襲来が想定されています。

私たちにできることは、東日本大震災の教訓を生かし、「想定外」という言葉を使わずに済むように、最悪の事態を想定して災害に備えることです。
「3.11」の記憶と教訓を決して風化させることなく、本校では防災教育の充実を図って参ります。

コペルニクスとガリレオ(校長室より No.35)

先週2月15日はガリレオの誕生日でした。
そして、今週2月19日はコペルニクスの誕生日でした。
コペルニクスは1473年生まれ、ガリレオは1564年生まれですから、2人の間には100年弱の時間差があり、直接2人の人生が交わることはありませんでした。

御存知のように、2人は星の動きが地球の自転によるものだとする地動説を唱えたことで有名です。
まず、ポーランド出身の天文学者であるコペルニクスが、地球を中心に全ての星が回転しているとする天動説では説明のつかない星の動きを見つけ、晩年に著書「天体の回転について」で地動説を唱えます。

しかし、正式な出版を待たずにコペルニクスは亡くなってしまいます。
それから約100年の時を経て、イタリア出身の天文学者ガリレオが自ら発明した望遠鏡によって天体観測を行い、コペルニクスの地動説が正しかったことを証明します。
当時はキリスト教会が絶対的な力を持っており、聖書と矛盾することから地動説は否定されていました。
ガリレオは裁判に掛けられ地動説を撤回するよう強いられましたが、「それでも地球は回っている」という有名な言葉を残し、主張の撤回を拒みました。
それから程なくして、フィレンツェ郊外の幽閉先で視力を失い、間もなく息を引き取ったのです。
ガリレオの数々の理論は、現在の科学の基礎となりました。
仮説の検証に実験という手法を用いたのはガリレオが初めてであり、特にこの功績で、彼は「科学の父」と呼ばれています。

なぜ彼が、絶対の権力者・キリスト教会に対して、命がけで自分の考えを主張したのか、今となっては分かりませんが、きっと自分の中に生じた疑問、「なぜ?」をそのままにしておくことができなかったのでしょう。
そして、科学は権威に押しつぶされるようなヤワな学問ではなく、ましてや多数派意見によって正しさが証明されるものでもないこと身をもって示したかったのだと思います。
人間の飽くなき探究心によって、自然の摂理が日進月歩で解明されようとしている今日、日めくりカレンダーで2人の偉大な科学者の誕生日に触れ、科学は時代を動かし、時代を変える力を秘めていることを改めて確信しました。
人工知能の進化など科学技術の飛躍的発展が予想されるこれからの時代、科学と共に歩む生徒の皆さんの活躍を信じ、応援しています。

新しい時代に必要な力(校長室より No.34)

昨日、2月の全校朝会を実施しました。
今年度最後の全校朝会でしたが、感染症感染拡大防止のためオンラインでの実施となりました。
「日本人の季節感」と「新しい時代に必要な力」の2点について話しました。
主な内容は、以下のとおりです。


2月4日の立春を過ぎ、随分寒さも和らいできた。
「立春」というのは、二十四節気の一つである。
二十四節気は季節を表す言葉であり、古代中国で誕生し、日本には飛鳥時代に暦とともに伝わり、改良が重ねられた。
二十四節気は、1年を24分割するだが、その分け方は、日照時間が最も長い「夏至」と最も短い「冬至」で2分割。
昼夜の時間が同じ長さになる「春分」と「秋分」で4分割。
それらの間に「立春」「立夏」「立秋」「立冬」を入れて8分割、その8つをさらに3分割して24に分ける。
二十四節季には、「立春(2月4日)寒さも峠を越え春の気配が感じられる頃」、「雨水(2月19日)陽気がよくなり、雪や氷が溶けて水になり、雪が雨に変わる頃」、「啓蟄(3月5日)冬ごもりしていた地中の虫がはい出てくる頃」などがある。
今も昔も、日本人は、季節に寄り添いながら暮らしている。
日本以外にも四季のある国はたくさんあるが、ことさら日本人の季節感は称賛される。
それは、幼いころから自然に親しみ、繊細な感覚を身に付け、季節を楽しむすべを会得しているからだと思う。
是非、皆も「二十四節気」を意識して生活してほしい。
国際化、グローバル化が加速するこれからの時代だからこそ、日本のよさを感じ、日本人としての自覚を深め、自己がよって立つ基盤にしっかりと根を下ろすことが重要になりると考える。

