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校長室より

「防災の日」常に備えを(校長室より)

昨日、9月1日は「防災の日」でした。
防災の日とは、「台風、高潮、津波、地震等の災害についての認識を深め、それらの災害に対処する心構えを準備するため」の啓発日です。
政府の南海トラフ地震を想定した総合防災訓練をはじめ、全国各地で防災に関する様々な取組が行われました。

9月1日の日付は、1923年(大正12年)に発生した「関東大震災」に由来しています。
99年前の9月1日(土)11時58分に発生した関東大震災では、相模湾一帯を震源とするマグニチュード7.9の巨大地震により、死者・行方不明者は約10万5千人、建物の全半壊・焼失は約37万棟と関東一円に大災害がもたらされました。

日本はプレートの境目に位置しており、ひずみのエネルギーがたまれば必ず巨大地震が起きます。
政府の地震調査委員会は、関東大震災と同様の首都直下地震が、今後30年以内に70%の確率で起きると予測しており、今後も油断は禁物です。

加えて、近年全国各地で起きているの豪雨被害も心配されるところですが、地震と違い台風や豪雨はある程度予測できます。
自治体の避難情報を受けて迅速に行動することが重要となります。

いずれにしても、災害発生時には「的確な判断」と「迅速な行動」により自らの命を守ることが何より大切です。
本校でも、避難訓練の充実等により災害発生時に自らの命を守る力を身に付けさせたいと思います。

【関東大震災のときにも発生したと思われる火災旋風】

実り多き2学期に(校長室より)

いよいよ今日から2学期がスタートしました。
夏休み中、多きな事件・事故もなく、元気いっぱいの生徒の皆さんと再会できたことをうれしく思います。

1学期の終業式では、明治大学ラグビー部元監督北島忠治さんの言葉、「前へ」を紹介しました。
きっとこの夏休みは、勉強に部活動に大きな1歩を「前へ」進めたことと思います。

さて、2学期始業式は、県内に「BA.5対策強化宣言」が出されていることから、校長室から配信する形で行いました。
主な内容は以下のとおりです。


初めに大変うれしいお知らせを一つ。
吹奏楽部が夏休みに行われた栃木県吹奏楽コンクールで上位入賞を果たし、東関東吹奏楽コンクールへの出場が決定した。
これは、本校始まって以来初の快挙であり、大変すばらしいこと。
吹奏楽部の皆さん、本当におめでとう。
9月17日に千葉県で行われる東関東でも、上位入賞・東日本出場を期待している。
また、水泳に関しても2年生女子が関東出場を果たし、うれしいことが多かった。

次に、新型コロナウイルス感染症に関して、本県が発出した「BA.5対策強化宣言」は、当初昨日8月いっぱいの予定だったが、新規感染者数が減少しないことから、9月いっぱいまで延長されることとなった。
本校においても、夏休み中相当数の生徒が感染した。
中には明らかに油断したことによる感染もあり、2学期のスタートに当たり、改めて感染防止対策の徹底をお願いする。

話は変わるが、2学期は3つある学期の中でも最も長く、気候的にも過ごしやすい秋が中心のため、大きな成果が期待できる。
行事や大会等に進んで真剣に取り組み、チャンスを逃さず、自分を大きく伸ばしてほしい。
3年生には、西輝が丘祭を中心に、まさに西中の顔として中心となって活躍してくれることを期待している。
そして、何よりも来年に控えた受験に向けて確かな学力を身に付け、夢への扉を自分自身の手でしっかりと開けてほしい。
2年生は、3年生の後をしっかりと受け継ぐ、大切な学期となる。生徒会役員選挙も12月に予定されていることから、3年生の思いをもとに、西中のよき伝統を引き継ぎ、更に発展させる、そんな活躍を期待している。
1年生は、中学生としての土台を作り上げる大事な学期となる。
土台が小さいと小さな建物しか建たないが、土台が大きくしっかりしていれば、どんな大きな建物も建てることがでる。
先輩を見習いながら、その土台をしっかりと作ってほしい。

そのような大切な2学期を迎える皆さんに、1つのメッセージを送る。
それは「5分後の未来を変える」ということ。
皆さんは10年後、20年後のの自分を想像できるか。
仮に想像はできたとしても、10年後、20年後の未来を断定することは誰にもできない。
しかし、5分後の未来は、今すぐ自分の意志で変えることができる。
頑張ろうと努力するのも自分、もういいやと怠けるのも自分、そして怠けようとする自分を叱り、励ますのも自分自身。
5分後の未来の積み重ねは、確実に10年後、20年後の未来につながっている。
「なりたい自分になる」ためには、「5分後の未来」を大切にしほしい。
「心が変われば行動が変わる。行動が変われば習慣が変わる。習慣が変われば人格が変わる。人格が変われば運命が変わる。」アメリカの心理学者であるウィリアム・ジェームズの言葉である。
未来に決まった運命があるとしても、心を入れ替えて「5分後の未来」を変え続ければ、その運命すらも変えることができるはず。
2学期の皆さんの頑張りを期待する。

読書の夏「青少年読書感想文全国コンクール『課題図書』」

いよいよ明後日から夏休みとなります。
42日間の長期の休みであり、時間的な余裕も十分にあると思います。
そこで、是非毎日の日課の中に読書の時間を設けてほしいと思います。
特に、長期の休みは普段読まないジャンルの本に挑戦するチャンスです。
読書は、言葉を学ぶことはもちろん、感性を磨き創造力を豊かにしてくれます。
参考までに今年度の課題図書を以下に紹介します。
本校の図書室には、各課題図書が3冊ずつそろえてありますので、是非借りてください。


