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校長室より

西中の未来は君たちの手に(校長室より)

いよいよ生徒会役員選挙が近づいてきました。
立候補者の街頭演説に加え、昨日から応援弁士演説も始まりました。
寒い中、朝早くから昇降口で行っている選挙活動も熱を帯びてきました。

会長には4名の生徒が、副会長には6名の生徒、それぞれ立候補者しています。
(会長立候補者1名は、都合によりポスターがありません。)
勇気をもって立候補した、志ある10名の皆さんには、心から感謝いたします。
責任者や応援弁士と協力して、自らの主張を分かりやすく有権者に伝えてください。

投票日は、12月12日(月)です。
西中の未来をだれに託すのか。有権者である生徒一人一人の責任ある一票を楽しみにしてます。

「投票は弾丸よりも強い」 エイブラハム・リンカーン

共生社会の実現に向けて、「あすチャレ!ジュニアアカデミー」を通して(校長室より)

昨日、本校体育館で「あすチャレ!ジュニアアカデミ-」を実施しました。
「あすチャレ!ジュニアアカデミ-」は、日本財団パラスポーツサポートセンターが実施する小・中・高・特別支援学校向け教育プログラムで、パラアスリートから共生社会を学ぶワークショップ型授業です。

今回は、講師として車いすバスケットボールの伊吹祐輔様にお越しいただき、授業を行っていただきました。
実体験に基づくお話はとても分かりやすく、アクティビティも交えながら生徒とのコミィケーションも十分に取っていただいたことで、2時間近い時間があっという間に過ぎてしまいました。

昨年、東京パラリンピックが開催されたのに続き、今年は栃木県で「いちご一会とちぎ大会」(全国障害者スポーツ大会)が開催されたことで、パラアスリートの方々を身近に感じることができ、障がい者理解と共生社会の実現に向けて機運が高まってきています。

現在、学校では、障がいのある子供と障がいのない子供が、できる限り同じ場で共に学ぶことを目指すインクルーシブ教育を推進しており、そのために必要な合理的配慮も提供しています。
様々な障がいを乗り越え、最後まで諦めない懸命のプレーが多くの感動を生むパラスポーツ。
その競技者の一人である伊吹様からのお話は、非常に価値あるものとなりました。

「子供が変わると大人が変わる 大人が変わると社会が変わる」
講師の伊吹祐輔様の言葉です。
共生社会の実現に向けて、子供たちに負けないよう、私たち大人も頑張らなければなりません。

本校では、今後もインクルーシブ教育の推進と特別支援教育の充実に力を入れて取り組み、多様な人々が共に生きる共生社会の実現に向けた確かな一歩を踏み出していきたいと考えています。

追記:12月3日(土)~9日(金)は、障がい者への理解を深めるとともに、これまで以上に社会、経済、文化、その他のあらゆる分野における障がい者の参加意欲を高めることを目的とした「障害者週間」です。
この機会に、市役所1階の市民ロビーで開催されている、市内の障がい者支援施設等による販売コーナー「ひるともマルシェ」 も是非御利用ください。

 

COP27閉幕、残された課題(校長室より)

一昨日、11月20日(日)に、予定の会期を2日間延長した「COP27」が閉幕しました。
COPは、「Conference of the Parties」の略で、日本語では「国連気候変動枠組条約の締約国会議」と呼ばれています。
今回はエジプトで開催されましたが、第27回目の会議であることから「COP27(コップ27)」と略されています。

気候変動により生じた発展途上国の「損失と被害」に対する支援基金を創設することで合意しましたが、採択文書には温室効果ガス削減対策を加速させるための具体的な数値目標や化石燃料の廃止につながる内容は盛り込まれず、世界的に気候危機が顕在化する中で開催された会議は重い課題を残したままとなりました。

日本は、3大会連続で「化石賞」を受賞するという不名誉な記録を作ってしまいました。
「化石賞」とは、環境NGO「CAN」が、気候変動対策に対して足を引っ張った国に与える賞のことで、気候変動への取り組みが後退していることを「化石」と表現して皮肉ったもので、受賞すること自体とても不名誉なことです。
理由は、日本が化石燃料に対する世界最大の公的資金を拠出している国だからです。

2015年にパリで開かれた「COP21」で、「世界の平均気温上昇を2030年までに産業革命以前に比べて、2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える」という目標が採択されました。
これは「パリ協定」としてよく知られています。
しかし、現在の平均気温は、産業革命前に比べて「1.15℃」まで上昇しており、地球温暖化が加速しています。

実際に、スイスの氷河の体積は2021~2022年で3分の1以上が失われ、海面は1㎝も上昇しています。
地球温暖化が進むと、干ばつや大雨などの異常気象の頻度が高まり、実際、東アフリカでは今年、過去40年で最悪の干ばつが発生、パキスタンでは国土の3分の1が冠水する大洪水が起きました。

