登高の学び舎

校長室から

5月の学校だより

        二十四節気「立夏」から「小満(しょうまん)」へ

 小満とは、草木が勢いよく成長し、天地に生命力が満ちる時期を意味します。本校でも、青空に木々の緑が美しく、ウグイスやヒヨドリ等の鳥のさえずりが一段と響き渡っています。また、1年生が育てているアサガオの芽が出て、日々の成長に、毎朝水やりの世話をしている子供たちの声も弾んでいます。草木も鳥も虫も人も、まさに万物の輝きを感じる時期です。   

 

      人と関わり、学ぶ

 

 さて、本校では、1年生から6年生の縦割りの班での掃除を実施しています。5月12日(月)に、6年生の班長さんを中心に掃除場所の役割分担をし、13日(火)から縦割り班での掃除を開始しました。初日、1年生も上級生に掃除の仕方を教えてもらって一生懸命に取り組んでいました。登校班もそうですが、縦割り班での活動は、異学年の児童と交流することにより、子供たち同士の人間関係を広げたり深めたりする機会となります。高学年は、班長・高学年としての自覚と責任感が高まり、下学年は上級生への憧れや慕う心が育ちます。そして、協力し合うことの大切さを学びます。

 

 「恩送り」という言葉がありますが、子供たちを見ているとそれを感じることが多いです。1年生の手をつないだり、荷物を持ってあげたりしている上級生。去年まで登校中ぐずっていたのに、今では注意したり優しい言葉を掛けてあげたりとちょっと先輩になった2年生。きっとその子たちも、以前は上級生に優しくされ面倒を見てもらったのでしょう。成長を感じるとともに、素敵なバトンタッチ・恩送りができていて、とても嬉しく思います。

 一方で、同学年でも異学年でも、人が集まれば、自分の思い通りにならないこと・我慢すること、そして、トラブルもあります。そんな時、子供たちは、誰かに相談して解決を図ったり、折り合いをつけて終わりにしたりすることもあるでしょう。また、見かけた人が仲裁に入ることもあるでしょう。もちろん、周りの大人が手を貸さなければならない場合もありますが、子供は、人との関わりの中で、自分で何とか解決する体験を積み重ねながら、社会性を身に付けていきます。そして、失敗を重ねて、痛みや優しさを身に付けていくのです。

 人は人の中で育ちます。子供たちが、人と関わり、多くのことを学んでいけるように、子供たちが自分で考えて行動することを見守り、時に適切に関わりながら、応援していきたいです。

「地域・保護者の皆様の御協力に感謝申し上げます」

 校庭の桜のつぼみもほころび始めた3月19日(金)に、6年生児童・保護者・本校職員の参加によります卒業式を実施しました。子どもたちはすばらしい態度で臨み、いつまでも心に残る式となりました。112名の卒業生の今後の活躍を心から願っています。また、1年生から5年生は、学年が1つずつ進級します。子どもたちは、この1年間に大きな成長がありました。自信をもって進級できるようにしていきたいと思います。 

 卒業を前に6年生が桜の苗木8本を植えました。コロナ禍の中頑張ってきた子どもたちが、「将来、桜の木と共に自分の花をしっかり咲かせてほしい」という願いがあります。桜の苗木には、そういう願いが込められています。

 令和2年度は、今までに経験のない1年でした。子どもたちにとって一度しかない「大切な今」を思い、保護者・地域の皆様と共に最善を目指して取り組んできました。そして、運動会など本来の教育活動を一つ一つ取り戻していくことができました。深く感謝申し上げます。皆で力を合わせて困難を乗り越えてきた経験は、子どもたちがこれから歩んでいく道のりの中で、大きな力になってくれることと信じています。

 これから2週間の春休みに入ります。新型コロナウイルス感染防止、交通事故の防止など、健康・安全を第一に、有意義に過ごせますようお願いいたします。また、お子様の成長を具体的な言葉で褒めてください。自らの成長を褒められた子どもは、大きな喜びと充実感に包まれます。子どもは認められてこそ、たくましく成長していきます。

 最後になりますが、保護者の皆様、地域の皆様には、本校の教育活動に多大なる御支援、御協力をいただき深く感謝申し上げます。お陰様で、子どもたちは明るく元気に、そして安全に学校生活を送ることができました。今後とも、職員一同頑張ってまいります。どうぞよろしくお願いいたします。

 (学校だより3月号)

 

「感染防止と着実な教育活動」

 新しい年、令和4年が始まりました。子どもたち、保護者の皆様、地域の皆様にとりまして、実り多い幸せな一年であることを願ってやみません。

 さて、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」が、これまでにない感染力で急拡大し、県の警戒度レベルも引き上げられました。感染防止のために、3密(密閉、密集、密接)や会食での会話を避けること、そして、マスク、咳エチケット、手洗い等の衛生上の注意など、基本的なことをしっかり行うことが大切です。これは、感染症を収束させてきた過去の教訓を生かすことです。かけがえのない大切な命と日常を守るために、皆が一丸となって感染防止に努めていきたいと思います。 

 令和4年は寅年です。虎は自分の子をとても大事にすることから、関係する言葉も多くあります。「虎は千里行って千里帰る」という言葉は、「虎は1日に千里の遠方まで行くが、巣穴にいる子を思いその千里の道を帰ってくることから、子を思う親の情愛の深さのたとえ」として用いられます。この言葉のように、皆で子どもたちにたくさんの愛情を注いでいきたいと思います。 