『セカイを科学せよ!』

転校生はとんでもない蟲オタク!上がる悲鳴とため息と……。ミックスルーツの中学生が繰り広げる、バイオロジカルコメディ。

『海を見た日』

同じ家で暮らしていても、心が通わない養母と里子4人。ある日の冒険をきっかけに、「本当の家族」になっていく。清々しい感動作。

『江戸のジャーナリスト葛飾北斎』

世界に誇る浮世絵師・葛飾北斎とは、どんな人物だったのか。ジャーナリストの著者独自の視点で、新たな北斎像をあぶり出す。


長い夏休み、是非良書に親しんでください。
必ず君の成長を助けてくれるはずです。

7月20日(水)追記:課題図書9冊(3種類各3冊)中、7冊が貸出中となりました。
生徒の皆さんの積極的な姿勢をうれしく思います。

強い気持ちとチームワーク

7月1日(金)に選手壮行会を行いました。
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、1・2年生は教室での視聴としました。
運動部の3年生にとって夏の総体は、勝てば県・関東・全国へとつながる重要な大会であると同時に、負ければ引退という厳しい大会でもあります。
そんな厳しい大会に挑む3年生に、以下の2つを話しました。


1つ目は、試合に臨む心とき構え。
試合において最後に勝敗を分けるのは、技術でも戦術でもなく「強い気持ち」である。
相当の実力差がある場合を除き、10回試合をして1回でも勝てる相手であれば、本番の気持ち次第で互角の勝負に持ち込むことができる。
今まで一切手を抜くことなく練習に励み、努力を重ねてきたことと思う。
大会本番では、努力した自分を信じて「強い気持ち」で試合に臨み、気持ちで相手を上回り、持てる力を存分に発揮してほしい。

2つ目は、仲間との絆、「チームワーク」。
自分がこれと決めた部活動で頑張った3年間。
ときには練習がきつくて、くじけそうになることもあったはず。
そんなときに、一緒に頑張ろうと励ましてくれた仲間。
自分のミスで試合に負けて、落ち込んだときもあったかもしれない。
そんなときに、寄り添い元気付けてくれた仲間。
そんな、大切な仲間との絆、「チームワーク」を信じて試合に臨んでほしい。
試合中の厳しい場面ほど、「チームワーク」が力を発揮する。


「強い気持ち」と「チームワーク」、この2つで夏の総体に挑み、最後まで諦めることなく戦い抜いてください。
本校のスローガンは、「挑戦 ~夢を志に~」です。
本気の思いは、必ず叶います。
県大会出場、関東大会出場などの目標を達成し、苦楽をともにした仲間と一日でも長くプレーできるように頑張りましょう。
皆さんの活躍を信じ、応援しています。
校外のクラブで活動している生徒や文化部の生徒の皆さんも、それぞれの目標に向けて頑張ってください。

臆病な自尊心

中島敦の小説「山月記」には、かつて人間であり、詩人になろうとしてなれず、その妄執から虎に変身した男が描かれています。

虎になった男は、旅人としてその地を通りかかった昔の友人と出会い、虎になるまでの身の上を語ります。
その中に、「臆病な自尊心」という言葉が出てきます。
「自分は、詩によって名を成そうと思いながら、師について勉強することもせず、志を同じくする友人と切磋琢磨することもしなかった。わざと努力を怠ったのは、自分に詩の才能がないことを自覚するのが怖かったからであり、つまりは『臆病な自尊心』のせいである。」と。

程度の差はあるかもしれませんが、誰の心にも「臆病な自尊心」はあります。
全力を尽くして失敗したり、敗北したりすると、自分があまりにもみじめで救いがたいからです。
そこで、「まだ本気出していないから、失敗したってどうってことないもんね。」と、言い訳を先に用意してしまいます。
果たして、これで本当によいのでしょうか。
山月記の虎になった男と同じように、きっと「後悔」することでしょう。

明後日から、いよいよ期末テストです。
初めての定期テストを受ける1年生はもちろん、2・3年生も、「臆病な自尊心」に負けず、全力で努力した上で、テストに臨んでほしいと思います。
がんばれ、西中生!

6月15日は県民の日(校長室より)

本日、校長講話を行いました。
前半は、写真を見せながら、春季各種大会やスポーツフェスティバルの振り返りを行い、一層の活躍をお願いしました。
後半は、「県民の日」の話をしました。主な内容は、以下のとおりです。


今日6月15日は「県民の日」です。栃木県のホームページによると、「県民一人ひとりが、郷土を見直し、理解と関心を深め、県民としての一体感と自治の意識をはぐくみ、より豊かな栃木県を築きあげることを期する日」として制定された。明治6年(1873年)に栃木県と宇都宮県が合併し、おおむね現在と同じ県域の栃木県が成立した日である6月15日を県民の日とした。

栃木県のシンボル
県章

県木「トチノキ」

県獣「カモシカ」

県花「ヤシオツツジ」

県鳥「オオルリ

皆が生きるこれからの時代は、グローバル化が一層進展し、国境を越えた様々な交流が当たり前のように行われる。
そのような時代だからこそ、自分が生まれたふるさとのことをしっかりと知り、そのよさを実感し、自己がよって立つ基盤にしっかりと根を下ろすことが大切だと思う。
今日の昼の校内放送では、県民の歌を流す予定である。県民の日にちなんだ給食を食べながら、この校長講話と併せて郷土愛を深めるよい機会としてほしい。


生徒の皆さん、栃木県とともに成長・発展していきましょう!