次は、皆が生きる近未来の社会の様子について考えてみたい。
今現在も少子高齢化が進行しており、日本の65歳以上の高齢者の割合は昨年9月の時点で総人口の約29%、3623万人となった。
約25年後の2050年には、現在1億2400万人ほどの日本の人口が、3分の2のの8000万人程度になると予想される。
特に、若年層の人口減少が著しく、単純に人口比で言えば小・中学校の数も現在の3分の1で済むとの予想もある。
反対に、65歳以上の高齢者の割合が約40%程度になる見込みで、社会保障の面からも1人で1人を支える大変な時代になる。
では、世の中はどのように変わるのあろうか。
現在、第四次産業革命が進行していると言われている。
第一次産業革命では、蒸気機関などの動力の獲得、大量生産、高速輸送などにより軽工業が発展。
第二次産業革命では、ガソリンエンジン、電気モーターなど動力の革新により重工業が発展。
第三次産業革命では、コンピューターの開発、生産ラインに自動化(産業用ロボット)などのデジタル革命が進展。
そして、第四次産業革命では、「IoT(モノのインターネット)」に代表されるように、あらゆるモノや情報がインターネットを通じて繋がり、それらが互いにリアルタイムで情報をやり取りしつつ、人の指示を逐一受けずに判断・機能し、システム全体の効率を高めるとともに新たな製品・サービスを創出していくと言われていまる。
超スマート社会、Society5.0と呼ばれる社会である。
過去を振り返ってみると、Society1.0が狩猟社会、Society2.0が農耕社会、Society3.0が工業社会、Society4.0が情報社会、Society5.0が超スマート社会となる。
今後、一層進化するであろうAI(人口知能)により、2050年頃は、買い物はドローンによる宅配が中心になるかもしれない。
自動車もほとんどが自動運転になるだろうし、空飛ぶ車も登場しているだろう。
実体験とバーチャル体験の境も曖昧になり。国境の意味も今と変わっているかもしれない。
そのような時代を生きる皆には、どんな力が必要となるのだろうか。
まず、時代の変化に合わせて、様々な変化に積極的に向き合い、他者と協働して課題を解決していく力が必要になるだろう。
特に、グローバル化が進展することから、国籍や人種を問わず、多様性を受け入れ協力して課題を解決することが大切になる。
英語力もますます重要となるり、さらに、対話により結論を導き出していく力も必要となるはずである。
また、AIの苦手分野こそ人間の力が必要となるだろう。
AIの苦手なこととして、目的そのものを考えることが挙げられる。
AIに目的を与えれば、最短で最適解を導き出せるだろうが、目的そのものを考えるには、価値を見付け生み出す感性や好奇心、探求力などが必要となる。
それらはAIによって代替できない、人間の強みだと思う。
いずれにしても、新しい時代を生きる皆には、教えてもらったことを忠実に再現する力だけでは不十分で、与えられた課題を独創的な方法で解決する創造力や、課題そのものを自ら見付け改善していくような力が必ず必要になると思う。
皆が、変化の激しい25年後の世界でも活躍できるように、先生方と一緒に新しい時代に必要な力をしっかりと身に付けていこう。

初心忘るべからず(校長室より No.33)

先週、2月2日(金)に立志式を実施しました。
式中、「立志の決意」を堂々と発表する生徒たちの姿から、14年間の確かな成長を感じるともに、今後の更なる飛躍に期待が膨らみました。
私の式辞では、世阿弥の「花鏡」から「初心忘るべからず」の言葉を送りました。
主な内容は以下のとおりです。


「花鏡」には、「しかれば、当流に、万能一徳の一句あり。初心忘るべからず。」との一節があり、さらに「この句、三箇条の口伝あり。是非の初心忘るべからず。時々の初心忘るべからず。老後の初心忘るべからず。」と続き、能の芸について初心時代の未熟さを忘れないよう戒めが示されている。
転じて現代では、「物事に慣れると慢心してしまいがちだが、最初の頃の志を忘れてはいけない」という意味で使われれる。

人は、物事のはじめには、強い「希望」や「目標」を持って出発するが、だんだんと月日が経つにつれて、初めの頃の熱い気持ちを忘れ、現実の甘い生活に妥協し、安易で楽な方に流されがちになる。
最初のうちは、自分の進むべき道からそれていることに気付くものだが、軌道修正を怠っているうちに、希望や理想から遠く離れてしまい、目指すべき道すら見失ってしまうことがある。
そのようなことにならないためにも「初心忘るべからず」の言葉を肝に銘じてもらいたい。

