校長室から
第1学期 始業式 式辞
いよいよ今日から令和6年度第1学期がスタートします。新2・3年生の皆さん、進級おめでとうございます。
さて、ここで1学年ずつ進級された皆さんに、それぞれお願いがあります。
まず、3年生。いよいよ物部中の最高学年になりました。「一人が一校を代表する」という言葉がありますが、やはり学校の代表は3年生だと思います。3年生の行いが、学校の雰囲気を作っていきます。ですから、勉強はもちろんのこと、生徒会や部活動など何事においても、伝統ある物部中学校を引っ張っていってください。特に、運動会や桜町祭など大きな行事での活躍を期待しています。後輩から頼りにされる3年生、理想に燃え常に向上心をもって何事頑張る3年生、そんな姿を目指してほしいと思います。
次に、2年生。この後の入学式で22名の新1年生を迎え、いよいよ先輩と言われる立場になります。新1年生は、まずは2年生を手本として、様々なことをまねします。2年生の行いが、1年生の方向性を決めていくと言っても良いでしょう。ですから、昨年までと比較して、より大きな責任が課せられます。新1年生が安心して中学校生活をスタートできるよう、そして3年生をしっかりサポートできるよう中堅学年として、物部中をしっかりと支えてほしいと思います。
さて、剣道の言葉で「残心」という言葉があります。「心を残す」と書きます。意味は、剣道の攻撃のあとに、その後の相手の攻撃に備えるためや次の自分の攻撃のために態勢を整えることを言います。
先生の師匠に「残心」のとり方について、こう言われました。「初めから残心を考えて攻撃しては、不十分な打ちになってしまう。後のことを考えずに全力で打ち込みなさい。なぜならコップいっぱいに入った水を思いっきり捨てても、最後に水は数滴残るだろう、それが残心なんだ。」と。
皆さんには、何事にも全力で取り組んでほしいと思います。後のことを考えて心配していては、いい結果は残すことができません。全力でやりきれば、自然と次の一歩を踏み出すことができます。ぜひ、今年は全力でやりきったと言える年にしてください。
入学式式辞
式 辞
なかなか咲かなかった桜の花も満開となり、まるで新入生の皆さんの入学をお祝いしているかのようです。この良き日に、令和六年度物部中学校入学式を挙行できますことを、心から感謝申し上げます。
さて、伝統ある物部中学校に入学された二十二名の新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。皆さんが入学されるのを在校生、職員一同心待ちにしていました。
先ほどの新入生呼名の元気ある返事に、これから始まる中学校生活三年間への意気込みが感じられ、たいへん嬉しく思いました。
新入生の皆さんは、本日より物部中学校の生徒となりました。私たちは皆さんが充実した中学校生活が送れるよう、全力で応援しますので、どうぞ安心して中学校生活をスタートさせてください。
中学校三年間は、長い人生の中では、ほんの短い期間ですが、心も身体ももっとも成長する大切な時期です。この三年間で学んだことが大人になってからの生活の基盤となります。
本校は、二宮尊徳先生の教えが、今なお息づくこの地で、その教えを校訓にして教育しております。
三年間のスタートである入学にあたり、新入生の皆さんに校訓の話をします。物部中学校の校訓は「まこと」です。そして、その下に、「至誠」「勤労」「分度」「推譲」の四つの項目があります。その中の「分度」と「推譲」の二つの話を、歓迎と期待の言葉といたします。
「分度」とは、「自分をわきまえる」ということです。つまり、「自分の良いところ、自分の悪いところ」を理解することから始め、自分はどんなことができ、どんなことに向いているかを判断します。そのうえで、自分を大きく見せて背伸びしたり、消極的になったりせずにありのままの等身大の自分で学校生活を送ってほしいと思います。自分のことを理解できれば、これからの学校生活や将来に見通しを立てることができ、前向きな生活をすることができます。
次に「推譲」です。推譲とは「独り占めしないで周りに分け与える」という意味です。社会は自分一人だけでは成り立ちません。中学校は、友達や先輩、先生方など周りの人との関係性を培う場でもあります。自分の損得だけにこだわるのではなく、周りにいる友達のことを思いやり、自分の力を尽くすことで友達や周りとの関係がうまくいきます。周りとの関係がうまくいけば、必ず楽しい学校生活につながっていくはずです。
先を予測することが難しい世の中ですが、自分のことをよく理解し、友達と協力し議論し合うことで深く学び、人間関係を作り、楽しい学校生活を送れるようにしてほしいと思います。
保護者の皆様、改めてお子様のご入学、誠におめでとうございます。本日より、本校教職員で未来を担う子供たちを、責任をもってお預かりします。保護者の皆様方におかれましては、本校の教育にご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
結びに、新入生の皆さんが二宮尊徳先生の「積小為大」の言葉を胸に、中学校三年間で大きく成長することを期待し、式辞といたします。
令和六年四月八日
真岡市立物部中学校長 栁 利道
感謝!
