校長室から

お知らせ

5月の校長講話より

 5月の朝会では、1つの詩を読みました。

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                         はきものをそろえる

 

          はきものをそろえると 心もそろう

          心がそろうと はきものもそろう

         ぬぐときに そろえておくと はくときに 心がみだれない

         だれかが みだしておいたら だまってそろえて おいてあげよう

        そうすればきっと 世界中の人の心も そろうでしょう

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  この詩は、長野市の円福寺というお寺の「藤本幸邦(ふじもとこうほう)」さんという和尚さんがつくった詩です。有名な詩なので、ご存じの方も多いかと思います。

大人になってこの詩に触れると、とても奥が深いものだということが見えてきます。子供たちは深読みはできずとも、発達段階に応じて少しずつ分かることが増えていくと嬉しいです。

 この話のあと、下駄箱の靴がきれいにそろってきました。少し難しい内容だったと思うのですが、きれいにそろった下駄箱に、清々しさとともに子供たちの心の純粋さを感じ、胸が熱くなりました。

                                  R5.5.9

新年度にあたって

 子供たちの笑顔と元気なあいさつで満開、令和5年4月10日、今年度の素敵な初日となりました。

本年度で本校勤務3年目になりました、校長の三田紀代美と申します。本年度も、どうぞよろしくお願いします。

 地域に根ざした亀山小学校が皆様にさらに愛される学校になるため、「笑顔があふれる学校」をめざし、「顔晴(がんば)れる児童と教職員」を合言葉に、心豊かな児童の育成に尽力していく所存です。

 この目標に迫るため、また将来幸せに生き抜いていく大人に育てるため、子供たちには以下のような「人間力を高めるためのプロジェクト」を示しました。 

    トリプルA大作戦

 ありがとう あいさつ あきらめない     

です。

 これは、①感謝の気持ちをもって生活すること、②コミュニケーション力の向上、③粘り強さや折れない心の育成 の3つを強化しようというねらいです。

 各ご家庭でも取り組んでいるあたり前のことなのですが、学校でも具現化して取り組むことで、家庭教育と学校教育の融合が図れると考えています。

 令和の教育の課題は「非認知能力の育成」と言われています。具体的には「やり抜く力」「意欲」「忍耐力」「理性」「自制心」「発想力」「判断力」「リーダーシップ力」「コミュニケーション力」「思いやり」「失敗から学ぶ力」「創造力」「工夫する力」など、テストでは図れない能力のことです。小学校教育では、認知能力と非認知能力の両方を高めることが大切です。「人間力を高めるためのプロジェクト、トリプルA大作戦」、ご家庭でも話題にしていただけると幸いです。

                                      R5.4.10 校長室より

3学期修業式 校長式辞より

 いよいよ令和4年度も、今日が修業式です。

 どのクラスも名残惜しく、現在の教室を卒業します。充実していた日常が4月から大きく変わることに、期待と不安が混同している児童も多いのではないでしょうか。

 以下は、修業式に話した内容です。ご家庭でも話題にしていただけると幸いです。

 なお、学校だよりにも同じような内容を載せてありますので、ご容赦ください。

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 児童の皆さんが、これから幸せに生きるために、3つの「あ」を磨いていってほしいと思います。その3つの「あ」とは、「ありがとう」「あいさつ」「あきらめない」です。「トリプルA大作戦」と名前をつけました。

 1つ目、「ありがとうを伝えられる人になろう作戦」です。ありがとうは感謝のことば、感謝をことばで伝えられるようになりましょう。

 2つ目、「あいさつが上手にできる人になろう作戦」です。あいさつは礼儀のことば、相手を大切にすることばです。そして、相手の心を温かくすることばです。

 3つ目、「あきらめない人になろう作戦」です。自分で決めたことは諦めずにがんばる力、つらいことや嫌なこと、大変なことを乗り越える力をつけて、根気強さを身に付けましょう。

 皆さんは、どんな大人になりたいか、どんな夢をもっているか、どんな目標を立てたか、考えていますか。どんな夢や目標をもったとしても、そのゴールに向かうために大切な1つの要因が、「人間性を磨く」ということです。「お礼が言える人」「あいさつができる人」「困難を乗り越えることができる人」は、多くの人に好感をもってもらえて、現在も将来たくさん幸せな思いができるかもしれません。

 大きな夢をもち、そのために4月から何をしたらよいか、しっかりとした目標を立ててください。そして、どんな目標を立てたとしても、人間性を磨くための「ありがとう」「あいさつ」「あきらめない」の3つの作戦を実践してください。

 ★4月10日、笑顔いっぱいで皆さんと会えることを楽しみにしています。

                                   R5.3.24 修業式 校長式辞より

 