夢や目標を持ち、それを実行に移すときには、必ず多くの困難にぶつかるが、簡単に諦めてはいけない。
夢や目標の実現は、他人から与えられるものではなく、自ら努力して勝ち取るものだからである。
もし、くじけそうになったら、「立志の決意」を一生懸命考え堂々と発表したときの今日の熱い気持ち、「初心」を思い出し、自らを奮い立たせ、東中の心意気で頑張ってほしい。


保護者の皆様方には、生徒たちが立志の決意を実現できるよう、愛情と厳しさを持って見守り導いていただけますよう、お願いいたします。
私ども教職員も生徒たちの夢の実現を全力で支援して参りますので、今後とも、御支援、御協力のほどよろしくお願いいたします。

なお、立志記念講演では、隻腕のプロゴルファー小山田雅人氏から「 ないものを嘆くより、あるものに感謝したい」との言葉とともに、あきらめずに困難に立ち向かい夢を実現する大切さをお話しいただきました。学びの多い立志式となりました。

 

夢の実現に向けて(校長室より No.32)

本日、1月24日(水)の朝、表彰と全校朝会を行いました。
全校朝会の主な内容は、以下のとおりです。


新年を迎え、生徒の皆も気持ちも新たに夢や目標を思い描いたことだろう。
新年がスタートして既に数週間が過ぎたが、果たして皆は、夢や目標の実現に向けて確かな歩みを進めることができているか。
「光陰矢のごとし」。
時の経つのは本当に早いもので、あっという間に時間は過ぎ去っていく。
漠然と日々を過ごしてはいけない。

それぞれの学年や立場に応じた夢や目標の設定は、その後の成長に重要な役割を果たす。
確かな夢や目標を持ち、それを実現するための具体策を考え、今しかできないことを着実に実行することが、何より大切である。
各界で活躍されている方々も子供のときに明確な夢や目標を持ち、それに向かって努力した。

メジャーリーグで大活躍している大谷翔平選手が、高校1年生のときに記した目標達成シート(オープンウィンドウ64)がここにある。
中心に一番成し得たい目標を書き、その周りに目標の達成に必要な8つの要素を書く。
大谷選手の場合は、高校1年生のときの成し得たい目標が「8球団からのドラフト1位指名」、そしてそれを実現するための8つの要素を「体づくり、コントロール、キレ、スピード160km、変化球、運、人間性、メンタル」とした。
8つの要素それぞれに8つの具体的な項目を書き、「8×8=64」となるためオープンウィンドウ64と言われている。

夢の実現、目標達成に向けて大切なことは、大谷選手の目標達成シートのように、今、自分がやるべきことを明確にすること、そしてそれがより具体的であること。
大谷選手は、高校時代に今やるべきことを何回も見直しており、最終的には3年間で16枚の目標達成シートを作成した。
また、野球に関することだけでなく、「運」や「人間性」を書き入れているところに彼のひととなりがうかがえ、そんな彼だからこそスポーツの垣根を越えて多くの人に愛されているのだと思う。

新年を迎え、皆さんが気持ちも新たに思い描いた様々な夢。
その夢を夢のままで終わらせないよう、そして将来その夢を通して社会に貢献できるよう、東中伝統の「心意気」を大切にしながら、今やるべき具体策を考え確かな歩みを進めてほしい。
御家族や東中の先生方も皆の夢の実現を全力で支援する。
一緒に夢を実現させよう。

(出典:『PRESIDENT』2018年7月30日号)

 

いつか必ず(校長室より No.31)

写真のように、校内のあちこちに飾られている「シャコバサボテン」がきれいな花を咲かせています。
この品種は、南米の高山を原産とするサボテンで、冬場のクリスマスの時期に開花することから、海外では「クリスマス・カクタス」とも呼ばれています。
開花には、日照時間が関係しているようです。

冬の寒い時期に咲いたシャコバサボテンの美しい花を見て、安積得也さんの「明日」という詩を思い出しました。
「はきだめに えんど豆咲き 泥地から 蓮の花が育つ
 人皆に美くしき種子(たね)あり 明日何が咲くか」

子供たちの限りない可能性に期待する作者の思いが込められた、すばらしい詩だと思います。
安積さんは、詩人としてだけではなく、官僚や栃木県知事(官選)、社会評論家など多方面で活躍された方です。
また、明治、大正、昭和、平成と4つの時代を生き抜いた方でもあります。