梅雨入りしました。(校長室より)

本日、関東甲信地方が梅雨入りしました。
今も昔も、日本人は、季節に寄り添いながら暮らしています。
日本以外にも四季のある国はたくさんありますが、ことさら日本人の季節感は称賛されます。
それは、幼いころから自然に親しみ、繊細な感覚を身に付け、季節を愉しむすべを会得しているからだと思います。
梅雨にまつわる俳句をいくつか紹介します。

五月雨を あつめて早し 最上川  松尾芭蕉
降り続く五月雨(さみだれ)を一つに集めたような、最上川の流れの早さやすさまじさが伝わってきます。

さみだれや 青柴積める 軒の下  芥川龍之介
軒の下に集めた柴が五月雨で湿ってしまった様子から、山里の梅雨の風景とそこに暮らす人の質素な生活が描かれています。

紫陽花や 昨日の誠 今日の嘘  正岡子規
紫陽花(あじさい)が色を変えていく様子と人の心がうつろいでいく様子が似ていることを表しています。

国際化、グローバル化が加速するこれからの時代だからこそ、日本のよさを感じ、日本人としての自覚を深め、自己がよって立つ基盤にしっかりと根を下ろすことが重要になると思います。
ちなみに今日は、二十四節気の一つ「芒種(ぼうしゅ)」です。麦などの芒(穀類の堅い毛)のある穀物の種をまく頃を指します。

今にときめけ!活気あふれる青春魂(校長室より)

本日、5月28日(土)に「西輝が丘スポーツフェスティバル(SF)」を実施しました。
今年度も昨年度同様、生徒の健康・安全を最優先に考え、半日の縮小開催とした上で保護者の皆様の入場も制限させていただきました。

制約が多い中でのSFでしたが、生徒たちはすべての演技に一切手を抜くことなく全力で取り組みました。
そこには、スローガンの「今にときめけ!活気あふれる青春魂」が体現されており、多くの喜びや感動がありました。
まさに、生徒一人一人が主役のSFとなったと思います。
特に、3年生の頑張りと学級の垣根を越えて応援し合う姿に感動しました。

コロナ禍の中で学校行事を実施することは容易ではありませんが、改めてSFを実施してみて、学校行事の重要性を認識しました。
発展途上にある生徒たちは、それぞれの学校行事を節目として階段を1段上がるように、一気に次のステージへと成長していきます。
勝利を目指して奮闘すること、新しい役割に挑戦すること、係の仕事を責任をもって行うこと、喜びを分かち合うこと、涙する友人を慰めること、声を枯らして応援することなど、様々な経験が人を成長させます。

真岡西中学校はこれからも学校行事に力を入れて取り組んで参ります。
当日、応援に駆けつけてくれた保護者の皆様、検温や撮影等をお手伝いいただいたPTA役員や各委員会の皆様、本当にありがとうございました。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

あわてなさんな(校長室より)

谷川俊太郎さんの詩、「あわてなさんな」を紹介します。


「あわてなさんな」  谷川俊太郎

花をあげようと父親は云う
種子が欲しいんだと息子は呟く
翼をあげるわと母親は云う
空が要るんだと息子は目を伏せる

道を覚えろと父親が云う
地図は要らないと息子がいなす
夢を見ないでと母親が云う
目をさませよと息子がかみつく

不幸にしないでと母親は泣く
どうする気だと父親が叫ぶ
あわてなさんなと息子は笑う
父親の若い頃そっくりの笑顔で


私たちが子供を見るとき、どうしても大人の目線で見てしまいます。
そのため、失敗しないで最短距離で成功をつかめるように、先回りをしてあれこれ手伝いがちです。
でも、子供は、花(成功)をもらうより種子(可能性)をもらったほうが、うれしいのではないでしょうか。

種子を手間暇かけて世話をして、自らの手で芽吹かせ、花を咲かせる喜びを知る。
谷川さんの詩、「あわてなさんな」は、「子供の可能性を信じ、じっくり成長を待つ大切さ」を教えてくれてるような気がします。
成長に失敗は付きものです。
ときには、あわてずにぐっとがまんして見守ることも必要です。
いよいよ今週末は「西輝が丘スポーツフェスティバル」、手を掛けすぎず、生徒たちの成長を見守りたいと思います。

堂々と胸を張って(校長室より)

御協賛企業及び団体様の御厚意により、学校に毎月「PHP」(PHP研究所)が寄贈されます。
本校でも、職員図書コーナーにて活用させていただいております。
そのPHP5月号の「生きる」(467話)に、藤田ゆかり様の「堂々と胸を張って」が掲載されていました。
心打たれる大変すばらしい内容で、共生社会の実現を目指してインクルーシブ教育を推進している本校にとって、大きな示唆をいただきました。

今回、発行元であるPHP研究所様及び作者の藤田ゆかり様の御厚意により、本校ホームページへの転載許可をいただきましたので、全文を掲載させていただきます。
本当にありがとうございます。
障がいをお持ちの方々が「堂々と胸を張って」生活できる共生社会の実現を目指して、本校は今後も特別支援教育の充実及びインクルーシブ教育の推進に力を入れて参ります。

なお、作者、出典等の詳細は、以下のとおりです。
・作者名 藤田ゆかり様
・出典名 月刊誌『PHP』2022年5月号、株式会社PHP研究所様刊行 
・URLのリンク https://www.php.co.jp/php/