2月の朝会について

2月6日の朝会では「心を鍛える」というお話をしました。以下がその内容です。

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 今日は、「心を鍛える」というお話です。

 何かをするときには、心の中にはいくつかの考えが沸いてきて、心の中で闘って、勝った方の行動をします。例えば、授業中、「真剣に勉強しよう」という気持ちと「おしゃべりしちゃおう」という気持ちが心の中で闘います。「勉強」と「おしゃべり」、どちらが勝つでしょうね。そして、自分の中で正しい行動ではないと気が付いたときには、どうしたら良いでしょう。勇気を出して「ごめんなさい」と言えたら心が軽くなりますよね。または、みんなで話し合って解決する方法もあるかもしれません。それも「心を鍛える」方策です。

 今、皆さんは、頭を鍛え、体を鍛え、心を鍛えている最中です。そして、学校ではみんなで鍛え合うことができます。なぜなら、集団生活をしていれば、自分が思った通りにならないことがたくさんあるからです。上手くいかないとき、それをどう解決していこうとするか、「考える」「行動する」「振り返る」、このサイクルを回していくことが、「心を鍛える」方法です。

 嫌な気持ちの時の心の中ってどんな感じでしょう。

 例えば、お友達と何か上手くいかないことが起こったときは?

 「怒っているかなぁ」「どう思われているのかなぁ」「頭にくるなぁ」「ムカムカする」

 こんな感じで、いろいろな不安や不満が湧いてくるのではないでしょうか。 

 さあ、このドロドロした不快な感情を解決するにはどうしたら良いでしょう。こんな時には、「考える→行動する→振り返る」のサイクルを回すのです。それが、「心を鍛える」ということです。

 まずは「考える」です。

 例えば、お友達と上手くいかないことが起こったとしたら、この問題の解決のためにできることは何でしょう。たくさん考えましょう。

 次に「行動する」です。

 自分の気持ちを、相手に分かるように伝えることが大切です。そして、勇気を出して、相手の気持ちを聞いて、どうすれば解決できるかを、お互いに話し合うのです。「○○ちゃん嫌い」「やだ」「ムカつく」では、相手には不快な気持ちしか伝わりません。それどころか、相手もますます不快な気持ちになってしまいます。「▲▲について、◇◇だったから嫌な気持ちになったんだ」とか「つらかったんだ」などと分かるように伝えるのです。そして、「○○ちゃんはどんな気持ちだったの」と聞いて、「これからお互いに嫌な気持ちにならないためにはどうしたら良いかなぁ」と作戦会議を立てると良いです。もちろん「ごめんなさい」という勇気が必要なときもあります。

 失敗も間違いもたくさんあります。でも、失敗しても良いのです。お互い様なのですから。解決できる力をつければ、失敗が次の成功につながります。話し合いのゴールを「今後上手くいくためには」とか「お互いにスッキリするには」という視点にしておけば、心の雲は晴れていきます。心が軽くなると、相手も周りも安心し、笑顔が増え、やる気が出て、素敵な言葉や感情が湧いてきて、あなたの周りは居心地の良い空間になっていきます。

 心を鍛えていくと、少しのことで悩んだり折れたりしない強い心が育っていきます。それと同時に、人の気持ちが分かる優しい心も鍛えられます。人の痛みや辛さが分かるようになるからです。人とかかわることは、時に上手くいかないこともあるかも知れません。でも、上手くいくようにしていくことはできます。いろいろな人とかかわりながら、みんなで学び合い、支え合い、鍛え合っていきましょう。

2学期始業式での話

今日の始業式では、感染症とその予防について簡単にお話をしたので、その内容をお伝えします。

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 感染症は、「感染源(ウイルスや細菌などの病原体)」、「感染経路(病原体が運ばれる経路)」、そして、「主体(うつる可能性がある人や動物)」の影響で起こります。

 学校や各家庭では、「感染源」が学校に入ってこないように、全員で協力して健康観察を行っています。少しでも感染の可能性があるときには学校を休んでもらっています。保護者の方々は本当によく協力してくださいました。

 これが完全にできていて、学校の中に病原体が入ってこなかったら、実はマスクも消毒もいらないのです。

 次に「感染経路」のお話です。新型コロナウイルス感染症の場合は、主に接触感染、飛沫感染、エアロゾル感染(空気感染)です。この感染経路を断ち切るために、換気、消毒、手洗い、距離を取る、マスク、などの対策を行っています。病原体は透明で目に見えないので、もしも病原体が入ってきても感染しないように、しっかりと丁寧に行っています。その努力の甲斐もあって、亀山小学校ではクラスターは1回も起こっていません。

 そして、「主体」つまり皆さん自身の対策です。実は、これはとっても大切です。それは、自分自身の心と体を丈夫にするという事です。病原体が体に入ってきても、体が丈夫なら病原体は死んでしまいます。だから丈夫な体をつくって欲しいのです。そのためには、

