校長室より

校長室より

コペルニクスとガリレオ(校長室より No.35)

先週2月15日はガリレオの誕生日でした。
そして、今週2月19日はコペルニクスの誕生日でした。
コペルニクスは1473年生まれ、ガリレオは1564年生まれですから、2人の間には100年弱の時間差があり、直接2人の人生が交わることはありませんでした。

御存知のように、2人は星の動きが地球の自転によるものだとする地動説を唱えたことで有名です。
まず、ポーランド出身の天文学者であるコペルニクスが、地球を中心に全ての星が回転しているとする天動説では説明のつかない星の動きを見つけ、晩年に著書「天体の回転について」で地動説を唱えます。

しかし、正式な出版を待たずにコペルニクスは亡くなってしまいます。
それから約100年の時を経て、イタリア出身の天文学者ガリレオが自ら発明した望遠鏡によって天体観測を行い、コペルニクスの地動説が正しかったことを証明します。
当時はキリスト教会が絶対的な力を持っており、聖書と矛盾することから地動説は否定されていました。
ガリレオは裁判に掛けられ地動説を撤回するよう強いられましたが、「それでも地球は回っている」という有名な言葉を残し、主張の撤回を拒みました。
それから程なくして、フィレンツェ郊外の幽閉先で視力を失い、間もなく息を引き取ったのです。
ガリレオの数々の理論は、現在の科学の基礎となりました。
仮説の検証に実験という手法を用いたのはガリレオが初めてであり、特にこの功績で、彼は「科学の父」と呼ばれています。

なぜ彼が、絶対の権力者・キリスト教会に対して、命がけで自分の考えを主張したのか、今となっては分かりませんが、きっと自分の中に生じた疑問、「なぜ?」をそのままにしておくことができなかったのでしょう。
そして、科学は権威に押しつぶされるようなヤワな学問ではなく、ましてや多数派意見によって正しさが証明されるものでもないこと身をもって示したかったのだと思います。
人間の飽くなき探究心によって、自然の摂理が日進月歩で解明されようとしている今日、日めくりカレンダーで2人の偉大な科学者の誕生日に触れ、科学は時代を動かし、時代を変える力を秘めていることを改めて確信しました。
人工知能の進化など科学技術の飛躍的発展が予想されるこれからの時代、科学と共に歩む生徒の皆さんの活躍を信じ、応援しています。