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憲法記念日に寄せて

去る5月3日は、国民の祝日である「憲法記念日」でした。
日本国憲法が、昭和21年11月3日に公布され、昭和22年5月3日に施行されたことを記念して、昭和23年に「5月3日」が「憲法記念日」として祝日に制定されました。

祝日とした趣旨は、「日本国憲法の施行を記念し、国の成長を期する。」とされています。
言うまでもなく、憲法とは国家の基本的事項を定めた、他の法律や命令で変更することのできない、国家最高の法規範のことであり、日本国憲法では、「国民主権」、「基本的人権の尊重」、「平和主義」の3つを基本的原則としています。

以前、地域の方から、文部省が昭和22年に発行した「あたらしい憲法のはなし」をお借りする機会がありました。
本書は、新たに制定された日本国憲法の解説のために、新制中学校1年生用の社会科の教科書として発行されたもので、「憲法」、「民主主義とは」、「國際平和主義」、「主権在民主義」等の15章からなり、日本国憲法の精神や中身を易しく解説しています。

日本国憲法についての理解を深めるために、新しく専用の教科書まで用意し、挿絵なども活用しながら理解を深めようとしていたことが分かります。今では、中学校第3学年の社会科・公民で、人間の尊重と併せて3つの基本的原則を中心に、日本国憲法について学ぶことになっています。

今年の憲法記念日は、1年以上続くコロナ禍の中で迎え、外出等も制限されていました。
感染拡大の懸念だけでなく、感染者や濃厚接触者、医療従事者等に対する差別や偏見などの人権侵害も心配されます。このようなときだからこそ、日本国憲法の精神にのっとり3つの基本的原則を再確認しながら、困難を乗り越えていく必要があると思います。