1.栄養バランス良く、しっかり食べましょう。<まごわやさしい>→食育の授業で学習しました。

(ま(豆類)ご(ごま・ナッツ類)わ(わかめ・海藻類)やさし(野菜・魚・しいたけ(キノコ類))い(イモ類))

2.頭を使ってしっかりと勉強し、体をたくさん動かして体力を付けましょう。

(脳と筋肉と血液をたくさん動かすことが大切です)

3.早寝早起き、睡眠時間の確保をしましょう。 

4.悩んだり不安に思ったり、不満をもったりしたときには、誰かに相談したり解決するために行動したりして、さわやかな心を保てるようにしましょう。

(いつも悪いことや不安なこと、嫌なことばかり考えていると免疫力も低下します。一緒に考えてくれる人がいると、心が軽くなります。)

この4つの事を心がけて、病気にかかりにくい、またはかかっても軽くて済むような、丈夫な体をつくっていきましょう。

 それからもう1つ、マスク生活が長く続く中ですが、マスクを外しても心配ない場面や、マスク長期着用による問題点も分かってきました。これから皆さんと一緒に考えながら、マスクを付けたり外したりすることを自分で判断し、行動でき、安心できる生活スタイルを見つけていけるように、少しずつ前に進みたいと思っています。2学期は、皆さんの心と体が健康で、笑顔いっぱいの毎日になることが校長としての私の目標です。児童の皆さんの「顔晴る」姿を楽しみにしています。

6月の朝会「ものを大切にしよう」

6月6日(月)の朝会講話の内容です。ご家庭でも話題にしていただけると幸いです。

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6月の校長講話「ものを大切にしよう」

 靴のかかとをつぶして歩いている人がいると、ちょっと心が痛みます。「靴」って自分の体を守ってくれたり、力を発揮してくれたりする、とっても大切なものだからです。そこで今日は「靴」を例にとって、「ものを大切にしよう」というお話をします。

 私は、中学校から大学生まで、卓球部に所属し、毎日一生懸命練習していました。大学生の時、あるスポーツメーカーに頼まれ、卓球シューズの開発に協力しました。何人かの卓球部員がそのメーカーの靴を使って毎日ハードに練習し、メーカーにそれを渡すという事を何度か繰り返しました。メーカーでは、それを細かく分析し、靴の底のゴムの堅さや、ゴムの減り方、体重のかかり方、布の性能、ひもを通す穴の位置の調整、履き心地など、小さな修正を何度も何度も繰り返し、履きやすくて性能の良い靴を開発していました。大学生が汗まみれになった汗臭い靴を宝物のように大切に会社に持ち帰り、丁寧に丁寧に分析し、良いものをつくるためにこだわり抜いて、それは本当に履きやすくて性能の良い、しかもかっこ良い靴になっていきました。その努力の結晶ともいえる卓球シューズの完成に、「このシューズは宝物」だと、強く感じました。

 シューズができるために、一体何人の人がかかわったでしょうか。例えば、ゴムの木を育て、ゴムの原材料を作った人、それを加工した人、加工するために機械を開発した人、機械を操作する人、加工する時に配合したり燃料として使ったりする石油を掘った人・運んだ人、原油を製品に変えた人、布、紐、着色、デザイン、縫製、研究者、開発にかかわった人・・・数え切れないほどの、世界中のいろいろな人の努力が結集されています。それを知ると、靴を作るためにどれほどの知恵と努力と愛情が詰まっているか、思い詰まされます。そして、皆さんであれば、その靴を購入してくれる親の愛情にも感謝です。

 靴は足を守るもの、体を守るもの、そして命を守るものです。場合によっては人生が変わることもあるかも知れません。だから、靴のかかとをつぶして履いている人を見かけると、靴をつくるために頑張った大勢の人のがっかりする姿が頭の中に浮かんでしまうのです。靴を使う人は、その靴を大切にすること、そして存分に使うことです。それは靴のことだけではありません。例えば皆さんが持っているランドセル、教科書、鉛筆や消しゴム、洋服や傘・・・あるいは皆さんが食べているご飯やおやつ・・・どれも、生産や開発をした大勢の人たちの思いが詰まっているのです。

