校長室から

2学期始業式の校長式辞より

  夏休み中、大きな事故もなく安全に生活できたことを嬉しく思います。
  夏休みに入ってすぐの総合体育大会では、「県大会出場」や「勝利す
る」という目標は達成できなかった部が多かったですが、大切なことは部
活動の目的が達成できたかどうかです。部員間の人間関係を通して人
間性を高めること、学校生活を充実させること、将来に向けてスポーツを
愛する土台をつくることなどは、君たちの部活動に取り組む姿勢から十
分達成できたと思います。この部活動の経験を、3年生は進路実現の過
程において、1,2年生は新チームづくりや学級づくりの過程において活
かしてください。試合の負けは人としての負けではありません。私は準優
勝が一番よいと思っています。負ける経験を知っている人は人の痛みが
わかり、そこから立ち上がる生き方ができるからです。昔、甲子園3連覇
を目前にして達成できなかった、四国の池田高校という学校がありまし
た。この学校の蔦監督さんは、「この子たちにとって負けたことはよかっ
た」と言いました。勝つ経験しか知らないで終わってしまったら、人生にと
ってマイナスと考えたそうです。昨日のワールドカップ予選、対オーストラ
リア戦で得点に絡んだ、長友選手は、前回のワールドカップブラジル大会
で全敗し、これで引退も考えていたそうです。しかし、これでは終われない
と4年後をめざしたそうです。また、点を取った浅野選手、井手口選手はリ
オデジャネイロ五輪の1次予選敗退を経験しているそうです。負けの経験
が今に生きていると言うことです。
  さて、2学期は、運動会、文化祭、2つの大きな行事があります。行事で
自分のよさを発揮し、覇気のあるところをみせてください。主体性、自分か
ら進んで取り組む姿勢、創造力、人を感動させる企画力、協調性、みんな
と協力して集団のために尽くせること、このような力をつけ、自分を成長さ
せてください。
  そこで、校訓の「分度」「推譲」を確認します。
 1つめの「分度」は見通しを立てて計画的に行うことです。行事を成功させ
るためには用意周到な準備が大切です。自分たちでこのような運動会、文
化祭にしたいという構想をもって取り組んでください。
  2つめの「推譲」は人のために自分の力を尽くすことです。行事を成功さ
せるためには、人を喜ばして上げよう、人と共に喜び合おうという、尽くす
心が大切です。
  2学期は、「分度」「推譲」を心にとどめ、みんなで頑張っていきましょう。