 各学年・学級では、それぞれに新しい目標を立ててスタートしました。ホップ・ステップからいよいよジャンプの3学期です。3学期は1年間の総まとめをして、一人一人が自分のよさと可能性を見いだす学期です。そして、進級・進学に備える学期でもあります。教職員一同、子どもたちがこの1年間でどう成長したか、次の年度に期待することは何かを見いだし、目標を高くもって新年度が迎えられるようリードしていきたいと思います。また、児童会が中心となって、「くつと心をそろえよう運動」や「エチケット検査」など、学級のみんなで同じ目標をもって取り組んでいます。良い習慣を身に付けることは、自分の力を発揮する上でも重要です。校長賞「こだまカード」を用意し、子どもたちの活動を応援していきたいと思います。

 コロナウイルス感染防止の徹底を図り、健康・安全を第一に着実な教育活動を進めてまいります。保護者の皆様、地域の皆様、本年もどうぞよろしくお願いいたします。

(学校だより1月号)

6年生 学校に隣接する「水辺公園」の清掃活動

卒業式「校長のことば」より

 卒業証書を手にされた123名の卒業生の皆さん、御卒業おめでとうございます。皆さんが手にしている卒業証書は、小学校での6年間の課程が修了したという大切な証です。
 今、卒業生の皆さんの活躍が、鮮やかによみがえります。修学旅行や陸上大会、運動会や児童会行事‥‥、皆さんが最上級生として見せてくれた勇姿を、どれほど誇りに思ったことでしょう。毎日の清掃や登校班‥‥、下級生の面倒を優しく見ながら活動する姿を、どれほ頼もしく思ったことでしょう。皆さんは、真岡小学校145年の歴史に、大きな一ページを刻んでくれました。大変立派でした。

 卒業生の皆さんは、今、人生の中で最も多くのことを学ぶ時期にいます。それは「勉強」であり、「友達と友情を深めること」、そして、「時に困難を乗り越えること」です。このようなことを学んでいくために、「心をいつも上向きに」ということをお話しします。
 皆さんの心の中には、心のコップがあります。このコップが上を向いているときと下を向いているときでは、心の働きが違います。心が上向きならば、周りの方が教えてくださることがたくさん心のコップに蓄えられていきます。しかし、下向きだとせっかくの教えが蓄えられません。「上向きである」というのは、「素直で一生懸命である」ということです。皆さんは、一人一人自分にしかないすばらしい力をもっています。これからもしっかり心を上向きにして、素直に一生懸命学び、力を伸ばしていってください。

 さて、今、手元に皆さんが家族への思いを記した「日本一短い手紙」の冊子があります。今日、この卒業の日に御家族の皆様にお届けしました。誰よりも皆さんを心配し、大切に育ててくれた家族への思い‥‥。皆さんがその思いを記したときに、私も担任の先生方と共に、皆さん一人一人からその思いを聞きました。普段はなかなか言えない、でも、本当はいつも心に思っている皆さんの思いに感動し、涙が出る思いがありました。この冊子にある一つ一つの言葉は、皆さんの美しい心を映しています。これからも、この美しい心を大切にしてください。

 保護者の皆様に申し上げます。お子様の御卒業、誠におめでとうございます。大切に育んでこられた日々、数々の御心労を思うとき、本日、立派に卒業を迎えられたお子様の姿に感慨もひとしおのことと存じます。お子様が立派に活躍されることを、職員一同、心から願っております。この6年間、本校の教育活動に厚い御理解と御協力をいただきましたことに、心からお礼申し上げます。
 結びに、卒業生の皆さんの前途に幸多きことを心からお祈り申し上げ、校長のことばといたします。

(卒業式「校長のことば」より抜粋)

令和6年度 スタート

  「千里春如錦(せんりのはる にしきのごとく)」という言葉がありますが、新しい年度の始まりを祝うかのように色とりどりの花が咲き、まさに春爛漫。今年は久しぶりに満開の桜の中で、始業式や入学式を行うことができました。4月9日には、95名の1年生を迎え、全校生606名と教職員の新しい組織で、令和6年度がスタートです。

 さて、今年度、本校はいよいよ創立150周年を迎えます。本校は、登高学舎として開校以来、「先ず身近なところからはじめ、より高いところを目指して努力を続ける。」という「登高精神」が生き続けている、歴史と伝統のある学校です。この「登高精神」を心に留め、本年度も本校学校教育目標に掲げられた「心身ともに健康で、よく考えて判断する力と実践力をもった、心豊かでたくましい子ども」の育成を目指し、教育活動にあたってまいります。

 今年度も教職員が心を一つにして、子供たちの確かな学びや豊かな体験が得られるよう日々の教育活動を実践してまいりますので、保護者、地域の皆様には、これまで同様、本校の教育活動に対して深い御理解と御支援を賜りますよう、お願いいたします。

 最後になりましたが、今年度から、歴史と伝統のある真岡小学校に勤務できることを大変光栄に存じます。子供たち一人一人が健やかに逞しく成長できますよう全力を尽くしてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

                                                                                                          (学校だより4月号より)