校長室から

2021年12月の記事一覧

2学期終業式講話

                                              2学期を振り返って

 2学期も新型コロナウイルス感染症の影響により、多くの制約がある中、学校生活を送ることになりましたが、コロナ禍だからこそ皆さんは、色々な場面で知恵を出し合い、話し合いコロナに負けない頑張りを発揮してくれました。
 この2学期を学年ごとに振り返って見ます。
 まず1年生、今学期は皆さんの学級で何度も研究授業をさせてもらいました。先生方の指導力を磨くため、外部の先生に授業を観てもらい指導を受け、皆さんの学力を向上させるために行いました。授業参観の中で、真岡市の田上教育長さんが「授業に取り組む姿勢や活発に発言するなど、良い生徒たちですね。」と言葉をかけられた時は、とてもうれしく思いました。ぜひ、この姿勢は3年間継続してください。中学校で経験した行事はどうでしたか。先輩たちの企画力・行動力に驚いた人もいたかと思います。しかし、頼りになった先輩たちも、いずれは卒業します。少しでも早く先輩たちに追いつき、追い越せるよう、その背中をしっかりと見つめ、努力してください。
 次に2年生、運動部は夏に3年生から部活動を引き継ぎ、各部とも暑い中、新人大会向けて練習に励んでいたところ緊急事態宣言が出され新人大会が中止となり、目標を失いかけながらも下級生を引っ張り、毎日の練習に励んでいた姿は立派でした。吹奏楽部も桜乱祭後、練習時間が少ない中でも12月5日の県南地区アンサンブルコンテストに参加しステージに立つ皆さんの姿は輝いていました。今後一層の成長と活躍を楽しみにしています。
 12月の生徒会役員選挙で令和4年度の新生徒会役員が決まりました。来年1月から動き始めます。現生徒会を手本に、令和4年4月から本格的にスタートができる準備をお願いします。
 また、マイ・チャレンジも中止となってしましたが、来年2月4日の立志式をよい機会として、将来の自分を具体的にイメージしてほしいと思います。
 最後に3年生、皆さんには感謝の気持ちしかありません。緊急事態宣言が出され、9月いっぱい行事が持てず、運動会と桜町祭を合同での開催、準備期間が少なく2つの大きな行事を、実行委員と生徒会を中心に話し合いを何度も繰り返して「桜乱祭」という形で成功させてくれたことは、閉会式で斎藤実行委員長が各係に向けて「ありがとう」という言葉に集約されていました。各係で中心となってくれた3年生、本当にありがとうございました。
 そして、いよいよ受験が間近に迫ってきました。この冬休みの1月5日から9日までと、3学期に入っての15日に私立高校の受験があります。体調管理に十分留意し、私立志望校に受験者全員が「合格」の二文字を得られるよう、全力で学習に取り組んでほしいと思います。頑張ってください。
 いよいよ明日から冬休みに入ります。夏休みより休業期間は短いですが、夏休み以上に、この冬休みは大切な休みです。それは、皆さんも分かるように2021年から、2022年という新しい年を迎えることです。
 2021年は1年延期された東京オリンピック、パラリンピックが無観客で開かれ、テレビ画面等を通して、選手たちが多くの感動を与えてくれました。また毎年、京都の清水寺で開催される、今年の漢字一文字は「金」が選ばれ、2位は五輪の「輪」が選ばれています。スポーツで盛り上がりを見せた1年でしたが、新型コロナウイルス感染症が猛威を振るい、日本を含め世界各国で尊い命が奪われたり、地震・竜巻・台風・大雨等の自然災害で命や家屋等を失う被害が多かった年でもありました。

 さて、皆さんは2021年はどんな1年でしたか。ぜひ31日までに、この1年を振り返って下さい。
 そして、2022年という新しい年を皆さんはどんな年にしたいですか。
「一年の計は元旦にあり」ということわざがあります。1年の計画は元旦(1日)立てるべきである。物事は、最初が肝心であるというたとえです。1日にとは言いません。この冬休みに計画や目標を立ててみてください。
 コロナ禍の冬休み、感染対策をしっかり取り時間を大切にして、自分自身としっかりと向き合い、ひと回りもふた回りも成長した皆さんと、来年1月11日の始業式で再会できることを楽しみにしています。それでは、来る2022年寅年の令和4年が、皆さんにとってすばらしい年になることを祈念して、挨拶とします。

