校長の部屋

2020年6月の記事一覧

当たり前のことが笑顔でできる小学生

「校長先生、いつもありがとうございます。」

休み時間のチャイムに気づかず、草刈り機で校庭の雑草を刈払いをしていました。小石が飛ぶと危険なので、子供たちの気配に、「しまった」と思いながら機械のスイッチを急いで切ると、中学年ぐらいの女の子が近寄ってきてかけてくれた言葉です。思わず気持ちがほっこりして、「こちらこそ、ありがとう。うれしいよ。」と答えました。と同時に、この子の家庭では「ありがとう」が自然に交わされているんだろうな、この子は幸せな毎日を過ごしているんだろうな、この子はクラスで明るさや優しさを友達に振りまいているんだろうな、と感じました。

今年度から、新学習指導要領が全面実施となり、学校教育では子供たちの「生きる力」の醸成に努めているところです。そのために学力向上はもちろん、その学びの基盤となる「自分と向き合う力」や「自分を高める力」、さらには「他者とつながる力」を育てなければなりません。これらは、個々の人間性や社会性になります。学力ではかることができない、でもとても大切な力です。我々は、将来子供たち一人一人が、幸せで豊かな人生が送れるように育てていかなければなりません。

女の子の言葉は、今の自分に幸せを感じ、他者の気持ちに寄り添って考え判断し、自然に出たのだと思います。人間性や社会性がすくすくと育っている証拠です。一つの例を挙げましたが、自分から笑顔で挨拶ができる子、世話になったら自然にお礼が言える子が中村小にはたくさんいます。芯は強くて、優しくて、思いやりに満ちた子供たちの、笑顔溢れる中村小を目指していきたいと思います。