日誌

いい教育してますね

 先日、とてもよい光景を見ました。それは、私がよく行っている公園でのことです。
 幼稚園の年長さんくらいの女の子が自転車に乗って遊んでいました。すると、突然、乗っていた自転車から飛び降りて、「〇〇くーん」と叫んで、一目散に走り出したのです。女の子が向かった先には、幼い男の子が自転車で転んだのでしょうか、泣いていました。女の子から男の子までの距離は約30mくらいあったと思います。女の子は脇目も振らず一心不乱に走って行って、その子を助けてあげました。たぶん、男の子は女の子の弟なのでしょう。しばらくすると、お母さんも近くにいたようで、二人のところへやって来ました。男の子は、お姉さんとお母さんの二人に助けられ、べそをかきながらも自分で自転車を起こしました。
 なんと、弟思いのお姉さんなのでしょう。私は、思わずそのお母さんに、「よい教育をしてますね」と言ってしまいました。そのお母さんは、30歳くらいの年齢ですが、とてもしっかりしたお母さんでした。このような姉弟でしたら、思いやりの心が育まれ、陰湿ないじめなどしない子供に育つのだろうと、つくづく思いました。
 どうしたら、この女の子のように思いやりのある子供に育つのでしょうか。どうしても、就学前の兄弟姉妹の場合には、親として下の子のほうに手をかけてしまうのが普通です。その結果、上の子が愛情不足を感じてしまうなどの、子育ての難しさも指摘されています。
 それを思いますと、少なくともこのお母さんは、普段から二人の子供に、惜しみない愛情を分け隔てなく注いでいるのだと思います。そして、女の子自身も満ち足りた愛情を感じ、安心した生活を送っているのでしょう。
 また、このお母さんは、もし子供に何かあったら、この女の子がとった行動のように、自分のことはさておき、すぐに対応しているのだと思います。女の子も、そういったお母さんの行為をいつも見ているからこそ、冒頭のようなほほ笑ましい光景があったのではないでしょうか。
  と考えますと、これは教師にも当てはまります。子供が一番嫌うのは、教師の依怙贔屓(えこひいき)です。教師はそうとは思っていない行為であっても、子供は捉え方が違うことがありますから注意が必要です。また、子供最優先は教師の鉄則であるにもかかわらず、忙しさのあまり、つい後回しになってしまうことがあります。
 改めて、これらのことは子供への影響が大きく重大なことですので、これを機会に、「教師の当たり前」として意識していただきたいと思います。
 
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