令和5年度 全校写真
寒暖差が続くなかでも、校庭の木々の芽も膨らみを見せ、桜の開花が待ち遠しい中、この3月の定期異動で私を含めて8名が転出・退職の運びとなりました。伝統ある物部中学校を去るにあたり、一言お礼のことばを述べさせていただきます。
令和3年4月に校長として赴任し3年間、保護者の皆様・地域の皆様には、私の学校経営に対しまして、御理解と御支援を賜りまして本当にありがとうございました。
3年間を振り返りますと、新型コロナウイルス感染症の影響で生徒たちには、色々と制限をした学校生活を送らせてしまいました。そんな中でも生徒たちは、知恵を出し合い新しいものに挑戦していた姿は頼もしさを感じました。一年、一年と何事にも失敗を恐れず、前向きに挑戦していた生徒たちに、私自身が成長させていただいたように思います。
純朴で素直な生徒たちと一緒に過ごした3年間は、私の宝物であり誇りです。これから生徒たちが、どのように成長していかワクワクしています。自分の目標に向かって、次世代を担う人に成長することを願っています。
最後に、真岡市立物部中学校の益々の発展と、生徒一人一人の活躍、そして、この物部地区がより一層繁栄することをご祈念申し上げ退任の言葉とさせていただきます。本当にありがとうございました。
令和6年3月29日 真岡市立物部中学校長 石田 利雄
修了式
修了式式辞
皆さん、こんにちは。
令和5年度も修了式を迎えることになりました。先ほど1・2年生それぞれの代表に、修了証書を授与しました。1年生30名、2年生31名が、その学年で学ぶべきことを全て修了した証です。これをもって皆さんは、それぞれの学年を修了しました。4月から上級学年に進級します。進級おめでとう。
進級にあたり、皆さん自身が努力した結果のたまものですが、それだけでなく、保護者や地域の方々、先生方、そして友達の支えがあったからだと思います。是非「ありがとう」という感謝の心を伝えてほしいと思います。
皆さんが入学してきた時に、「リスペクトアザース 自分以外の人や物を大切に思いましょう」という言葉を心にとめて学校生活を送ってほしいと話しました。先ほど色々な人に感謝の心を伝えてほしいと言いましたが、感謝するのは人にだけでなく、教科書やノート、部活動の用具、楽器など、自分を成長させてくれた物にもありがとうという気持ちを表すことが大切です。これからも自分と共に歩み、自分の成長を手助けしてくれる大切な物です。感謝の気持ちを持って大切にしてください。
次に、各学年にお願いがあります。2年生は、4月から3年生です。物部中学校の顔であり、一人一人がリーダーです。3月8日に29名の卒業生は新たな伝統を残して旅立ちました。皆さん一人一人が思い描く31名の色が、令和7年3月に、どのようにまじわり、皆さんの力で新たな物部中学校の伝統を作り上げていくかを楽しみにしています。
1年生は、4月から2年生になり後輩である新1年生を迎えます。新1年生の手本となるのは2年生です。新1年生は、きっと皆さんにたくさんのことを聞いてくると思います。自信を持って答えられるように、この1年間をじっくりと振り返り、新1年生が安心できるようなアドバイスをお願いします。また、3年生にとって頼るべきは、やはり2年生です。中堅学年として、3年生をしっかりとサポートし、物部中を支える存在になってください。よろしくお願いします。
最後に、令和6年度は、皆さんが生き生きと活気あふれる学校生活を送れることを祈念して、修了式の話とします。
代表者に修了証書を授与
卒業式
卒業生・保護者・在校生・教職員の記念撮影
式 辞
寒暖差が続くなかでも、校庭の木々の芽も膨らみを見せ、春の訪れが感じられる今日の佳き日に、学校評議員様、PTA会長様の御臨席を賜り、令和5年度、卒業式が挙行できますことを、心から感謝申し上げます。
卒業式にあたり、一月の石川県能登半島で起きた地震により犠牲になられた方々に謹んでお悔やみを申し上げるとともに、被害に遭われた皆様に心よりお見舞い申し上げます。また、被災地においてご尽力されている方々に敬意を表するとともに、一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。