地球温暖化に関しては、待ったなしの状況です。
国家間の枠組みづくりはもちろん大切ですが、一人一人の心掛けも同様に重要となります。
本校では、「西中SDGs宣言」を発出し、環境問題に関する一人一人の取組を加速していきます。

おめでとうございます。(校長室より)

本日、11月15日(火)に真岡市教育祭と芳賀郡市教育祭が開催されました。

本校からも真岡市教育祭で3名の生徒が、そして芳賀郡市教育祭で1名の生徒が、日頃の努力が認められ、栄えある受賞となりました。
また、学校歯科医様、PTA会長様、本校教職員も受賞されました。
本当におめでとうございます。

西輝が丘祭などの大きな行事を通して、各学年とも大きく成長していますが、西中の主役は、やっぱり3年生です。
卒業まで4か月を切りましたが、誉れ高き賞をいただいた4名を中心に西中を大いに盛り上げてほしいと思います。
3年生の、更なる活躍を期待しています。
頑張ってください。

11月校長講話「ハンセン病患者及び元患者の問題について」(校長室より)

本日、11月の校長講話を行いました。
感染防止対策のために、今回も校長室からのオンライン配信の形で行いました。
一刻も早くコロナ禍が収束し、全校生徒が一堂に会することができる「当たり前の日常」が戻ってくることを、切に願っています。

講話の前半は、西輝が丘祭の成功や運動・文化面での活躍などを振り返り、更なる飛躍をお願いしました。
後半は、1か月後に迫った「人権週間」に向けて、様々な人権問題の中から「ハンセン病患者及び元患者」の話を取り上げ意識づけを図りました。主な内容は以下の通りです。


来月12月4日(日)から10日(土)までの1週間は、人権週間である。
1948年(昭和23年)12月10日の国連総会で、「すべての人間は生まれながらにして自由であり、尊厳と権利とについて平等であること」などを示した「世界人権宣言」が採択され、そのことを記念して、日本では12月10日を最終日とする1週間を人権週間と定め、人権尊重思想の普及高揚に努めてきた。
しかし、現在も依然として多くの人権問題があり、偏見や差別に苦しんでいる人が大勢いる。
今回は、様々な人権問題の中から「ハンセン病患者及び元患者」の問題を取り上げる。
【ハンセン病について】
ハンセン病は、らい菌という細菌による感染症で、治療法がなかった時代には、病気の進行により運動麻痺や知覚麻痺、視覚障害、体の一部の変形などの症状が出ることがあった。
しかし、現在では治療法も確立し、早期発見と適切な治療により後遺症も残らない。

【ハンセン病への偏見や差別】
医療や病気への理解が乏しい時代には、その外見や感染への恐怖心などから、ハンセン病患者への過剰な偏見や差別があった。
しかし、現在でも、ハンセン病に対する正しい知識と理解はいまだ十分とは言えず、ハンセン病の患者・元患者やその家族が、周囲の人々の誤った知識や偏見等によって、日常生活、職場、医療現場等で差別やプライバシー侵害等を受けている。
【ハンセン病の悲しい歴史】
19世紀後半、ハンセン病はコレラやペストなどと同じようにとても恐ろしい伝染病であると考えられていた。
1931年(昭和6年)に全てのハンセン病患者の隔離を目指した「癩(らい)予防法」が成立し、国を挙げての隔離政策が進められた。
いったん療養所に入所すると一生そこから出られないだけでなく、遺骨すらも実家のお墓に入ることがかなわず、療養所の納骨堂に納められた。
その後、医学の発展に伴い1946年(昭和21年)には特効薬も完成し、ハンセン病は治る病気となったにも関わらず、1953年(昭和28年)に新たな「らい予防法」が定められ、患者の強制収容が続けられた。
国の誤った強制隔離政策である「らい予防法」は、1996年にようやく廃止された。
しかし、療養所から自由に出られるようになっても、入所時に家族に迷惑が及ぶことを心配して本名や戸籍を捨てたことや、根強く残る偏見や差別などにより、故郷に帰れない人が数多くいる。

 

人権は、だれにとっても身近で大切なものであり、必ず守られるべきものである。
しかし、私たちの心の中には、自分とは違う一面を持つ人を差別する気持ちが入り込んでくることがあり、その弱い気持ちに負けないためには、人権感覚を磨き続けなければならない。

自分の心に偏見の芽はないか、みんなと違うという理由だけで排除や差別をしていないか、弱い立場の人をいじめていないかなど、常に自分自身を厳しく見つめることが大切である。

世界大戦など20世紀までの反省の上に立ち、21世紀を全ての人の人権が尊重され、幸福が実現する時代にしたいとの願いを込めて「21世紀は『人権の世紀』である」とされてきた。
しかし、国家間の戦争や繰り返されるテロ、未だに解決されない様々な人権問題など、人権の世紀が実現したとは言い難い現状がある。
我々大人はもちろん、これから21世紀を支えていく皆さんも一緒になって人権感覚を磨き、21世紀を全ての人の人権が尊重され、幸福が実現する時代にしていこう。