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COP27閉幕、残された課題(校長室より)

一昨日、11月20日(日)に、予定の会期を2日間延長した「COP27」が閉幕しました。
COPは、「Conference of the Parties」の略で、日本語では「国連気候変動枠組条約の締約国会議」と呼ばれています。
今回はエジプトで開催されましたが、第27回目の会議であることから「COP27(コップ27)」と略されています。

気候変動により生じた発展途上国の「損失と被害」に対する支援基金を創設することで合意しましたが、採択文書には温室効果ガス削減対策を加速させるための具体的な数値目標や化石燃料の廃止につながる内容は盛り込まれず、世界的に気候危機が顕在化する中で開催された会議は重い課題を残したままとなりました。

日本は、3大会連続で「化石賞」を受賞するという不名誉な記録を作ってしまいました。
「化石賞」とは、環境NGO「CAN」が、気候変動対策に対して足を引っ張った国に与える賞のことで、気候変動への取り組みが後退していることを「化石」と表現して皮肉ったもので、受賞すること自体とても不名誉なことです。
理由は、日本が化石燃料に対する世界最大の公的資金を拠出している国だからです。

2015年にパリで開かれた「COP21」で、「世界の平均気温上昇を2030年までに産業革命以前に比べて、2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える」という目標が採択されました。
これは「パリ協定」としてよく知られています。
しかし、現在の平均気温は、産業革命前に比べて「1.15℃」まで上昇しており、地球温暖化が加速しています。

実際に、スイスの氷河の体積は2021~2022年で3分の1以上が失われ、海面は1㎝も上昇しています。
地球温暖化が進むと、干ばつや大雨などの異常気象の頻度が高まり、実際、東アフリカでは今年、過去40年で最悪の干ばつが発生、パキスタンでは国土の3分の1が冠水する大洪水が起きました。

地球温暖化に関しては、待ったなしの状況です。
国家間の枠組みづくりはもちろん大切ですが、一人一人の心掛けも同様に重要となります。
本校では、「西中SDGs宣言」を発出し、環境問題に関する一人一人の取組を加速していきます。