 どうぞ、よいお年をお迎えください。

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12月講話

                                              『人権週間に学ぶ』
                                                         
 12月4日(土)から10日(金)までの一週間は、人権週間です。世界人権宣言の採択を記念して、日本では12月10日を最終日とする一週間を人権週間と定め、世界人権宣言の趣旨及びその重要性を広く国民に訴えかけるとともに、人権尊重思想の普及高揚に努めています。世界人権宣言は、1948年(昭和23年)12月10日の国連総会で採択されたもので、「すべての人間は生まれながらにして自由であり、尊厳と権利とについて平等であること」などが示されています。物部中学校でも、人権意識の高揚を最重要課題の一つと捉え、12月10日(金)に人権集会が開かれます。宇都宮地方法務局真岡人権擁護委員さんから人権に関わる話を聞く予定です。
 人権とは、「人間が生まれながらに持っているあたりまえの権利」であり、その中でも「自分の大切さとともに他の人の大切さを認めること」「命を大切にすること」「みんなと仲良くすること」を心がけてもらいたいと思います。
 現在も依然として多くの人権問題があり、偏見や差別に苦しんでいる人が大勢います。これは様々な人権問題です。今日は、この中から「インターネットによる人権侵害」について説明したいと思います。このポスターを見て下さい。「心ない書き込みで 傷ついている人がいます」なぜ、このようなポスターが作られたのか。それは、自分の名前を明らかにせず、不特定多数の人に自由に情報を公開できる特性が悪用され、悪口が書き込まれたり、プライバシーが侵害されたりするなどの問題が生じたからです。皆さんだったら、このポスターを見てどう思いますか。後でアンケートに答えて下さい。
 次は、SDGsと人権のつながりです。今年度、皆さんはSDGsについて学習を深めてきました。皆さんの中にもSDGsと人権の関わりについて学習を進めていた人もいます。この目標をよく見ると、目標5「ジェンダー平等を実現しよう」目標10「人や国の不平等をなくそう」など目標じたいが人権問題を指す文言になっています。その他の目標も人権とのつながりが深いものもあります。
 今、私たちができることは、「自分の心に偏見の芽がはないか」「みんなと違うという理由だけで排除や差別をしていないか」「弱い立場の人をいじめていないか」この3つの点を見つめ直してください。そして、常に自分自身を厳しく見つめることが大切かと思います。
 これから21世紀を支えていく皆さんは、人権感覚を磨き、全ての人の人権が尊重され、幸福が実現する時代にしていくことを願っています。
                                              「様々な人権問題」
1 同和問題
 日本社会の歴史の過程で形づくられた身分差別により、同和地区と呼ばれる特定の地域出身であることやそこに住んでいることを理由に、長年にわたり差別を受けてきた人々が、今も結婚や就職の際に差別を受ける問題がある。
2 子ども
 学校では、いじめや暴力、不登校、教師による体罰などの問題があり、家庭では、親から虐待を受けるなどの問題がある。日本は1994年に「児童の権利に関する条約(子どもの権利条約)」を批准し、子どもの生命と人権を守ることに取り組んでいる。
3 高齢者
 身体や精神面のおとろえを理由に、高齢者をのけ者にしたり、邪魔者扱いしたりするなどの問題がある。また、就職に際して差別されたり介護の際に身体的・心理的虐待が行われたりする問題などもある。
4 障害者
 障害があることを理由に、就職に際して差別される問題やアパート・マンションなどへの入居を拒否される問題、施設における虐待などの問題がある。
5 女性
 「男は仕事、女は家庭」といった男女の役割を決めつける考え方が今も根強くあり、社会生活の様々な場面で、女性が不利益を受けるなどの問題がある。また、セクシュアル・ハラスメント(性的嫌がらせ)や夫・交際相手などから暴力(DV、デートDV)を受けるなどの問題もある。
6 外国人
 言葉や生活習慣等の違いから、入居や入店を拒否されたり、就職に際して差別されたりするなどの問題がある。また、一部の国や民族あるいは特定の国籍の外国人に向けて憎しみをあおるような差別的言動(ヘイトスピーチ)が行われるなどの問題もある。
7 HIV感染者・ハンセン病患者及び元患者
 不正確な知識や思いこみによってHIV感染者やハンセン病患者等への偏見や差別意識が生まれ、患者・元患者やその家族が日常生活や職場などで差別を受けるなどの問題がある。 現在、新型コロナウイルス感染症が世界的に拡大する中、感染者やその家族、医療従事者などが差別されるケースも発生している。
8 インターネットによる人権侵害
 自分の名前を明らかにせず、不特定多数の人に自由に情報を公開できる特性が悪用され、悪口が書き込まれたり、プライバシーが侵害されたりするなどの問題がある。
9 災害に伴う人権問題
 福島第一原子力発電所の事故では、被災者に対する偏見や差別、避難した子どもたちへのいじめなどの問題が発生した。また、災害発生時の避難所では、プライバシーの確保の問題や高齢者や障害者などがより一層厳しい状況に置かれるという問題がある。
10 性的指向・性同一性障害(LGBT)にかかわる人権問題
 性的指向とは、恋愛の対象がどこに向かうかをいい、異性以外にも同性や両性に向かうなど人によって様々である。また、「体の性」と「心の性」が一致しない性同一性障害のある人もいる。こうしたことへの理解の不足から偏見の目で見られたり、差別を受けたりするなどの問題がある。
 これ以外にも、「犯罪被害者とその家族」、「アイヌの人々」、「刑を終えて出所した人」、「ホームレス等生活困窮者にかかわる人権問題」、「北朝鮮当局による拉致問題」「新型コロナウイルス感染症の、感染者やその家族、医療従事者などへの差別」など、様々な人権問題があります。

