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校長室より

10月の校長講話(読書のすすめ)

昨日、10月13日(水)に久しぶりに校長講話を行いました。
コロナ禍により、今回も校長室からのオンライン配信とせざるを得ませんでした。
10月15日からは、警戒度レベルが県版ステージ2に下がりますので、体育館での全校朝会が実施できるのではないかと考えています。
生徒の皆さんの前で、直接お話できるのを楽しみにしています。

校長講話では、次のことを話しました。
1 引き続き感染防止対策を徹底してほしい。
2 吹奏楽部及び特設合唱部の活躍、特設駅伝部への期待
3 西輝が丘祭・合唱コンクールへのエール
4 読書のすすめ

4の「読書のすすめ」の主な内容は、以下のとおりです。



10月10日の新聞に、子供たちの読書離れについての記事があった。
それによると月に一冊も本を読まない割合が、何と中学生は15.2%となっている。

なぜ読書は必要なのか。それは、読書をすることで、読解力や想像力,思考力,表現力等を養うとともに、多くの知識を得たり、多様な文化を理解したりすることができるようになるからである。

もう少しイメージしやすい言葉で表現すると、読書によって自分の知らないことが明らかになり、世界が広がる。
そのことが、豊かな人生を送る上でとても大切になる。

成人して自分で働くようになれば、基本的には自由であり、どう生きるかは自分で決める必要がある。
生き方を決めるときには、大きな地図(知っている世界の広さ)と正確な羅針盤(進むべき方向を示すもの)が必要になる。
読書をすることで、地図の大きさはどんどん広がり、羅針盤はより正確なものとなっていく。

そして、最も大切なことは、その年代のときにしか得られない感動、深い気付きがあるということ。
中学や高校時代に感銘を受けた本を、大人になってから読み返しても、若いときのような感動がなく、さらりと流れてしまうことが多い。
読書は後で、大人になってからすればよいというのは大間違い。今だからこそ読むべき。

中学生におすすめの本を3冊ほど紹介する。

1冊目:辻村深月さんの『かがみの孤城』
学校に行けない7人の子供たちの再起の物語、全てがつながるラストは、明日への希望満載。生きづらさを感じている人への素敵なプレゼント!

2冊目:ダニエル・キイスさんの『アルジャーノンに花束を』
幼児並みの知能しか持たなかったチャーリィは手術により知能を向上させる。今まで知らなかった愛や憎しみ、喜びや孤独を知った先にあるのは果たして…。涙なしには読めない名作。

3冊目:寺地はるなさんの『水を縫う』
主人公である手芸好きの男子高校生のまわりの人間模様から、「普通」を押し付けられることの違和感が描かれている。そもそも普通とは何なのか。世の中の普通を踏み越えていく、清々しい家族小説。

秋の夜長、是非、家族みんなで良書に親しんでほしい。

祝!真鍋淑郎氏 日本人28人目のノーベル賞決定!

既にご存じのこととは思いますが、真鍋淑郎氏のノーベル物理学賞の受賞が決定しました。
日本人として28人目の受賞ということで、うれしい限りです。

受賞理由は、「球温暖化を予測する地球気候モデルの開発」です。
二酸化炭素の大気中濃度の変動が、気温に影響を及ぼし得るという事実は、19世紀から認識されていました。
しかし、地球の気温は太陽から受け取る熱、放出される熱の収支のほか、大気や海、陸地の間の熱のやりとりが複雑に絡み合い、科学的な分析や議論ができる状況にはありませんでした。

真鍋氏は1960年代、計算対象を高さ40キロの柱状の空間に限定した「1次元モデル」を構築。
複雑な事象を適切に単純化することで、コンピューターの性能が現在とは比較にならないほど貧弱だった時代に、二酸化炭素の影響を実証する手法を確立。
二酸化炭素濃度が2倍になると、地球の気温が2度以上上昇するとの計算結果を発表しました。

現在はコンピューターの性能向上により、モデルも3次元に拡張されるなどシミュレーションも高度化されています。
スウェーデン王立科学アカデミーは授賞理由の解説で「地球の気候に関する知識に確かな基盤を提供した。人類に最大の利益をもたらすことに貢献した。」と賛辞を贈っています。

二酸化炭素濃度の上昇に伴う地球温暖化対策は、国際社会の喫緊の課題となっています。
間氷期には約280ppmでほぼ一定だった二酸化炭素濃度は、産業革命以降増え続け、2018年には400ppmに達しています。
急激な二酸化炭素濃度上昇と連動するように地球の平均気温は上昇し、2017年時点で産業革命前より1℃上昇、2040年頃には、1.5℃程度の上昇になると言われています。
このまま温暖化が進行すると、極域にある巨大氷床の融解が進み、海面が今より10~60m上昇する可能性があります。
仮に海面が60m上昇すると海岸線が真岡市付近まで来るなど、関東平野はその大部分が水没してしまいます。

私たち大人はもちろんですが、未来を生きる生徒たちにも、この問題を自分自身の問題として意識してもらう必要があります。
新学習指導要領においても、ESD(持続可能な開発のための教育)が、指導要領全体の基盤となる理念として組み込まれています。
本校でも、各教科等の授業や総合的な学習の時間などを通して、SDGsの推進と併せて、様々な環境問題について自分に何ができるかを考えさせるとともに、どのような方法で環境問題に関する国際貢献ができるのかを考えさせていきたいと思います。