 「あらあら、お帽子をなおしてあげましょうね」
 娘をおぶっていた私のうしろで声がした。同時に、中年女性が駆け寄ってきて、あっというまに目深にかぶっていた娘の帽子を上にあげた。
 次の瞬間に起こるであろう光景で、私の頭の中は真っ白になった。おそらく彼女は狼狽し、自分のおせっかいを悔やみながら足早に立ち去ろうとするだろう。そんな未来を想像していた。
 「まあ、かわいいこと。なんてお名前なの?」
 彼女から発せられた思いもよらない言葉に、私はおどろいた。
 「愛子です」
 思わず答えた私に、彼女は微笑みながら、こう言った。
 「お帽子でおめめがよく見えないみたいだったわよ。お母さん、愛子ちゃんのために、堂々として!」
 狼狽してしまったのは目の前の女性ではなく、私のほうだった。
 愛子はダウン症。愛子を連れて行くスーパーでは、いつも他人の目が気になって、私はおどおどしていた。
 なるべく愛子の顔に気づかれないように、故意に帽子を深くかぶらせていたのだ。障害児を産んでしまった自分を恥じていたし、世間にも負い目を感じていた。そんな私の心の中を見透かしたかのような女性の発言。
 彼女は、こう続けた。
 「お母さん、堂々と胸を張って愛子ちゃんのために」
 そう言うと、笑顔のままスーパーから出て行った。私は、雷に打たれたかのような衝撃を覚えた。
 そうだ!今このときから卑屈になるのはやめよう。私が卑屈になれば愛子も卑屈になってしまう。堂々と胸を張って、生きるのだ。
 私の中で、何かがはじけた。
 スーパーを出ると、西の空が茜色に染まっていた。私は、その夕焼けに、美しいなあと見入ってしまった。つい先日も、空は同じような色をしていたけれど、私は夕焼けを血を流したような色だと思ってしまったのだった。
 愛子が生まれて、11か月。忘れられない母親再生の日だった。

おまじないの言葉を胸に
 堂々と胸を張って生きていると、いいことが向こうからやってくるようになった。愛子がよく笑うようになった。私にママ友ができた。そして何よりうれしかったのは、特別支援学校で吉田先生と出会えたことだった。
 そのとき、愛子は小学1年生。私は娘に文字の読み書きなど、まったく期待していなかった。でも、吉田先生は、
 「最初からあきらめないでください。少しずつやっていきましょう」
 とおっしゃり、根気よく教えてくださったのだった。愛子は、6年かけてひらがなの読み書きができるようになった。そして、はじめて書いた文は、「せんせいだいすき」であった。先生とは、もちろん吉田先生のことだ。
 私はというと、「堂々と胸を張って」という言葉を、おまじないのように唱えて暮らしていた。
 「あんな嫁をもらったばかりに、あんな子ができてしまった」
 そんな姑の嘆きを耳にしたときには、本当にこのおまじないに救ってもらった。もし、このおまじないがなかったら、私は、まるで深い海の中で、もがき苦しむような心境になっていただろう。

先生たちのおかげで
 子育ても順調に思われたころ、吉田先生のお母さまの訃報がもたらされた。
 私は、告別式に出席した。その告別式で手を合わせたとき、私は心臓が飛び出るほどおどろいたのだった。
 遺影のお顔は、ずいぶん年を重ねていらっしゃるけれど、なんとあのスーパーで出会った女性ではないか。あのお方は、吉田先生のお母さまだったのだ!
 遺影からは、まるでこんな声が聞こえてきそうだった。
 「堂々と生きていますか?胸を張って生きていますか?」
 私は何度もうなずきながら、涙が止まらなくなった。
 人目を気にしながらうつむいていたあのころ、彼女に出会わなかったら、私の人生は大きく違うものになっていただろう。
 現在、愛子は42歳。
 あいかわらず幼児のような子だけれど、私は愛子の手を引いて堂々と、どこへでも出かけている。
 さあ、胸を張って!

ぼくが ここに(再掲・校長室より)

ぼくが ここに  まど・みちお

ぼくが ここに いるとき
ほかの どんなものも
ぼくに かさなって
ここに いることは できない

もしも ゾウが ここに いるならば
そのゾウだけ
マメが いるならば
その一つぶの マメだけ
しか ここに いることは できない

ああ このちきゅうの うえでは
こんなに だいじに
まもられているのだ
どんなものが どんなところに
いるときにも

その「いること」こそが
なににも まして
すばらしいこと として


これは、「ぞうさん」や「やぎさんゆうびん」、「一年生になったら」などの童謡の作詞で知られる、詩人「まど・みちお」さんの詩です。
「誰もが大事に守られているたったひとりの存在であり、そこにいること自体が何よりもすばらしいことなのだ。」と、まど・みちおさんは伝えてくれているのだと思います。
世界でたった一つのかけがえのない命を、どうか大切に

おうちの人や先生にも相談できない悩みがあったら、下記に電話してください。
チャイルドラインとちぎ 0120-99-7777
栃木いのちの電話 028-643-7830
こころのダイヤル 028-673-8341
いじめ相談さわやかテレホン 028-665-9999

「3つの約束」と「挑戦」への決意(校長室より)

本日、5月11日(水)、令和4年度最初の校長講話を行いました。
コロナ禍のため、校長室からオンライン配信の形で行いました。
主な話の内容は、以下のとおりです。


1「3つの約束」
3つの約束とは、「時を守る 場を清める 礼を正す」のことである。
明治、大正、昭和、平成までの4つの時代を生きた哲学者、教育者である、森信三先生が唱えたもの。

「時を守る」とは、「遅刻をしない、期日を守る」ということ。
定刻までには準備を整え、きたるべき時に備えて心を静めて開始を待つ姿勢が大切。
本校では、タイム着席や5分前行動などがこれに当たる。
時を守る先には必ず相手がおり、自らが時を守ることは、相手を尊重することになる。

