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2022年5月の記事一覧

今にときめけ!活気あふれる青春魂(校長室より)

本日、5月28日(土)に「西輝が丘スポーツフェスティバル(SF)」を実施しました。
今年度も昨年度同様、生徒の健康・安全を最優先に考え、半日の縮小開催とした上で保護者の皆様の入場も制限させていただきました。

制約が多い中でのSFでしたが、生徒たちはすべての演技に一切手を抜くことなく全力で取り組みました。
そこには、スローガンの「今にときめけ!活気あふれる青春魂」が体現されており、多くの喜びや感動がありました。
まさに、生徒一人一人が主役のSFとなったと思います。
特に、3年生の頑張りと学級の垣根を越えて応援し合う姿に感動しました。

コロナ禍の中で学校行事を実施することは容易ではありませんが、改めてSFを実施してみて、学校行事の重要性を認識しました。
発展途上にある生徒たちは、それぞれの学校行事を節目として階段を1段上がるように、一気に次のステージへと成長していきます。
勝利を目指して奮闘すること、新しい役割に挑戦すること、係の仕事を責任をもって行うこと、喜びを分かち合うこと、涙する友人を慰めること、声を枯らして応援することなど、様々な経験が人を成長させます。

真岡西中学校はこれからも学校行事に力を入れて取り組んで参ります。
当日、応援に駆けつけてくれた保護者の皆様、検温や撮影等をお手伝いいただいたPTA役員や各委員会の皆様、本当にありがとうございました。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

あわてなさんな(校長室より)

谷川俊太郎さんの詩、「あわてなさんな」を紹介します。


「あわてなさんな」  谷川俊太郎

花をあげようと父親は云う
種子が欲しいんだと息子は呟く
翼をあげるわと母親は云う
空が要るんだと息子は目を伏せる

道を覚えろと父親が云う
地図は要らないと息子がいなす
夢を見ないでと母親が云う
目をさませよと息子がかみつく

不幸にしないでと母親は泣く
どうする気だと父親が叫ぶ
あわてなさんなと息子は笑う
父親の若い頃そっくりの笑顔で


私たちが子供を見るとき、どうしても大人の目線で見てしまいます。
そのため、失敗しないで最短距離で成功をつかめるように、先回りをしてあれこれ手伝いがちです。
でも、子供は、花(成功)をもらうより種子(可能性)をもらったほうが、うれしいのではないでしょうか。

種子を手間暇かけて世話をして、自らの手で芽吹かせ、花を咲かせる喜びを知る。
谷川さんの詩、「あわてなさんな」は、「子供の可能性を信じ、じっくり成長を待つ大切さ」を教えてくれてるような気がします。
成長に失敗は付きものです。
ときには、あわてずにぐっとがまんして見守ることも必要です。
いよいよ今週末は「西輝が丘スポーツフェスティバル」、手を掛けすぎず、生徒たちの成長を見守りたいと思います。

堂々と胸を張って(校長室より)

御協賛企業及び団体様の御厚意により、学校に毎月「PHP」(PHP研究所)が寄贈されます。
本校でも、職員図書コーナーにて活用させていただいております。
そのPHP5月号の「生きる」(467話)に、藤田ゆかり様の「堂々と胸を張って」が掲載されていました。
心打たれる大変すばらしい内容で、共生社会の実現を目指してインクルーシブ教育を推進している本校にとって、大きな示唆をいただきました。

今回、発行元であるPHP研究所様及び作者の藤田ゆかり様の御厚意により、本校ホームページへの転載許可をいただきましたので、全文を掲載させていただきます。
本当にありがとうございます。
障がいをお持ちの方々が「堂々と胸を張って」生活できる共生社会の実現を目指して、本校は今後も特別支援教育の充実及びインクルーシブ教育の推進に力を入れて参ります。

なお、作者、出典等の詳細は、以下のとおりです。
・作者名 藤田ゆかり様
・出典名 月刊誌『PHP』2022年5月号、株式会社PHP研究所様刊行 
・URLのリンク https://www.php.co.jp/php/


