校長室から

2021年7月の記事一覧

コラム⑤  夏休みの思い出

 昔々の話でちょっと恥ずかしいのですが、載せさせていただきました。

 私が小学校1年生の頃、奇跡的に県の理科展で金賞を取った経験があります。題名は「あさがおの観察」でした。

 1学期に学校で育てたあさがおを夏休みに持ち帰り、家で観察するのが宿題でした。当時は毎朝育成会でラジオ体操を行っていたのですが、ラジオ体操終了後、あさがおの観察を行うのが日課となりました。観察する「葉っぱ」を2枚決めて、日記に葉っぱを当て、葉っぱの縁を鉛筆でなぞりながら、毎日鉛筆描きの葉っぱをためていきました。「葉っぱ」を描き終わると母に「かけたよ~」と見せに行き「上手に描けたね~。じゃあご飯にしよう!」きれいにあさがおが咲いたときには、クレヨンであさがおの絵を描いて褒めてもらったり、夕方しぼんでしまったあさがおを見てはしょんぼりしながら絵を描いて励ましてもらったり・・・「母に褒めてもらうためのあさがおの観察」、本校1年生のあさがおを育てる姿から、ぼんやりしていた私の記憶が映像として戻ってきました。

 「あさがおの葉っぱを絵日記に描くと母に褒められておいしい朝ご飯が食べられる」これがルーティーンになり、

42日間のあさがおの観察の宿題が無事に終了、母の罠にまんまとはまりました。担任の先生が理科展に出してくれ、生まれて初めて全校生の前で表彰していただいたときには緊張して心臓がドキドキでした。「継続は力なり」、たった42日間の継続ですが、小1の私には大きな自信になりました。

 自分の幼かった頃の記憶はぼんやりとしか覚えていませんが、今かわいい亀小の子どもたちを見ていると自分もたくさんの方々にかわいがってもらったんだと、今更ながら改めて気づきます。怒られてばっかりのだめ子どもだった自分の記憶、「宿題やったの?」「明日の準備したの?」「何でできないの?」「○○ちゃんはできるのに何であなたはやらないの?」そんな言葉ばかりしか覚えていないのですが、きっと嫌だったりつらかったりする記憶の方がいつまでも残っているのかも知れません。本校に勤務したおかげで、ほっこりとしたかすかな記憶と再会することができ、自分の心を癒してくれています。

 長い夏休み、お子さんの自信を深めるために何か仕掛けてみてはいかがでしょうか。

コラム④「親子の適度な距離感」について考える

 

 親子は、「付かず離れず『適度な距離感』を持つことが大事」ということは分かっていても、実践はとても難しいものです。親が「適度」と思っていても、子どもは離れすぎてしまって寂しいと思っていたり、逆に近すぎてうっとうしく思っていたりして、うまくいかないこともしばしばです。しかし、親子というものは、最初から適度な距離感を持っているものではありません。それは、何度もずれながらも、互いに歩み寄ったり離れたりして、試行錯誤しながら作りあげていくものなのです。親が子どもとの適度な距離感を作りあげていこうと思う時、まずは子どもを理解することが大切です。発達段階によって特徴が違うので、関わり方もアップデートしていく必要があります。(月間『倫風』「親子の“距離感”幼児期から小学校低学年まで 岩立京子」より抜粋)

 子どもの安全基地は何といっても親であり、家族です。親子の信頼関係の深まりは、まさにこの“距離感”を親子で模索していくことで得られていくのではないでしょうか。子どもにとって安心できる安全基地があると、様々な困難を頑張って乗り越えようとする力が強くなっていきます。スキンシップを大切にし、子どもの感情に共感し、受容しながら、壁にぶつかった時には子どもと一緒に解決していく、そんな日常的に行われている関わりによって、子どもは自立へと向かえるように成長していきます。

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