「場を清める」とは、「整理整頓をして、しっかりと掃除を行う」ということ。
清掃を一生懸命行うと、気付く人になれる、心が磨かれる、謙虚になれる、感動の心が育まれる、感謝の心が芽生えるなど、様々な心の成長が見込まれる。
本校では、無言清掃やロッカー・教室の整理整頓などが当たる。
単に身の回りの整理整頓や掃除であっても、他を敬うことや奉仕の心につながるものである。

「礼を正す」とは、「気持ちのよい挨拶や返事を行い、敬意を表すために服装や身だしなみを整える。」とういこと。
挨拶には、「心を開いて、相手に迫る」という意味があり、挨拶をすることで人間関係は良好に保たれる。
挨拶は率先して相手よりも先に行うこと、相手に聞こえるような大きな声で行うこと、相手が気持ちよく受け取ってくれるように行うことが求められる。
服装や身だしなみを整えることは、相手に対する礼節につながりる。
本校でも、気持ちのよい挨拶やきちんとした身だしなみは、当たり前のこととして実践していこう。

森信三先生の3つの約束、「時を守る 場を清める 礼を正す」は人としての基本であり、本気で守ろうと思えば、誰でも必ず守れるもの。
中学生のときに、人としての基本をしっかりと身に付けておけば、社会人になっても他人からの信頼を得ることができるはず。
今年度も「3つの約束」をしっかりと守っていこう。

2 本校スローガン「挑戦~夢を志に~」
本校のスローガンは、昨年度に引き続き「挑戦 ~夢を志に~」である。
中学時代は心身共に大きく成長する時期で、皆の一人一人が持つ様々な可能性が大きく花開くときでもある。
しかし、自分がどんなことが得意で、どんな可能性を持っているのかは、なかなか分からない。
そこで、いろいろなことに挑戦し、自分の可能性を見極めてほしいという思いを、「挑戦」という言葉に込めた。
また、中途半端な気持ちで挑戦したのでは、可能性の扉は開かない。
「こうなれたらいいな」という憧れに近いような「夢」ではなく、「絶対にこうなってみせる」とうい覚悟、行動まで含めた具体的な道筋、つまり「志」をもって挑戦することが大切。
人間、覚悟を決めれば、ほとんどのことは実現可能なはず。
「挑戦 ~夢を志に~」のスローガンの下、皆が自分の力で可能性を扉を開き、次のステップ、次のステージに進んでいくことを期待している。

3「やってみなはれ」
※5月6日(金)の「校長室より」参照。


「3つの約束」、「挑戦~夢を志に~」、「やってみなはれ」の言葉を胸に、西中生が大きく飛躍することを楽しみにしています。

 

「やってみなはれ」(校長室より)

新年度がスタートして、1か月ほどが経ちました。
それぞれ進級した2・3年生はもちろんのこと、新入生である1年生も新しい学級に慣れ、笑顔で学校生活を送っていることを、うれしく思います。              

さて、本校のスローガンは「挑戦~夢を志に~」です。
このスローガンには、心身共に大きく成長する中学時代に、いろいろなことに挑戦し自分のもつ様々な可能性を大きく花開いてほしいという願いが込められています。
しかし、中途半端な気持ちで挑戦したのでは、可能性の扉は開きません。
「こうなれたらいいな」という憧れに近いような「夢」ではなく、「絶対にこうなってみせる」とうい覚悟、つまり「志」をもって挑戦することが大切です。

このスローガンにつながるものとして、「やってみなはれ」という言葉があります。
「やってみなはれ」は、サントリー創業者であり、日本の洋酒文化を切り拓いた鳥井信治郎さんの口ぐせです。
未知の分野にも果敢に挑戦していく、チャレンジ精神あふれる言葉だと思います。
鳥井信治郎さんは、竹鶴政孝さん(ニッカウヰスキーの創業者)と協力して国産ウイスキーの製造販売に挑戦し、幾多の失敗、苦難を乗り越えて、見事日本初の国産ウイスキーを完成させ世に送り出しました。

「挑戦~夢を志に~」のスローガンのもと「やってみなはれ」の精神で、西中生の皆さんが自分の力で可能性を扉を開き、大きく成長されることを期待しています。
頑張ってください。

「やってみなはれ、やらなわかりまへんで」

郡市春季陸上ー輝く「西中魂」ー(校長室より)

昨日、4月26日、曇天でやや風はありましたが、無事郡市春季陸上競技大会が行われました。

私は別出張があり半日しか応援できませんでしたが、選手一人一人が自己ベスト更新を目指し、全力を尽くす姿に感動しました。
結果は、男子総合7位、女子総合3位 男女総合5位と、好成績を収めることができました。
個人でも、共通男子3000m1位、3年女子100m1位を初め上位入賞を果たし、県大会にも複数名の選手が出場予定です。
また、成績だけでなく、応援や係の仕事にも一生懸命にも取り組む姿は、大変立派でした。

まさに「西中魂」が輝いた瞬間であり、西中のスローガン「挑戦 ~夢を志に~」を体現してくれました。
しかし、西中生の底力はこんなものではありません。この後に続く各部の春季大会や夏の総体での更なる活躍を期待してください。

朝練のために早起きして準備をしてくださった保護者の皆様、大会当日応援に駆けつけてくれた保護者の皆様、本当にありがとうございました。今後もよろしくお願いいたします。

なお、大会での奮闘の様子は、後日保護者向けのページにアップさせていただきます。楽しみにお待ちください。

ひとみキラキラ 本にどきどき(校長室より)

