校長室から

校長室から

しもつかれ

「しもつかれ:神社に供え、近所で分け合う、昔ながらの伝統食」

今日、2月3日(水)の給食に、栃木県の郷土料理である「しもつかれ」が出ました。伝統的な「しもつかれ」は、割とくせのある味ですが、給食では、小中学生にも食べやすいように、かなり工夫されています。
私が子供の頃は当たり前のように2月の初午の日に食卓に並びましたが、今頃はどうなのでしょうか。そういう我が家でも20年ほど見ていません。

「しもつかれ」は初午(はつうま:2月最初の午の日)に、わらをたばねて作った「わらづと」に入れて、赤飯といっしょに稲荷神社にそなえる行事食です。「しもつかれ」という名前の由来には下野(しもつけ:栃木県)だけで作るからという説と、酢むつかり(いった大豆に酢をかけた料理)からきたという説があります。「七軒の家のしもつかれを食べると病気にならない」といわれ、近所の人たちと分け合って食べることが多い郷土料理です。
「しもつかれ」に使うダイコンやニンジンは「鬼おろし」という竹でできた目のあらいおろし器を使います。材料を大きく削ることができるので水分がでにくく、野菜の風味を残すことができます。それぞれの家に昔から受けつがれてきた作り方があり、同じ「しもつかれ」でも、家庭によってずいぶん味がちがうようです。

時代の流れとともに郷土料理が家庭から姿を消しつつある中、学校給食で「しもつかれ」が出ることは本当に有り難いことだと思います。
食べるだけでその当時の記憶がよみがえってくる、そんな郷土料理はこれからも継承していきたいものです。

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新しい時代に必要な力

昨日、1月27日(水)、全校朝会を実施しました。
私からは、「緊急事態宣言発令に伴う新型コロナウイルス防止対策の徹底」、「二十四節気(大寒)と日本人の季節感」、「新しい時代に必要な力」の3点を話しました。
話の中心である「新しい時代に必要な力」の要旨は以下のとおりです。


皆さんが生きる将来の社会は少子高齢化が進行し、現在、総人口の約28%である高齢者の割合が、30年後の2050年には、約40%になる見込みである。
人口自体も、現在の1億2600万人から、2/3の8000万人程度になると考えられている。
社会保障の面からも、1人で1人を支える大変な時代になる。

現在、第四次産業革命が進行していると言われている。
IoT(モノのインターネット)に代表されるように、あらゆるモノや情報がインターネットを通じて繋がり、それらが互いにリアルタイムで情報をやり取りしつつ、人の指示を逐一受けずに判断・機能し、システム全体の効率を高めるとともに新たな製品・サービスを創出していく、超スマート社会、Society5.0と呼ばれる社会である。

そのような時代を生きる皆さんに必要な力は何か。
・時代の変化に合わせて、様々な変化に積極的に向き合い、他者と協働して課題を解決していく力
・グローバル化が進展することから、国籍や人種を問わず、多様性を受け入れ協力して課題を解決する力(英語の学習は、ますます重要)
・対話により、結論を導き出してく力
・AIが苦手な部分として、目的そのもの考える力。そのためには、価値を見付け生み出す感性や好奇心、探求力などが必要。それらはAIによって代替できない、人間の強みである。

新しい時代を生きる皆さんには、教えてもらったことを忠実に再現する力だけでは、不十分で、与えられた課題を独創的な方法で解決する創造力や、課題そのものを自ら見付け改善していくような力が必ず必要になる。

それらを念頭に作られた新しい学習指導要領が、来年度、令和3年度から全面実施となる。
新しい学習指導要領のキーワードの一つに「主体的、対話的で深い学び」があるが、正に、新しい時代に必要な力につながるものだと思う。
皆さんが、変化の激しい30年後の世界でも活躍できるように、先生方と一緒に新しい時代に必要な力をしっかりと身に付けていこう。

 (三菱総合研究所・未来社会構想2050より)