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10月講話

                                          「 読 書 の 秋」

 来週は、桜乱祭(おうらんさい)です。桜乱祭のスローガンは「前進~いまだからできること~」に決定しましたね。今年はコロナ禍で運動会と桜町祭を合体したイベント開催となりました。実行委員会を中心に、イベント名、スローガンを募集し生徒全員で考え、決定したものです。ぜひ、皆さんのパワーを集結し、様々な取組に主体的に関わり、「一人一人が主役の新たな可能性を発揮できる桜乱祭」にしていきましょう。期待しています。
 さて、いよいよ秋本番ですね。秋は、過ごしやすく何をするにもよい季節です。そのため、「スポーツの秋」、「芸術の秋」など様々な言葉が当てられていますが、今日は「読書の秋」ということで、読書について話をしたいと思います。
 2020年1月~2月に実施した本県の読書活動に関する実態調査の結果から話をします。小学校20校の5年生691名、中学校20校の2年生706名、高等学校20校の2年生2208名の児童・生徒を対象としたものです。
 まず、「1か月の平均の読書量(まんがや雑誌を除く)」です。小学生6.97冊、中学生3.46冊、高校生1.63冊の結果がでました。学齢が上がるにつれて、不読者が多くなっています。1か月0冊は高校生が調査人数の約5割の生徒に見られました。10冊以上は小学生の約2割に見られました。
 次に「本を読まない理由」について、中学生だけで見ると、1位が「テレビ・DVD・動画(YouTubeなど)を見るのに時間を使う」、2位「ゲーム(家庭用ゲーム機・スマートフォン等)に時間を使う」、3位「特に読みたい本がない」との結果が出ています。
 ここでなぜ、読書は必要なのか。それは、読書をすることで、読解力や想像力、思考力、表現力等を養うとともに、多くの知識を得たり、多様な文化を理解したりすることができるようになるからです。また、文学作品に加え、自然科学・社会科学関係の書籍や新聞、図鑑等の資料を読み深めることを通じて、自ら学ぶ楽しさや知る喜びを体得し、更なる探究心や真理を求める態度が培われるからです。
 読書は後で、大人になってからすればよいというのは大間違いです。最も大切なことは、感受性が豊かな中学時代や高校時代にしか得られない感動、深い気付きがあるからこそ本を読むべきです。
 「『家読(うちどく)』という活動を知っていますか」という問いに、回答で小学生は5割、中学生3割、高校生2割と学齢が上がるにつれて取組が減少し認知度も下がっています。家読は、家族や身近な人と本を読んで感想を話し合ったり、好きな本をすすめあったり、読書習慣を共有することでコミュニケーションを図り、家族の絆を強める取組です。ぜひ、皆さんも実施してはどうでしょうか。
 【家読(うちどく)のすすめ】
  ・家族や身近な人と同じ本を読む
  ・家読の日、時間を決めてみんなで読む
  ・読んだ本の感想をみんなで話し合う
  ・自分のおすすめの本を教えてあげる
  ・家族や身近な人に本をよんであげる
 本校の藤田学校図書司書さんからのおすすめ本を2冊紹介してもらいました。1冊目は『はじめて学ぶ LGBT 基礎からのトレンドまで』です。内容は、「LGBT」って何だろう?この本を読めば、答えが分かると共に、視野がグッと広がるそうです。漫画で説明がり、重要なところにはラインマーカーでしるしが付いてあり、読みやすいそうです。2冊目は『海の見える理髪店』です。この本は、第155回 植木賞受賞作品です。それぞれの物語が6話集録されており、どの話も最後にジーンとくる家族をテーマにした短編集になっているそうです。
 最後に図書室には沢山の本があります。昼休み等を利用して、本をたくさん読んでください。

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