読書の秋(おすすめの30冊)

季節は秋本番、過ごしやすく何をするにもよい季節となりました。
そのため、秋には「スポーツの秋」、「芸術の秋」など様々な言葉があてられていますが、今回は「読書の秋」に注目してみたいと思います。
読書は、言葉を学び、感性を磨き、表現力を高め、創造力を豊かなものにし、人生をより深く生きる力を身に付けていく上で欠くことのできないものです。

本校でも、学校図書館司書さんが中心となって、図書室に季節や時の話題に応じた特設コーナーを設けたり、定期的に新刊図書を紹介したりするなど、読書活動の推進に努めています。
現在の特設コーナーは、「中学生に読んでほしい30冊」です。
某出版社の企画ですが、良書が多いため、本校でも生徒に勧めています。
以下にその30冊を示しますので、是非「読書の秋」を満喫してみてください。
思春期で多感な中学生の今だからこそ、感じ取れることがあるはずです。

夏の庭 ーThe Friends-  湯本香樹実
海辺のカフカ(上・下)  村上春樹
十五少年漂流記  ジュール・ヴェルヌ(訳 波多野完治)
赤毛のアン  L・M・モンゴメリ(訳 村岡花子)
博士の愛した数式  小川洋子
潮騒  三島由紀夫
さがしもの  角田光代
車輪の下  ヘルマン・ヘッセ(訳 高橋健二)
ペスト  アルベール・カミュ(訳 宮崎嶺雄)
伊豆の踊子  川端康成

楽隊のうさぎ  中沢けい
吾輩も猫である  赤川次郎ほか
あしながおじさん  ジーン・ウェブスター(訳 岩本正恵)
坊っちゃん  夏目漱石
きみの友だち  重松清
今夜、もし僕が死ななければ  浅原ナオト
あと少し、もう少し  瀬尾まいこ
夜のピクニック  恩田陸
注文の多い料理店  宮沢賢治
精霊の守り人  上橋菜穂子

ツナグ  辻村深月
風が強く吹いている  三浦しをん
鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。  川上和人
世界のへんな肉  白石あづさ
悪魔のいる天国  星新一
アメリカひじき・火垂るの墓  野坂昭如
蜘蛛の糸・杜子春  芥川龍之介
走れメロス  太宰治
西の魔女が死んだ  梨木香歩
星の王子様  サン=テグジュペリ(訳 河野万里子)

 

 

中秋の名月(写真付き)

昨日、9月21日は、「中秋の名月」でした。
中秋の名月とは、旧暦(太陰太陽暦)の8月15日の夜に見える月のことを指します。
中秋の名月は、必ず満月になるわけではなく、今年は8年ぶりに満月になりました。

古来、日本では「春は花、秋は月」を愛で、季節を楽しんできました。
月見は「中秋の名月」を鑑賞する伝統的な行事です。
澄み渡る秋の夜空に昇る月に、人々は収穫の感謝を込めて祈り、来年の豊作を願いました。

生徒の皆さんの中にも、きれいな満月を見た人が多いと思います。
空気の散乱により、月は低いところでは赤やオレンジ色、高くなるにつれて黄色っぽくなり、やがて白っぽく見えるようになります。
確かに昨日、仕事を終えて帰宅途中に見た月は、東の空の低いところにあり、オレンジ色に輝いていました。

一時、雲に隠れたましたが、22時ごろ確認したところ、澄んだ夜空にきれいな満月が輝いていました。
あまりにきれいだったため、写真に収めました。
昨日、見逃した人はこちらでお楽しみください。

 

敬老の日に寄せて

昨日、9月20日(月)は、敬老の日でした。
敬老の日の由来となったのは、兵庫県多可郡野間谷村で行われていた「としよりの日」だととされています。
「としよりの日」は、お年寄りを敬い、その知恵を借りて村を作るために提唱されたのだそうです。
1947年に始まった「としよりの日」という行事は、兵庫県全体に広まったのち、次第に全国で行われるようになりました。
その後「としより」という表現を改めて、1963年に老人福祉法で「老人の日」として制定されました。
そして1966年には、現在の「敬老の日」として国民の休日に制定され、お年寄りを敬愛し長寿をお祝いする日となりました。
敬老の日は、2002年までは毎年9月15日でした。
「ハッピーマンデー制度」の導入により、9月15日だった敬老の日は「9月の第3月曜日」に変更されました。

昨日は、生徒の皆さんの中でも、おじいちゃんやおばあちゃんのお祝いを一緒に行った人が多いと思います。
総務省の統計によると、65歳以上の高齢者は3640万人で、日本の全人口の約3割に当たります。
敬老の日がスタートした1966年当時の高齢者は600万人台でしたので、短期間で一気に増加したことが分かります。
今後、ますます高齢化は進んでいくことでしょう。
高齢者が住みよい世の中にしていくためには、どうすればよいか。
これからの日本を支える中学生だからこそ、真剣に考えてほしいと思います。