 「あらあら、お帽子をなおしてあげましょうね」
 娘をおぶっていた私のうしろで声がした。同時に、中年女性が駆け寄ってきて、あっというまに目深にかぶっていた娘の帽子を上にあげた。
 次の瞬間に起こるであろう光景で、私の頭の中は真っ白になった。おそらく彼女は狼狽し、自分のおせっかいを悔やみながら足早に立ち去ろうとするだろう。そんな未来を想像していた。
 「まあ、かわいいこと。なんてお名前なの?」
 彼女から発せられた思いもよらない言葉に、私はおどろいた。
 「愛子です」
 思わず答えた私に、彼女は微笑みながら、こう言った。
 「お帽子でおめめがよく見えないみたいだったわよ。お母さん、愛子ちゃんのために、堂々として!」
 狼狽してしまったのは目の前の女性ではなく、私のほうだった。
 愛子はダウン症。愛子を連れて行くスーパーでは、いつも他人の目が気になって、私はおどおどしていた。
 なるべく愛子の顔に気づかれないように、故意に帽子を深くかぶらせていたのだ。障害児を産んでしまった自分を恥じていたし、世間にも負い目を感じていた。そんな私の心の中を見透かしたかのような女性の発言。
 彼女は、こう続けた。
 「お母さん、堂々と胸を張って愛子ちゃんのために」
 そう言うと、笑顔のままスーパーから出て行った。私は、雷に打たれたかのような衝撃を覚えた。
 そうだ!今このときから卑屈になるのはやめよう。私が卑屈になれば愛子も卑屈になってしまう。堂々と胸を張って、生きるのだ。
 私の中で、何かがはじけた。
 スーパーを出ると、西の空が茜色に染まっていた。私は、その夕焼けに、美しいなあと見入ってしまった。つい先日も、空は同じような色をしていたけれど、私は夕焼けを血を流したような色だと思ってしまったのだった。
 愛子が生まれて、11か月。忘れられない母親再生の日だった。

おまじないの言葉を胸に
 堂々と胸を張って生きていると、いいことが向こうからやってくるようになった。愛子がよく笑うようになった。私にママ友ができた。そして何よりうれしかったのは、特別支援学校で吉田先生と出会えたことだった。
 そのとき、愛子は小学1年生。私は娘に文字の読み書きなど、まったく期待していなかった。でも、吉田先生は、
 「最初からあきらめないでください。少しずつやっていきましょう」
 とおっしゃり、根気よく教えてくださったのだった。愛子は、6年かけてひらがなの読み書きができるようになった。そして、はじめて書いた文は、「せんせいだいすき」であった。先生とは、もちろん吉田先生のことだ。
 私はというと、「堂々と胸を張って」という言葉を、おまじないのように唱えて暮らしていた。
 「あんな嫁をもらったばかりに、あんな子ができてしまった」
 そんな姑の嘆きを耳にしたときには、本当にこのおまじないに救ってもらった。もし、このおまじないがなかったら、私は、まるで深い海の中で、もがき苦しむような心境になっていただろう。

先生たちのおかげで
 子育ても順調に思われたころ、吉田先生のお母さまの訃報がもたらされた。
 私は、告別式に出席した。その告別式で手を合わせたとき、私は心臓が飛び出るほどおどろいたのだった。
 遺影のお顔は、ずいぶん年を重ねていらっしゃるけれど、なんとあのスーパーで出会った女性ではないか。あのお方は、吉田先生のお母さまだったのだ!
 遺影からは、まるでこんな声が聞こえてきそうだった。
 「堂々と生きていますか?胸を張って生きていますか?」
 私は何度もうなずきながら、涙が止まらなくなった。
 人目を気にしながらうつむいていたあのころ、彼女に出会わなかったら、私の人生は大きく違うものになっていただろう。
 現在、愛子は42歳。
 あいかわらず幼児のような子だけれど、私は愛子の手を引いて堂々と、どこへでも出かけている。
 さあ、胸を張って!

ぼくが ここに(再掲・校長室より)

ぼくが ここに  まど・みちお

ぼくが ここに いるとき
ほかの どんなものも
ぼくに かさなって
ここに いることは できない

もしも ゾウが ここに いるならば
そのゾウだけ
マメが いるならば
その一つぶの マメだけ
しか ここに いることは できない

ああ このちきゅうの うえでは
こんなに だいじに
まもられているのだ
どんなものが どんなところに
いるときにも

その「いること」こそが
なににも まして
すばらしいこと として


これは、「ぞうさん」や「やぎさんゆうびん」、「一年生になったら」などの童謡の作詞で知られる、詩人「まど・みちお」さんの詩です。
「誰もが大事に守られているたったひとりの存在であり、そこにいること自体が何よりもすばらしいことなのだ。」と、まど・みちおさんは伝えてくれているのだと思います。
世界でたった一つのかけがえのない命を、どうか大切に

おうちの人や先生にも相談できない悩みがあったら、下記に電話してください。
チャイルドラインとちぎ 0120-99-7777
栃木いのちの電話 028-643-7830
こころのダイヤル 028-673-8341
いじめ相談さわやかテレホン 028-665-9999

「3つの約束」と「挑戦」への決意(校長室より)

本日、5月11日(水)、令和4年度最初の校長講話を行いました。
コロナ禍のため、校長室からオンライン配信の形で行いました。
主な話の内容は、以下のとおりです。


1「3つの約束」
3つの約束とは、「時を守る 場を清める 礼を正す」のことである。
明治、大正、昭和、平成までの4つの時代を生きた哲学者、教育者である、森信三先生が唱えたもの。