さて、29名の卒業生の皆さん、そして保護者の皆様、御卒業おめでとうございます。先ほど、一人一人に卒業証書をお渡ししましたが、担任の先生の、万感の思いを込めた呼名に、大きな声で、応えた返事には、本校での生活を頑張り抜いた満足感と、これから歩む、新しい道への強い決意が感じられました。皆さんは、本校のよき伝統を守り、さらに新たな物部中を創造すべく、何事にも一生懸命に取り組んで来られました。その足跡を振り返り、皆さんのさわやかな笑顔、真剣な眼差しを思い浮かべるたびに、数々の感動がこみ上げてきます。
5月9日から11日の2泊3日で、京都・奈良への修学旅行。修学旅行列車の1番列車ということで東京駅での出発式に代表が参加しました。民放のニュースで動き始めた列車の窓に皆さんが写っている画像が放映されていました。3日間笑顔を絶やさず、元気に過ごして終了することができました。暑い中ご苦労様でした。
仲間と一緒に勝利やコンクール金賞を目指して練習に励んだ部活動。
部員数がぎりぎりで、他の部から協力を得て出場した新人大会、総体でも合同チームが多い中、合同チームを組まず自校体制で臨み、白球を追い続
けた野球部。
他校と合同チームを組み、新人大会で公式戦初勝利を挙げ、総体でも初戦を突破して、ガッツポーズで勝利を喜んだサッカー部。
1年生の時から新人大会に臨み、上級生を相手に経験を積み、公式戦の勝利を目指し、みんなでカバーしあいボールを必死に繋いでいたバレー部。
美しい音色を奏でた曲目「静寂と躍動~天竜川の船大工~」はホールいっぱいに響き渡り、聴いている者に感動を与える演奏をしてくれた吹奏楽部。
地域クラブで所属し、各クラブで活躍した生徒。
卒業生の皆さん、3年間お疲れ様。そして数々の感動をありがとう。
9月、運動会。恒例の応援合戦、紅白両団長・副団長の勇ましい姿と団員の一体感は、現在の物部中学校を物語っていました。
10月、桜町祭。合唱コンクール、曲目「青い鳥」は、心を一つにしたハーモニーは素晴らしかったです。金賞ではありませんでしたが、私の中では「金賞」です。その他の行事でも、常に先頭に立って下級生を引っ張り成功に導いてくれた皆さん、本当にありがとう。
いよいよ皆さんは、これから自分の選んだ道へ、新たな第一歩を踏み出します。ここで、皆さんに餞の言葉を贈ります。
「全力に悔いなし」
これは、私が高校3年間、県の高校サッカー選抜チームで指導を受けた、本県出身で、メキシコオリンピック「サッカー競技」で銅メダルを獲得した松本育夫氏の「座右の目」です。「全力に結果はついてくる」という意味で、サインをするときは、この言葉を用いるそうです。私は、何事にも全力を尽くす(努力する)ことで、おのずから結果がついてくると解釈しました。
「全力に悔いなし」この言葉は、「小さなことを積み重ねないと、大きなことは成し遂げられない」すなわち、二宮尊徳先生の教え、「積小為大」にも当てはまるものと思います。こつこつと努力することを積み重ね、自身の未来
を切り拓くためには、全力で臨むことが大切であると思います。是非この言葉を頭の片隅に置いてもらえれば幸いです。
また、いつも温かく見守り、応援してくれる家族、友人、地域の方、先生方などに感謝の心を忘れず、やがて社会に出たときに、常に全力でチャレンジする人生を歩み、これからの物部地区、そして日本、さらには世界に貢献する人になることを心から願っています。
保護者の皆様に一言お祝いを申し上げます。お子様の御卒業、誠におめでとうございます。立派に成長したお子様の姿を目にし、感無量のことと思います。お子様のために、費やした全てが実を結び、本日ここに、立派に御卒業の日を迎えられましたことを、心よりお慶び申し上げます。また、この三年間、本校教育に対する格別の御理解と御協力を賜り、改めて御礼申し上げます。本当にありがとうございました。
いよいよ、お別れのときが近づいて参りました。6月、私の誕生日に還暦祝いとして贈っていただいた「赤のちゃんちゃんこ」は、私の宝物です。皆さんと一緒に過ごしたこの3年間を誇りに思います。なごりは尽きませんが、本校を巣立っていく29名の皆さん、一人一人の洋々たる前途を祈念しまして、式辞といたします。 卒業生の皆さん、本当にありがとう。
令和6年3月8日 真岡市立物部中学校長 石田 利雄
卒業証書授与
卒業生合唱
卒業生・3学年担当職員・校長との記念撮影