日誌

学力が人の流れをつくる

 4月5日(水)に真岡市小中学校校長会総会があり、教育長の挨拶の中で、次のことをお話ししました。

 平成29年度がスタートしました。4月10日(月)・11日(火)には小・中学校の入学式が行われます。次の週の4月18日(火)には全国学力・学習状況調査ととちぎっ子学習状況調査、そして本市独自の学力調査も行われます。その準備はいかがでしょうか。チャレンジシート等の活用はされたでしょうか。
  もはや、学力向上は学校だけの問題では済まされないのです。
 去る3月17日(金)に行われた県議会予算特別委員会総括質疑の中で、学力問題が取り上げられました。新聞によると、学力向上は人口減少対策に直結する重要課題だとして、低迷している本県の小学生の学力について、原因の分析と適切な対応、そして危機感をもって学力向上に取り組むよう強く要望されたということです。
  特筆すべきは、「学力向上が人口減少対策に直結する」という点です。
  ご承知のとおり、日本の人口は平成20年から減少時代に入っています。特に地方においては、少子化だけでなく都市部への人口流出も相まって、著しく減少しているところもあります。人口の減少は、労働生産の減少や消費市場の縮小を引き起こし、地域経済やサービスに大きな影響を及ぼします。そのため各自治体では、少子化問題や人口流出問題は喫緊に取り組まなければならない重要課題とし、当該自治体へ人の流れができるよう「選ばれるまち」づくりに躍起になっています。
 その方策の一つが教育です。つまり、教育の質を上げることによって人の新たな流れができるということです。なぜなら、教育は若い子育て世代にとっては関心が高く、よい教育が受けられるところに人は集まって来ると予想されるからです。中でも学力については注目度が大きく、「学力が人の流れをつくる」と言っても過言ではありません。水は高いところから低いところに流れますが、「人は学力の低いところから高いところに流れる」と言えます。
 したがって、学力向上は、学校だけの閉じた世界で論じられる問題ではなく、今や県をはじめ各市町村の行政が人口減少対策として講じなければならない重要な問題となっているのです。校長先生にはこういった社会情勢も踏まえたうえで、学力向上に積極的に取り組んでいただきたいと思います。