4月23日(土)~5月12日(木)までの約3週間は、「こどもの読書週間」です。
本校の図書室にも掲示してあります。

「こどもの読書週間」は、1959年(昭和34年)にはじまりました。
第1回は、日本書籍出版協会児童書部会が中心となって開催した「こども読書週間」(4月27日~5月10日)です。
この年は、ポスターではなくしおりを作成し、東京都内の書店やデパートで配布したと記録されています。

1959年11月に読進協が発足したので、翌1960年の第2回より、読書推進運動協議会が主催団体となり、名称を「こどもの読書週間」、期間を5月1日~14日(こどもの日を含む2週間)と定めました。
「こどもの読書週間」は2000年の「子ども読書年」を機に、現在の4月23日~5月12日の約3週間に期間を延長しました。
4月から5月にかけては、「国際子どもの本の日(4月2日)」「サン・ジョルディの日(4月23日)」などの記念日・関連イベントも多く、また、2001年12月に公布・施行の「子ども読書活動推進法」により4月23日が「子ども読書の日」となった影響もあって、「こどもの読書週間」は年々大きな盛りあがりをみせています。

2022年「第64回こどもの読書週間」の標語は、「ひとみキラキラ 本にどきどき」です。
学校図書館司書の先生に、読書週間に合わせて、おすすめの新刊図書を紹介してもらいました。
是非、ゴールデンウイークに読んでください。

〇教室に並んだ背表紙(相沢沙呼)
寂しくて、迷ってしまったときは“物語”を読んで―。図書室を舞台に、“読書”との出会いで変わっていく少女たちの心模様を描く、全六篇の連作短編集。
図書委員のあおいはある日、苦手な同級生を図書室で見かける。本に興味がないはずの彼女が、毎日来るのはなぜだろうと疑問を抱き…。「その背に指を伸ばして」。
読書嫌いのあかねは、本を読まずに読書感想文の宿題を終わらせたい。偶然クラスメイトが捨てた下書きを見つけて、それを利用しようと奮闘するが…。「やさしいわたしの綴りかた」ほか、全六篇を収録。

〇ラブオールプレー(小瀬木麻美)
中学の時、ひょんなことからバドミントンを始めることになった水嶋亮。
オファーを受けて進学した名門・横浜湊高校には、文武両道イケメンエース・遊佐をはじめ、無敵の双子・東山ツインズ、クールな帰国子女・松田、明るいムードメーカー・榊など、個性豊かなチームメイトたちが。
仲間を得た水嶋は、さらなる高みへと挑んでいく! 三度のメシよりバドミントンな超純粋高校生たちを瑞々しく描いた、青春バドミントン小説!

〇海を見た日(M・G・ヘネシー作、杉田七重訳)
それぞれの事情で、養母の家に預けられた3人の子どもたち。みんながバラバラの方向を向いていて、ちゃんと向き合わずに過ごしてきた。
そこへ新しくアスペルガー症候群の男の子が仲間入りし、その子の母親に会いたいという願いをかなえるために4人は冒険に出かけることになる。
作者M・G・ヘネシーのデビュー作『変化球男子』に続く第二弾です。これからの時代、家族とはどう定義すればいいのか? その問いに対するストレートな回答がこの物語です。

〇闇祓(辻村深月)
「うちのクラスの転校生は何かがおかしい――」
クラスになじめない転校生・要に、親切に接する委員長・澪。
しかし、そんな彼女に要は不審な態度で迫る。
唐突に「今日、家に行っていい?」と尋ねたり、家の周りに出没したり……。
ヤバい行動を繰り返す要に恐怖を覚えた澪は憧れの先輩・神原に助けを求めるが――。
身近にある名前を持たない悪意が増殖し、迫ってくる。一気読みエンタテインメント!

〇大谷翔平 勇気をくれるメッセージ80(児玉光雄)
スポーツ心理学の第一人者が解き明かす!
数々の受賞を誇る大谷翔平の強さと、成長力、愛されキャラの秘密。
信じられないような奇跡を起こす道は、あなたにも開けている!
自分の夢に、自分で限界を設けていない?
「まだまだいける!」と思うだけで未来は変わる!
データは参考程度のもの。「やりたいこと」は感性や直観で選ばなきゃ!

 

今週は科学技術週間(校長室より)

令和4年4月18日(月)~24日(日)までの1週間は、「科学技術週間」です。
科学技術週間は、科学技術について広く一般の方々に理解と関心を深めていただき、日本の科学技術の振興を図ることを目的として昭和35年2月に制定されました。
日本が真に豊かな国として発展し世界の平和と繁栄に貢献していくためには、「教育・文化立国」を実現するとともに、社会経済発展の原動力となる「知」の創造と活用に向けて「科学技術創造立国」の実現を図ることがとても重要です。
最近では、次代を担う青少年の「科学技術離れ」「理科離れ」も指摘されています。青少年の科学技術に親しむ機会を充実することも将来の日本にとって大切なことです。
くしくも、昨日実施した「全国学力・学習状況調査」では、4年ぶりに理科が実施されました。是非、御家族で解いてみてください。