子供たちは様々な可能性の種子を秘めていますが、そこから咲く花は一つとして同じ形や色のものはなく、花の咲く時期も異なります。
しかし、必ず花は咲きます。

この詩を思い出して、改めて、教師の仕事は子供たちが持っている可能性を信じ、様々な支援をしながら、辛抱強く開花を待つことなのだと感じました。
生徒の皆さんも自身の中にある可能性の種子を信じ、努力してほしいと思います。
いつか必ず大輪の花が咲くはずです。

星に願いを(校長室より No.30)

冬の夜空を彩る「ふたご座流星群」が、12月15日(金)午前4時頃に極大(流星群自体の活動が最も活発になること)を迎えます。
ふたご座流星群が普段より目立って多く見えるのは、12月13日の夜から15日の夜の3夜と予想されます。
どの夜も、21時頃から見える流星の数が増え、夜明けを迎える翌朝の5時過ぎ頃まで観察できます。
空の暗い場所で観察した場合、14日21時頃には、すでに、1時間あたりの流星数が30個を超えそうです。
放射点が高い空に達する15日0時から3時頃においてはさらに多くなり、暗い空で見える流星数は、1時間あたり70個に達する可能性があると予想されます。
この予想流星数は、ここ数年のうちでは最も多く、絶好の観察条件と言えるでしょう。

流星は、ふたご座近くの「放射点」から四方八方に走り、空全体に現れます。
ふたご座の周辺だけに見られるわけではないので、観察に当たっては、街灯など人工の明かりが少なく、できるだけ空が広く見渡せる場所を選んで、空の広い範囲に注意を向けるとよいでしょう。
また、流星群の観察には、目が暗さに慣れるまで15分ほどは観察を続ける必要があります。
かぜをひかないように、暖かい格好で観察することも大切です。

ふたご座流星群は、1月のしぶんぎ座流星群、8月のペルセウス座流星群と並んで「三大流星群」と呼ばれています。
太古の昔から、人類は星にたくさんの願い事をしてきました。
今日も明日も天気は大丈夫そうです。
東中生の皆さん、この機会に流星群を観察し、願い事をしてみてはいかがでしょうか。
私も、「ふたご座流星群」の流れ星に、東中生みんなの願い事がかなうよう、お祈りするとしましょう。

人権週間に思う(校長室より No.29)

昨日、12月4日(月)から、人権週間が始まりました。
世界人権宣言が1948年12月10日に国連総会で採択されたことを記念して、日本では12月10日を最終日とする1週間を人権週間と定め、世界人権宣言の趣旨及びその重要性を広く国民に訴えかけるとともに、人権尊重思想の普及高揚に努めています。

人権とは、「すべての人々が生命と自由を確保し、それぞれの幸福を追求する権利」、「人間が人間らしく生きる権利で、生まれながらに持つ権利」のことです。
誰にとっても身近で大切なもの、日常の思いやりの心によって守られるものです。

世界人権宣言宣言が採択されてから70年以上が経過した現在も依然として多くの人権問題があり、偏見や差別に苦しんでいる人が大勢います。
様々な人権問題には、次のようなものがあります。
「同和問題。子ども、高齢者、障害者、女性、外国人、HIV感染者・ハンセン病患者及び元患者、インターネットによる人権侵害、災害に伴う人権問題、性的指向・性同一性障害(LGBT)にかかわる人権問題」等
また、今現在も、ウクライナとロシアの戦争やイスラエルとハマスの武力衝突などにより、多くの尊い命が失われています。

私たちの心の中には、自分とは違う一面を持つ人を差別する気持ちが入り込んでくることがあります。
その弱い気持ちに負けないためには、人権感覚を磨き続けなければなりません。
「自分の心に偏見の芽はないか、みんなと違うという理由だけで排除や差別をしていないか、弱い立場の人をいじめていないか」など、常に自分自身を厳しく見つめることが大切です。
これは生徒の皆さんだけでなく、我々大人も同じです。

世界大戦など20世紀までの反省の上に立ち、21世紀を全ての人の人権が尊重され、幸福が実現する時代にしたいとい願いを込めて「21世紀は『人権の世紀』である」としてきました。
我々大人はもちろん、これから21世紀を支えていく生徒の皆さんも一緒になって人権感覚を磨き、21世紀を全ての人の人権が尊重され、幸福が実現する時代にしていきましょう。

