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音楽の授業、童謡「赤とんぼ」

少し前の音楽の授業で、童謡「赤とんぼ」(作詞:三木露風 作曲:山田耕筰)を扱っていました。
「アカトンボ」という種類のトンボがいるわけではなく、「赤とんぼ」は、アキアカネ、ナツアカネ、ノシメトンボなど体の色が赤いとんぼの総称です。
その中でもよく知られているのは、アキアカネです。
アキアカネは、春に卵からかえり、6月頃に羽化するまで池や沼の中で過ごします。
羽化した頃は、実はまだ体の色は赤ではなく茶色です。
暑さの厳しい夏には涼しい山で過ごし、恋の季節である秋になると山から里に下りてきます。
その頃には、体の色も真っ赤に染まり、その姿はまさに「赤とんぼ」。
無事に恋が実ると、雌は水辺に卵を産み、また来年の春に新しい命が生まれます。

ところで、音楽の授業では歌詞の内容を扱っていました。
♪ 夕焼け小焼けの赤とんぼ 負われて見たのはいつの日か
 山の畑の桑の実を 小かごに摘んだはまぼろしか
 十五で姐(ねえ)やは嫁にいき お里の便りも絶えはてた
 夕焼け小焼けの赤とんぼ とまっているよ竿の先  ♪

恥ずかしい話ですが、つい最近まで、「負われて見た」の部分を「追われて見た」だと思い込んでいました。
ということは、全体の意味を正しく理解していなかったことになります。
この歌詞は、竿の先にとまっている赤とんぼを見て、幼少期を回想する内容です。
子守として雇われていた「姐や」に背負われて赤とんぼを見たことなど、幼少期の思い出がつづられています。
作詞者自身の思い出とのことですが、幼少期の複雑な境遇もあり、様々な感情が込められているようです。
歌詞の意味が理解できると、一層心にしみる童謡となりますね。

童謡とともに深まりゆく秋を感じると、感性が磨かれます。
その思いを詩や俳句にしてもいいですね。