なお、科学技術週間に合わせて、日本人ノーベル賞受賞者一覧を掲載します。

1949年…湯川 秀樹氏、ノーベル物理学賞、中間子の存在を予言
1965年…朝永 振一郎氏、ノーベル物理学賞、量子電気力学での業績
1968年…川端 康成氏、ノーベル文学賞、日本人の心の本質を繊細に表現
1973年…江崎 玲於奈氏、ノーベル物理学賞、半導体でのトンネル効果を発見
1974年…佐藤 栄作氏、ノーベル平和賞、非核三原則の提唱
1981年…福井 謙一氏、ノーベル化学賞、フロンティア電子理論
1987年…利根川 進氏、ノーベル生理学・医学賞、抗体多様性の遺伝的原理を解明
1994年…大江 健三郎氏、ノーベル文学賞、苦境にある現代人の姿を表現
2000年…白川 英樹氏、ノーベル化学賞、導電性高分子の発見と発展
2001年…野依 良治氏、ノーベル化学賞、キラル触媒による不斉反応の研究
2002年…小柴 昌俊氏、ノーベル物理学賞、ニュートリノの観測に成功
    田中 耕一氏、ノーベル化学賞、タンパク質のイオン化に成功
2008年…南部 陽一郎氏(米国籍)、ノーベル物理学賞、自発的対称性の破れの発見
    小林 誠氏、益川 敏英氏、ノーベル物理学賞、CP対称性の破れの起源の発見
    下村 脩氏、ノーベル化学賞、緑色蛍光タンパク質の発見と開発
2010年…鈴木 章氏、根岸 英一氏、ノーベル化学賞、クロスカップリング反応の開発
2012年…山中 伸弥氏、ノーベル生理学・医学賞、iPS細胞の作製
2014年…赤崎 勇氏、天野 浩氏、中村 修二氏(米国籍)、ノーベル物理学賞、青色発光ダイオードの発明
2015年…梶田 隆章氏、ノーベル物理学賞、ニュートリノ振動の発見
    大村 智氏、ノーベル生理学・医学賞、寄生虫による感染症の治療法発見
2016年…大隅 良典氏、ノーベル生理学・医学賞、オートファジー(自食作用)の解明
2018年…本庶 佑氏、ノーベル生理学・医学賞、免疫の働きを抑える分子の発見とがん治療への応用
2019年…吉野 彰氏、ノーベル化学賞、リチウムイオン二次電池の開発
2021年…眞鍋 淑郎氏(米国籍)、ノーベル物理学賞、気候の物理的モデリング、気候変動の定量化、地球温暖化の確実な予測

28名の受賞者のうち、生理学・医学賞を含めれば、25名が科学系の功績での受賞ということで、日本の面目躍如といったところです。
西中生から未来のノーベル賞受賞者が誕生することを楽しみにしています。

106名の新入生を迎えて

先週8日(金)に、入学式を実施しました。
コロナ禍により、新入生と保護者、教職員のみで行いました。
本来、来賓の方々をお呼びして、在校生、教職員総出で、歓迎の意を表すべきところですが、生徒の安全・安心を最優先に考えた上での内容の変更であり、御理解いただきたいと思います。

式辞では、新入生に以下の3つのことをお願いしました。


1 当たり前のことが当たり前にできる生徒になってほしい。
朝は自分で起きられる。誰にでも大きな声で挨拶ができる。人の話をきちんと聴くことができる。自分を振り返り反省することができる。どれも当たり前のことばかりですが、なかなかできないものです。人として当たり前のことができるようになることが、中学校生活を豊かで楽しくする第一歩だと思います。本校では、「時を守る 場を清める 礼を正す」という3つの約束があります。進んで守るようにしましょう。

2 一生懸命に勉強してほしい。
中学校での学習は、小学校とはずいぶん違います。内容も難しくなり、より考える力が求められるようになります。また、授業も教科ごとに先生が違う教科担任制になり、さらに、小学校にはなかった中間テスト・期末テストがあります。そのため、予習や復習などの家庭学習も計画的に行うことが大切です。日々の努力を欠かさず、皆さん一人一人が3年間で確かな学力を身に付け、自らの進路を自分の力で切り拓いてほしいと思います。

3 何かに本気で打ち込み友情を育んでほしい。
本校では、スポーツフェスティバルや西輝が丘祭など様々な学校行事があり、大変盛り上がります。また、皆さんが楽しみにしている部活動も盛んで、多くの大会に出場し活躍しています。学校行事や部活動で一番大切なことは、本気で取り組むことです。仲間と一緒に本気で取り組めば、そこに確かな友情が生まれます。共に何かを成し遂げ、そこから生まれてくる友情は、一生の宝物です。中学校生活を通して、友情を育み、生涯の友とできる人を探してほしいと思います。

 新入生の皆さんが真岡西中学校の伝統である「西中魂」をしっかりと受け継ぎ、中学校3年間で大きく成長されることを期待しています。

令和4年度スタート

先週、4月8日(金)に、第1学期始業式を校庭で行いました。

式辞の中で、3年生には、最上級生としての自覚を求めました。
「一人が一校を代表する」という言葉どおり、3年生の行いが、学校の雰囲気を作っていきます。勉強はもちろんのこと、部活動や生徒会活動など何事においても、伝統ある真岡西中を引っ張っていってほしいとお願いしました。
後輩から頼りにされる3年生、理想に燃え常に向上心を持って何事頑張る3年生、そんな姿を目指してほしいと思います。

2年生には、中堅学年としての責任ある行動を求めました。
106名の新1年生を迎え、いよいよ先輩と言われる立場になります。新1年生は、まずは2年生を手本とします。
そのため、昨年までと比較して、より大きな責任が課せられます。新1年生が安心して中学校生活をスタートできるよう、そして3年生をしっかりサポートできるよう、中堅学年として真岡西中をしっかりと支えてほしいと思います。

次に、様々な活躍の基盤は学級にあり、担任の先生を信頼し、よりよい学級づくりに向けて頑張ってほしいとお願いしました。

最後に、今年度からスタートする「スマイルプロジェクト」の新たな取組の一つとして、1・2年生の遠足を実施することを伝えました。スマイルプロジェクトは、生徒が今まで以上に安心して楽しく学校生活を送れるようにするための取組です。

新1年生を加え、生徒数310名となった新生真岡西中学校。
コロナ禍に負けず、令和4年度を大いなる飛躍の年にしましょう!