 

栄えある受賞(校長室より No.28)

先週、11月21日(火)に真岡市教育祭と芳賀郡市教育祭が開催されました。

本校からも真岡市教育祭で4名の生徒と吹奏楽部が、そして芳賀郡市教育祭で1名の生徒が、日頃の努力と実績が認められ、栄えある受賞となりました。
また、PTA副会長様、本校教職員も受賞されました。
本当におめでとうございます。

ひがし野祭などの大きな行事を通して、各学年とも大きく成長していますが、東中の主役はやっぱり3年生です。
卒業まで4か月を切りましたが、誉れ高き賞をいただいた3年生を中心に東中を大いに盛り上げてほしいと思います。
3年生の、更なる活躍を期待しています。
頑張ってください。

県大会出場、おめでとう!(校長室より No.27)

本日、真岡市生涯学習館において、「芳賀地区中学校英語スピーチコンテスト」が開催されました。
本校からは、2年生の男子生徒と3年生の女子生徒が出場しました。
2人とも練習の成果を存分に発揮し、すばらしいスピーチを披露してくれました。

スピーチコンテストへの出場は、一人で舞台に立ち、英語を使って自分の声や表情で表現するという最高の学びの機会になります。
大勢の人の前で英語で発表した経験は、将来、英語を使って外国の人と交渉をするときや、仕事で外国の人と信頼関係を築くとき、英語でプレゼンテーションをするときなどに、大いに役立つことと思います

 生徒の皆さんが生きるこれからの時代は、グローバル化が一層進展すると言われています。
グローバル化とは、情報通信技術の進展、交通手段の発達による移動の容易化、市場の国際的な開放等により、人、物材、情報の国際的移動が活性化して、様々な分野で「国境」の意義があいまいになるとともに、各国が相互に依存し、他国や国際社会の動向を無視できなくなる状況のことです。
そこでのやり取りは、当然英語で行われることになりますので、生徒たちの将来を見据え、本校でも英語教育の充実に力を入れているところです。
そのような中、今回のスピーチコンテストに、勇気を持ってチャレンジした2名の生徒に心から拍手を贈りたいと思います。

2名のうち3年生女子生徒の県大会出場が決定しました。
県大会出場が決まった3年のスピーチは、目を閉じるとネイティブと言われても当然と思うような、すばらしい出来栄えでした。
県大会でも、最優秀賞目指して頑張ってほしいと思います。

 

 

読書の秋(校長室より No.26)

10月も半ばとなり、季節は秋本番、過ごしやすく何をするにもよい季節となりました。
そのため、秋には「スポーツの秋」、「芸術の秋」など様々な言葉が当てられますが、今回は「読書の秋」に注目してみたいと思います。
読書は、言葉を学び、感性を磨き、表現力を高め、創造力を豊かなものにし、人生をより深く生きる力を身に付けていく上で欠くことのできないものです。

本校でも、学校図書館司書さんが中心となって、図書室に季節や時の話題に応じた特設コーナーを設けたり、定期的に新刊図書を紹介したりするなど、読書活動の推進に努めています。
現在、図書室の入り口には、写真のように「中学生に読んでほしい30冊」が展示されています。
某出版社の企画ですが、良書が多いため、本校でも生徒に勧めています。
なかなか貸出中にならないのがとても残念です。

以下にその30冊を示しますので、是非「読書の秋」を満喫してみてください。
思春期で多感な中学生の今だからこそ、感じ取れることがあるはずです。
親子で同じ本を読んで、感想などを語り合うのも良いと思います。


さがしもの  角田光代
博士の愛した数式  小川洋子
恐竜まみれ -発掘現場は今日も命がけ-  小林快次
坊っちゃん  夏目漱石
夜のピクニック  恩田陸
精霊の守り人  上橋菜穂子
つめたいよるに 江國香織
西の魔女が死んだ  梨木香歩
一晩置いたカレーはなぜおいしいのか  稲垣栄洋
注文の多い料理店  宮沢賢治

ぼくは勉強ができない  山田詠美
走れメロス  太宰治
風が強く吹いている  三浦しをん
星の王子様  サン=テグジュペリ(訳 河野万里子)
悪魔のいる天国  星新一
ツナグ  辻村深月
夏の庭 -The Friends-  湯本香樹実
きみの友だち  重松清
本屋さんのダイアナ  柚木麻子
赤毛のアン  L・M・モンゴメリ(訳 村岡花子)

