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特設理科部の快挙に寄せて

先日、栃木県理科研究展覧会が実施されました。
本校からは、芳賀地区理科展を勝ち抜いた1年生と2年生の作品が出品され、両作品とも県の1位である最優秀賞に輝きました。
二つの学年でのダブル受賞は、本校創立以来の快挙であり、粘り強く研究に取り組んだ生徒の頑張りに、心から拍手を送りたいと思います。
本校では、今年度から特設理科部を新設し、科学的な分野に興味・関心の高い生徒を中心に期間限定で活動しています。
その成果がこんなに早く現れたのも、休日返上で指導に当たっていただいた理科担当の先生方のお陰です。本当にありがとうございました。

さて、理科研究展覧会は今回で75回を数える歴史と伝統ある展覧会です。
芳賀地区から県に出品できるのは、最も優れた作品1点のみです。
1年生と2年生の作品はともに芳賀地区で1位に輝き県出品を果たし、3年生の作品は惜しくも2位となり県出品はかないませんでしたが、大健闘だったと思います。

1年生の作品「水滴の音の研究」は、お風呂で聞いた水滴の音に興味をもちスタートした研究です。水滴の音を周波数で測定したり、落下の瞬間をハイスピードカメラで撮影したりしながら、音が鳴るときの水面の様子と音がばらつく仕組みについて探求したすばらしい作品です。
2年生の作品「コップが浮かない?~水底コップの研究~」は、当たり前のように浮くはずの水底に沈めたコップが、穴を開けただけで浮かなくなる現象に興味をもち始めた研究です。コップに空ける穴の位置や数を変えながら数百に及ぶ実験を丁寧に行い、新たな疑問が生じるたびに仮説を立てながら探求したすばらしい作品です。

生徒が生きるこれからの時代は、将来の予測が困難な変化の激しい時代だと言われています。それは、グローバル化や情報化の更なる進展、少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少、AIの急速な進歩などによって、世の中が大きく変わることが予想されるからです。
果たして、そのような新しい時代を生きていくためにはどのような力が必要なのでしょうか。
詳細は別の機会に述べたいと思いますが、理科研究のように常に結果を疑い、試行錯誤を繰り返しながら新たな発想を生かして真実に迫る取組は、きっと大きな力になってくれると思います。
夏には全国の理科好きと競え合える「日本学生科学賞」があります。
特設理科部のますますの活躍を期待しています。頑張ってください。