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日日是好日

緊急事態宣言の効果もあってか、新型コロナウイルスの新規感染者数が着実に減ってきています。本県においても、昨日の感染者は18名と、昨年12月21日以来35日ぶりに20名を下回りました。

「日日是好日」という言葉があります。
今から千百年ほど前、中国の唐の国に雲門という禅僧がいました。
ある日、雲門禅師が修行者に、「これまでの15日にどう向き合ったかは聞かない。これからの15日とどう向き合うのか一言で言ってみなさい。」と言いました。
そして、答えられなかった修行者に代わり、雲門禅師は自ら「日日是好日」と答えました。

読み方は、「にちにちこれこうにち」とされていますが、「にちにちこれこうじつ」や「ひびこれこうじつ」などとも読まれます。
文字どおりに解釈すれば、「毎日毎日が良き日だ」となりますが、そこから発展して、「毎日が良き日となるよう努めるべきだ」、「日々について良いの悪いのと考える心を捨て去りなさい」、「どのような日も良い日だと受け止め、自分の生に感謝しなさい」など、禅問答だけに様々な解釈があるようです。

新型コロナウイルスについても、過ぎ去った時間ではなく、これからが大切です。日々の感染者数に一喜一憂せず、「日日是好日」、毎日が良き日になるよう努めていきましょう。
もう少しのがまんです。

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今日は大寒

本日、1月20日(水)は、二十四節気の一つ「大寒」です。
「大寒」とは、冷気が極まって最も寒さがつのる頃を指します。
今日の真岡市の最低気温はマイナス8.4℃、午前4時に記録されました。凍えるような寒さです。

二十四節気は、季節を表す言葉であり、古代中国で誕生しました。
二十四節気は、1年を24分割するのですが、その分け方は、日照時間が最も長い「夏至」と最も短い「冬至」で2分割。昼夜の時間が同じ長さになる「春分」と「秋分」で4分割。それらの間に「立春」「立夏」「立秋」「立冬」を入れて8分割。その8つをさらに3分割して24に分けます。二十四節気は、全て漢字二文字で表され、大寒の次は2月3日の「立春」です。
二十四節気を更に3分割したものが、七十二候となります。

今も昔も、日本人は、季節に寄り添いながら暮らしています。
日本以外にも四季のある国はたくさんありますが、ことさら日本人の季節感は称賛されます。
それは、幼いころから自然に親しみ、繊細な感覚を身に付け、季節を愉しむすべを会得しているからだと思います。
生徒の皆さんも、是非、二十四節気を意識して生活してください。
国際化、グローバル化が加速するこれからの時代だからこそ、日本のよさを感じ、日本人としての自覚を深め、自己がよって立つ基盤にしっかりと根を下ろすことが重要になると思います。

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何も咲かない寒い日は

緊急事態宣言の再発令以降、本校においても徹底した感染防止対策を講じています。
そのため、様々な教育活動が制限され、窮屈さを感じている生徒も多いと思います。
しかし、今こそ日本中が一つになって、新型コロナウイルスの感染拡大防止を図るときです。
不自由さに負けず、頑張りましょう。

「何も咲かない寒い日は 下へ下へと根を伸ばせ やがて大きな花が咲く」

これは、元三洋電機の副社長、後藤清一さんの言葉です。
2000年のシドニーオリンピックで、日本女子陸上界初の金メダリストととなった高橋尚子さんが、高校時代の陸上部の恩師、中澤正仁監督から送られた言葉として、有名になりました。

高校時代の高橋選手は、全国的にはまったく無名の選手で、全国都道府県対抗女子駅伝の岐阜県代表に選ばれるも、区間順位は下から3番目の45位という結果でした。
それでもあきらめず猛練習を続け、見事世界一、オリンピック金メダリストに輝いたのです。

コロナ禍の今は、がまんのときです。
今こそ、下へ下へと根を伸ばすときです。
そして、コロナ禍が去った明日に、大輪の花を咲かせましょう!
物中生の底力を信じています。

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