校長室から

2021年6月の記事一覧

コラム③ 子育てについて考える

笑いあり、涙あり、感動あり、悩みあり… 子育ては、波乱万丈な長編ドラマのようです。そして、この年になって感じるのは、子どもと親はWIN- WIN の関係なのだという事です。自分の人生が、我が子のおかげでどれだけ豊かになったことか、我が子の存在に感謝するのはもちろんのこと、子育てに関わってくださったすべての方に感謝したい気持ちです。子育ては、何度も壁にぶつかり、心が折れそうになる事もしょっちゅうで、順風満帆にはいきません。我が子が成人した後も自分の子育ては後悔ばかりです。それでも立派に育ってくれた我が子に感謝したり、周りに感謝したり、自分の苦労をねぎらったりしながら、自分自身の子育て長編ドラマを振り返ってみるのも感慨深いものがあります。

 子育ての目標は、「立派に社会の中で生きていける大人にすること」、つまり「自立」させることです。

子どもは手をかけなくても「自立」するための行動が見られます。いろいろなことに興味をもち出し、自分でやりたいと思うようになる乳幼児期の行動は、本当に何をやってもかわいいものです。でも、何をしでかすか分からない危なっかしさで毎日ハラハラです。そして、そのハラハラは形を変えながらずっと続いていきます。「大人として『自立』させる」という課題に向かってどんな舵取りをしていくか、波乱万丈な長編ドラマをつくり上げていくための試行錯誤の毎日です。

 子育ては社会全体が役割分担を担いながら進めていくものです。教育システム、社会の制度やサービス、人とのつながりなど、我が子を自立した大人にしていくために、どんどんお世話になると良いと思います。そしてお世話になったことを感謝し、我が子と一緒に感謝の心を味わうのです。

 立派な大人に成長した我が子の姿を着地点にし、そこに向かって努力している親としての自分を大いに褒めたり励ましたりしながら、壮大なドラマを描き上げていくことで、困難に突き当たった時でも少しは心が軽くなるのではないでしょうか。子育てに奮闘している方々に、小さなエールをお届けできたら幸いです。