あと少し、もう少し  瀬尾まいこ
天久鷹央の推理カルテ  知念実希人
海辺のカフカ(上・下)  村上春樹
十五少年漂流記  ジュール・ヴェルヌ(訳 波多野完治)
にんじん  ジュール・ルナール(訳 高野優)
蜘蛛の糸・杜子春  芥川龍之介
潮騒  三島由紀夫
アメリカひじき・火垂るの墓  野坂昭如
ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー  ブレディみかこ
車輪の下  ヘルマン・ヘッセ(訳 高橋健二)

 

 

おめでとう、東日本学校吹奏楽大会「金賞」!(校長室より No.25)

本日、山梨県甲府市・YCC県民文化ホールにおいて、東日本学校吹奏楽大会が行われました。

東関東代表(1位)として臨んだ本校吹奏楽部は、日頃の練習の成果を遺憾なく発揮し、見事金賞を獲得しました。本当におめでとうございます‼️今年度、創立43年目を迎えた本校の歴史に、輝かしい新たな1ページを刻んでくれました。応援に駆けつけた私も感動で泣きそうでした。

大会のたびに成長していく皆さんは、東中の誇りであり、無限の可能性を感じさせてくれます。大会は11月上旬まで続きます。吹奏楽部の皆さんのますますの活躍を祈念しています。頑張ってください。

残念だった今年の中秋の名月(校長室より No.24)

先週9月29日(金)は、「中秋の名月」でした。
残念ながら真岡市は曇り空(一部雨模様)で、あまり良く月が見られませんでした。

中秋の名月とは、太陰太陽暦の「中秋8月15日」の夜に見える月のことを指します。
中秋の名月を愛でる習慣は、平安時代に中国から伝わったと言われています。
今年の中秋の名月は満月と同じ日ですが、実は、中秋の名月と満月の日付がずれることは、しばしば起こります。
昨年と今年年は満月ですが、来年2024年は、中秋の名月が9月17日、満月が9月18日と日付がずれます。
来年以降だと中秋の名月が満月になるのは、2030年になります。
これは、中秋の名月は太陰太陽暦の日付(新月からの日数)で決まるのに対して、満月は、太陽、地球、月の位置関係で決まるからです。
月の公転軌道が楕円形であり、新月から満月までにかかる日数が13.9日から15.6日と大きく変化するためです。

ところで、月は季節にかかわらずいつでも見られるのに、なぜ昔から秋の月は美しいといわれるのでしょうか。
それは、秋の空気と月の適度な高さが関係しています。
秋の空気は、水分量が春や夏に比べて少なく乾燥しているため、澄んだ空気が月をくっきりと夜空に映し出します。
また、月は冬に近づくほど空の高い位置を通り、夏は低い位置を通ります。
近い方がよく見えますが、春は地上の埃などで月本来の明るさが霞んでしまいます。
そのため、空気の水分量、大気の状況や月の高さなど、月が最も美しく見える条件が揃う秋こそ、月見にふさわしいと言われてきたました。

昨年は天候にも恵まれ、見事な「中秋の名月」を満喫することができましたので、そのときの写真を載せておきます。
来年こそは、見られるとよいですね。

2022年9月10日 21時 真岡市東前公園にて

 

同じ命、最後まで責任を持って(校長室より No.23)

先週の9月20(水)日から、明日26日(火)までの1週間は、動物愛護週間です。
動物愛護週間は、法律によって、「ひろく国民の間に命あるものである動物の愛護と適正な飼育についての関心と理解を深めるようにするため」に設けるよう、定められているものです。

ペットとして飼われている犬や猫の多くは、家族として愛情を注がれ大切にされています。
しかし、中には心ない人もいて、新しく生まれた小さな命を含め、「捨て猫、捨て犬」が見られます。
以前、自然教育センターに勤務していたときにも、敷地内に子猫が捨てられていたことが何度かありました。
飼い主が見つからない犬や猫は、動物愛護センターで一時保護されます。
そして、譲渡会などで一定期間新しい飼い主を探しますが、どうしても見つからなければ、最後は殺処分となります。
殺処分の件数は、年々減ってきてるとはいえ、昨年度だけで1.4万匹以上の犬や猫が殺処分されています。

殺処分に関わっているある獣医さんは、「動物の命を助けたくて獣医になったのに、動物の命を奪うことになるなんて…」と悲痛な胸の内を吐露しています。

ドイツは、殺処分ゼロを実現してると言われています。
「日本に生まれなければよかった」
動物たちにそう言われないよう、人も動物も幸せに暮らせる社会を実現していきましょう!