「時を守る」とは、「遅刻をしない、期日を守る」ということ。
定刻までには準備を整え、きたるべき時に備えて心を静めて開始を待つ姿勢が大切。
本校では、タイム着席や5分前行動などがこれに当たる。
時を守る先には必ず相手がおり、自らが時を守ることは、相手を尊重することになる。

「場を清める」とは、「整理整頓をして、しっかりと掃除を行う」ということ。
清掃を一生懸命行うと、気付く人になれる、心が磨かれる、謙虚になれる、感動の心が育まれる、感謝の心が芽生えるなど、様々な心の成長が見込まれる。
本校では、無言清掃やロッカー・教室の整理整頓などが当たる。
単に身の回りの整理整頓や掃除であっても、他を敬うことや奉仕の心につながるものである。

「礼を正す」とは、「気持ちのよい挨拶や返事を行い、敬意を表すために服装や身だしなみを整える。」とういこと。
挨拶には、「心を開いて、相手に迫る」という意味があり、挨拶をすることで人間関係は良好に保たれる。
挨拶は率先して相手よりも先に行うこと、相手に聞こえるような大きな声で行うこと、相手が気持ちよく受け取ってくれるように行うことが求められる。
服装や身だしなみを整えることは、相手に対する礼節につながりる。
本校でも、気持ちのよい挨拶やきちんとした身だしなみは、当たり前のこととして実践していこう。

森信三先生の3つの約束、「時を守る 場を清める 礼を正す」は人としての基本であり、本気で守ろうと思えば、誰でも必ず守れるもの。
中学生のときに、人としての基本をしっかりと身に付けておけば、社会人になっても他人からの信頼を得ることができるはず。
今年度も「3つの約束」をしっかりと守っていこう。

2 本校スローガン「挑戦~夢を志に~」
本校のスローガンは、昨年度に引き続き「挑戦 ~夢を志に~」である。
中学時代は心身共に大きく成長する時期で、皆の一人一人が持つ様々な可能性が大きく花開くときでもある。
しかし、自分がどんなことが得意で、どんな可能性を持っているのかは、なかなか分からない。
そこで、いろいろなことに挑戦し、自分の可能性を見極めてほしいという思いを、「挑戦」という言葉に込めた。
また、中途半端な気持ちで挑戦したのでは、可能性の扉は開かない。
「こうなれたらいいな」という憧れに近いような「夢」ではなく、「絶対にこうなってみせる」とうい覚悟、行動まで含めた具体的な道筋、つまり「志」をもって挑戦することが大切。
人間、覚悟を決めれば、ほとんどのことは実現可能なはず。
「挑戦 ~夢を志に~」のスローガンの下、皆が自分の力で可能性を扉を開き、次のステップ、次のステージに進んでいくことを期待している。

3「やってみなはれ」
※5月6日(金)の「校長室より」参照。


「3つの約束」、「挑戦~夢を志に~」、「やってみなはれ」の言葉を胸に、西中生が大きく飛躍することを楽しみにしています。

 

「やってみなはれ」(校長室より)

新年度がスタートして、1か月ほどが経ちました。
それぞれ進級した2・3年生はもちろんのこと、新入生である1年生も新しい学級に慣れ、笑顔で学校生活を送っていることを、うれしく思います。              

さて、本校のスローガンは「挑戦~夢を志に~」です。
このスローガンには、心身共に大きく成長する中学時代に、いろいろなことに挑戦し自分のもつ様々な可能性を大きく花開いてほしいという願いが込められています。
しかし、中途半端な気持ちで挑戦したのでは、可能性の扉は開きません。
「こうなれたらいいな」という憧れに近いような「夢」ではなく、「絶対にこうなってみせる」とうい覚悟、つまり「志」をもって挑戦することが大切です。

このスローガンにつながるものとして、「やってみなはれ」という言葉があります。
「やってみなはれ」は、サントリー創業者であり、日本の洋酒文化を切り拓いた鳥井信治郎さんの口ぐせです。
未知の分野にも果敢に挑戦していく、チャレンジ精神あふれる言葉だと思います。
鳥井信治郎さんは、竹鶴政孝さん(ニッカウヰスキーの創業者)と協力して国産ウイスキーの製造販売に挑戦し、幾多の失敗、苦難を乗り越えて、見事日本初の国産ウイスキーを完成させ世に送り出しました。

「挑戦~夢を志に~」のスローガンのもと「やってみなはれ」の精神で、西中生の皆さんが自分の力で可能性を扉を開き、大きく成長されることを期待しています。
頑張ってください。

「やってみなはれ、やらなわかりまへんで」