初心忘るべからず

昨日、3月23日(水)に立志式を行いました。
新型コロナウイルス感染症の影響により、2度の延期を経てもなお、内容を大幅に変更しての実施とせざるを得ませんでした。
本来であれば、保護者の皆様方にもお子様の成長した姿をご覧いただきたかったところですが、校内の感染状況を踏まえ、生徒及び職員のみでの実施とさせていただきました。
式の様子は学校HPから視聴可能ですので、是非ご覧いただき、お子様に励ましの言葉を掛けていただければ幸いです。

式中、「誓いのことば」を堂々と発表する生徒たちの姿から、14年間の確かな成長を感じるともに、今後の更なる飛躍に期待が膨らみました。
私の式辞では、世阿弥の「花鏡」から「初心忘るべからず」の言葉を送りました。
主な内容は以下のとおりです。


「花鏡」には、「しかれば、当流に、万能一徳の一句あり。初心忘るべからず。」との一節があり、さらに「この句、三箇条の口伝あり。是非の初心忘るべからず。時々の初心忘るべからず。老後の初心忘るべからず。」と続き、能の芸について初心時代の未熟さを忘れないよう戒めが示されている。
転じて現代では、「物事に慣れると慢心してしまいがちだが、最初の頃の志を忘れてはいけない」という意味で使われれる。

人は、物事のはじめには、強い「希望」や「目標」を持って出発するが、だんだんと月日が経つにつれて、初めの頃の熱い気持ちを忘れ、現実の甘い生活に妥協し、安易で楽な方に流されがちになる。
最初のうちは、自分の進むべき道からそれていることに気付くものだが、軌道修正を怠っているうちに、希望や理想から遠く離れてしまい、目指すべき道すら見失ってしまうことがある。
そのようなことにならないためにも「初心忘るべからず」の言葉を肝に銘じてもらいたい。

夢や目標を持ち、それを実行に移すときには、必ず多くの困難にぶつかるが、簡単に諦めてはいけない。
夢や目標の実現は、他人から与えられるものではなく、自ら努力して勝ち取るものだからである。
もし、くじけそうになったら、「誓いのことば」を一生懸命考え堂々と宣言したときの今日の熱い気持ち、「初心」を思い出し、自らを奮い立たせ、西中魂の精神で頑張ってほしい。


保護者の皆様方には、生徒たちが立志の誓いを実現できるよう、今後とも愛情と厳しさを持って見守り導いていただけますよう、お願いいたします。
私ども教職員も生徒たちの夢の実現を全力で支援して参りますので、今後とも、御支援、御協力のほどよろしくお願いいたします。

東日本大震災を忘れない

一昨日、3月16日深夜、東北地方を中心に最大震度6強の地震が発生し、大きな被害が出ました。
本市でも震度4の大きな揺れを記録したこともあり、11年前の東日本大震災の恐怖が思い起こされました。

本校では先週3月11日に、国旗を半旗掲揚にして弔意を表すとともに、地震発生時刻である14時46分から1分間の黙とうを行い、震災で亡くなられた方々の御冥福をお祈りしました。
震災時、生徒たちはまだ幼く、記憶もほとんどないことから、帰りの会等で担任の先生から震災の概要について話を聞きました。
話の要旨は、以下のとおりです。


・東日本大震災は、東北地方太平洋沖地震により発生した災害である。
・震源は三陸沖の海底24km、地震の規模を表すマグニチュードは9.0~9.1という超巨大地震で、日本では観測史上最大、世界でも4番目ぐらいに大きな地震である。
・地震の揺れの大きさを表す震度は、宮城県で最大7を記録しており、また、本震の継続時間は約6分間と非常に長いのが特徴だった。
・巨大津波の発生により、甚大な被害が発生した。震源が地下24kmと浅く、地震の規模が非常に大きかったことが原因。津波のスピードは非常に早く、水深の深い沖の方では、時速800kmにもなる。水深が浅くなるとスピードは落ちるが、それでも時速36kmほどはあり、津波が近づいてから走って逃げても、逃げ切れない。
・東日本大震災で発生した津波は、最大で海岸から6kmの内陸にまで達し、津波の高さは最大16m、最大遡上高40m以上を記録した。
・この巨大津波により未曾有の災害が発生し、死者・行方不明者は2万人以上にも及び、11年が経過した今なお、3万8千人ほどが避難生活を送っている。
・また、巨大津波により、福島第1原発の1~5号機で全ての電源を喪失し、原子炉を冷却できなくなり、1~3号炉で炉心溶融(メルトダウン)が発生。それに伴い、大量の放射性物質が空気中に拡散し、原発周辺が立ち入り禁止区域となった。


東北地方を中心に甚大な被害をもたらした東日本大震災から11年の月日が流れ、私を含め人々の記憶は薄れつつあります。
一昨日の地震は、まるで「自然の脅威を決して忘れてはいけない」との警告のようでした。
日本は、3つのプレートの境目に位置しているため、ある程度の周期で巨大地震が発生します。
次に、発生が予想されている巨大地震は、駿河湾から日向灘沖にかけてのプレート境界を震源域とする「南海トラフ地震」です。
静岡県から宮崎県にかけての一部では、震度7の強い揺れが想定され、また、関東地方から九州地方にかけての太平洋沿岸の広い地域に10mを超える巨大津波の襲来が想定されています。

私たちにできることは、東日本大震災の教訓を生かし、「想定外」という言葉を使わずに済むように、最悪の事態を想定して災害に備えることです。
「3.11」の記憶と教訓を決して風化させることなく、本校では防災教育の充実を図って参ります。