迫る危機、万全の備えを!(校長室より No.22)

本日、9月20日(水)、全校朝会で校長講話を行いました。
9月1日の防災の日にちなんで、関東大震災の振り返りや予想される巨大地震、避難の心構え等について、話をしました。
主な内容は、以下のとおりです。


9月1日は、「防災の日」である。
防災の日とは、「台風、高潮、津波、地震等の災害についての認識を深め、それらの災害に対処する心構えを準備するため」の啓発日であり、 9月1日の日付は、今からちょうど100年前の1923年(大正12年)9月1日に発生した「関東大震災」に由来している。
関東大震災では、相模湾一帯を震源とするマグニチュード7.9の巨大地震により、死者・行方不明者は約10万5千人、建物の全半壊・焼失は約37万棟と関東一円に大災害がもたらされた。

毎年、この防災の日には全国各地で様々な訓練や催しが行われるが、今年の国の総合防災訓練は、1日午前710分に東京23区を震源とするマグニチュード7.3の大地震が発生し、東京都心を含む関東南部が震度7や6強の激しい揺れに襲われたとの想定で行われた。
実際、この想定にある「首都直下地震」は、政府の地震調査委員会が今後30年以内に70%の確率で起きると予測しているマグニチュード7程度の大地震のことである。
仮に、東京都心南部の直下でマグニチュード7.3の大地震が起きた場合、東京の江戸川区と江東区で震度7、東京、千葉、埼玉、神奈川の4つの都県で震度6強、栃木県でも震度6弱、5強ぐらいにはなるのではないかと言われている。
関東大震災同様、火災等により死者は、全体でおよそ2万3千人になると予想されている。

ところが、30年以内に70%の確率でと言われても差し迫った危機感を抱けないことが多い。
しかし、日本がプレートの境目に位置している以上は、ひずみのエネルギーがたまれば、いつかは必ず巨大地震が起きる。
現に、2011年(平成23年)3月11日に発生した日本観測史上最大のマグニチュード9.0の超巨大地震により、岩手・宮城・福島の東北3県を中心に東日本一帯に未曾有の災害をもたらした「東日本大震災」が引き起こされた。
東日本大震災以上の甚大な被害が想定される、「南海トラフ巨大地震」に関しては、今後40年以内に90%程度の確率で起こるとされており、日頃の備えが重要となる。
様々な災害が予想される以上、避難訓練は非常に大事であり、その成果が現れた事例を紹介する。
それは、「釜石の奇跡」と呼ばれ、岩手県釜石市の3千人近い小中学生のほぼ全員が、津波から無事に避難したことを指している。
震災の8年ほど前から、当時は群馬大学で教授をしていた片田敏孝氏は、災害のときにいかにして生き抜くかを、教職員や児童生徒に粘り強く伝え、共に考えてきた。
特に、釜石市立釜石東中学校は、海からわずか500m足らずの近距離に位置しているにもかかわらず、地震発生直後から迅速に避難行動を開始し、全員無事に高台に避難した。
その際、自らはもちろんのこと幼児や小学生、高齢者たちを助けながら避難した生徒も多くいたそうだ。
片田教授は避難の3原則として、「想定にとらわれないこと」、「最善を尽くすこと」、「率先避難者になること」を挙げおり、「釜石の奇跡」は、まさにそれを実践した事例となった。

しかし、災害時にいつも正しい避難行動がとれなくなる一因に、「正常性バイアス」と呼ばれる心のはたらきがある。
私たちの心は、日常生活を落ち着いて送るために、予期せぬ異常や危険に対して、ある程度鈍感にできてる。
ある限界までの異常は、正常の範囲内として処理する心のメカニズムを「正常性バイアス」と呼ぶ。
ところが、この私たちの心を守るための機能が非常事態の際、「大したことにはならない(はず)」「自分(だけ)は大丈夫」と危険を過小評価し、避難するタイミングを奪ってしまうことがある。
そうならないためにも、災害の際には「最悪を想定する」必要がある。

これらのことを参考に、「的確な判断」と「迅速な行動」により、まずは、自分の命を守ること。
そして、できれば「助けられる人」から「助ける人」になってほしい。
関東大震災からちょうど100年目の節目の年に当たり、関東大震災の振り返りや予想される巨大地震の被害想定、避難の心構え等について話をした。
もしものときに役立ててほしい。


まずは教職員が危機感を持って防災教育について真剣に取り組み、生徒一人一人に災害を生き抜く力を確実に身に付けさせたいと考えています。御家庭や地域におかれましても、災害発生時の避難行動について、改めて確認をお願いいたします。


 南海トラフ巨大地震の予想震度分布

 

敬老の日に寄せて(校長室より No.21)

昨日、9月18日(月)は、敬老の日でした。
敬老の日の由来となったのは、兵庫県多可郡野間谷村で行われていた「としよりの日」だととされています。
「としよりの日」は、お年寄りを敬い、その知恵を借りて村を作るために提唱されたのだそうです。
1947年に始まった「としよりの日」という行事は、兵庫県全体に広まったのち、次第に全国で行われるようになりました。
その後「としより」という表現を改めて、1963年に老人福祉法で「老人の日」として制定されました。
そして、1966年には、現在の「敬老の日」として国民の休日に制定され、お年寄りを敬愛し長寿をお祝いする日となったのです。
敬老の日は、2002年までは毎年9月15日でした。
「ハッピーマンデー制度」の導入により、9月15日だった敬老の日は「9月の第3月曜日」に変更されました。

昨日は、生徒の皆さんの中にも、おじいちゃんやおばあちゃんのお祝いを一緒に行った人がいると思います。
総務省の統計によると、65歳以上の高齢者は3623万人で、日本の全人口の約3割に当たります。
敬老の日がスタートした1966年当時の高齢者は600万人台でしたので、短期間で一気に増加したことが分かります。
今後、ますます高齢化は進んでいくことでしょう。
高齢者が住みよい世の中にしていくためには、どうすればよいか。
これからの日本を支える中学生だからこそ、真剣に考えてほしいと思います。

風はすべて追い風(校長室より No.20)

2学期がスタートして1週間ほどが経ちました。
順風満帆に好スタートが切れた人は、その調子で頑張りましょう。
でも中には、「あれ?こんなはずじゃ…」と悩んでいる人もいるかもしれません。
そんなあなたに、次の言葉を贈ります。

「風はすべて追い風。わたしがどこを向くかだ。」
これは、2014年の某ファッションビルのキャッチコピーです。
人生の中で、ときには「向かい風」を強く感じることがあると思います。
でも、少し向きを変えるだけでずいぶん進みやすくなりますし、180度向きを変えれば、完全な追い風です。

「初志貫徹」とは相いれない言葉かもしれませんが、本当につらいときは、視点を変えて「追い風」を探してみるのもいいかもしれません。
何かうまくいかないときは、他のことを試してみる、そんな柔軟性も必要です。
自分を変えてみれば、また違った景色が見えてくることもあるでしょう。

「風はすべて追い風。わたしがどこを向くかだ。」

がんばれ東中生!

「関東大震災から100年」、常に備えを(校長室より No.19)

先週、9月1日(金)は「防災の日」でした。
防災の日とは、「台風、高潮、津波、地震等の災害についての認識を深め、それらの災害に対処する心構えを準備するため」の啓発日です。
政府の首都直下地震を想定した総合防災訓練をはじめ、全国各地で防災に関する様々な取組が行われました。

9月1日の日付は、1923年(大正12年)に発生した「関東大震災」に由来しています。
100年前の9月1日(土)11時58分に発生した関東大震災では、相模湾一帯を震源とするマグニチュード7.9の巨大地震により、死者・行方不明者は約10万5千人、建物の全半壊・焼失は約37万棟と関東一円に大災害がもたらされました。

日本はプレートの境目に位置しており、ひずみのエネルギーがたまれば必ず巨大地震が起きます。
政府の地震調査委員会は、関東大震災と同様の首都直下地震が、今後30年以内に70%の確率で起きると予測しており、今後も油断は禁物です。

加えて、近年全国各地で起きているの豪雨被害も心配されるところですが、地震と違い台風や豪雨はある程度予測できます。
自治体の避難情報を受けて迅速に行動することが重要となります。

いずれにしても、災害発生時には「的確な判断」と「迅速な行動」により自らの命を守ることが何より大切です。
本校でも、避難訓練の充実等により災害発生時に自らの命を守る力を身に付けさせたいと思います。


【関東大震災のときにも発生した火災旋風】