 一つのものが皆さんに届くまでには、たくさんの人の努力があります。ですから、そのことに感謝して、どんなものでも大切にしていける皆さんであってほしいと願っています。

                                R4.6.6 朝会 校長講話

5月の朝会

5月10日(火)に朝会で話した内容です。

ご家庭でも何かの話のきっかけになれれば幸いです。

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「ルールとマナー」について

 皆さん、おはようございます。

 今日は、ルールとマナーについてお話します。

 小学生になると、いろいろなルールが増えてきますが、なぜでしょう。それは、みんなが安心して安全に生活するためです。例えば、登下校の時、「1列で歩く。横断するときには左右の安全確認。交通ルールを守りましょう。」というルールがあります。これを守らず、細い道や車がたくさん通る道を2列や3列で歩いたらどういうことになるでしょう。そう、とても危ないのです。そして、万が一交通事故に遭ったら、自分だけが痛い思いをするだけでなく、登校班の人たち、家族や親戚、先生方、お友達、そして車を運転していた人も、みんなつらい思いをするのです。学級のルールをみんなが守らなかったら学級はどうなるでしょう。例えば、授業開始のチャイムが鳴ったのに授業の準備をしないで遊んでいたりすると授業が始まりません。係や日直など、自分が引き受けた仕事の責任を果たさないと、みんなが困ってしまうことになります。

 次に、マナーについてお話しします。マナーというのは、決まりではないけれど、みんなが気持ちよく生活するための心遣いの事です。

 例えば、人の悪口を言ったり人を無視したり意地悪したりする人がいたりすると、クラスは居心地が悪くなってしまいます。そうすると、言われた人だけではなくて、悪口を聞かされた人、悪口を言っている人を見た人など、多くの人が嫌な気持ちになってしまいます。自分の出したゴミを教室の床に捨てたり、荷物をきちんと片付けないで散らかしたりしていると、多くの人が不快な気持ちになります。

 逆に、順番を守る、間隔を取って並ぶ、気持ちの良いあいさつをする、お礼が言える、教室は整理整頓してきれいに使う、悪口を言わない、などができている人は周りから好感をもたれますし、それができているクラスは、とっても居心地が良くなり、安心して勉強や様々な活動ができて、その結果学力も高まります。

 皆さんが安心して生活するためには、ルールやマナーを守ることがとても大切です。そして、実はそれは当たり前の事なのです。当たり前のことが当たり前にできる、それが自分自信を高め、学級力を高めるのです。

 クラスづくりはまだ始まったばかりです。皆さん自身で良いクラスを作り上げ、3学期の修業式の時には「クラス全員で協力して作り上げた最高のクラス」と感じながら卒業や進級を迎えられることを楽しみにしています。

                                  R4.5月10日 朝会 校長講話

3月はクライマックス

 3月という季節は、暖かくなったと思ったら真冬の寒さがぶり返したり、晴天かと思ったら雨や雪が降ったりと、何とも不安定な日々です。私たちの心の中も、この3月の天気に重なるところがあるような気がしています。

 18日には、本校第37回卒業式が挙行されました。厳粛な中にも花のある、素晴らしい卒業式になりました。コロナ対策で一喜一憂しながらも、保護者の皆様に御列席いただき感動的な卒業式を挙行できたことは、この上ない喜びでした。御理解と御協力をいただいた保護者の皆様には、心より感謝申し上げます。

しかし、6年生が卒業した後は何とも寂しく、心の天気はどうも晴天とばかりにはいきません。

 ところが、6年生が卒業した後の1~5年生の様子、進級の自覚でみなぎる顔がそこにありました。そのたくましい在校生の様子に、また我々の心は晴れやかに変わりました。そして、6年生の卒業に続き、今のクラスを卒業するためのクライマックス、どのクラスも素晴らしく盛り上がりました。この1年間、教室を共に過ごした仲間との、友情、協力、団結、協働、思いやり、感動、感謝・・・みんな全身が春爛漫の晴天になっていました。

 修業式の翌日からは、職員室のクライマックスです。研修や今年度のまとめ、校内整備等が目まぐるしく行われています。しっかりと令和3年度を閉じ、4年度を迎えるため、今、教職員の心が一つになっています。

 

 保護者の皆様には、この1年大変お世話になりました。温かい御支援、御協力が我々教職員にとって大きな力になりました。次年度も引き続き、よろしくお願い申し上げます。                     

2月の校長講話「鬼は外 福は内」

 

2月の朝会 講話 「鬼は外 福は内」

 7日の朝会では、次のようなお話をしました。少し難しかったかもしれませんので、御家庭でもフォローしていただけるとありがたいです。

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 先週3日の節分では、「鬼は外、福は内」と大声を出しながら豆まきをしたお家も多かったのではないでしょうか。今日は「鬼」と「福」について考えてみたいと思います。「鬼」というのは、自分や自分の身近で起こる嫌なこと、不運な事や災いなどの事を、そして「福」というのは、良いこと、幸せなこと、願いが叶うこと、などを意味します。つまり、「悪いことは外に行け」「良いことは内においで」という事です。

 ところで、今、中国北京では冬季オリンピックが開かれています。オリンピックという舞台でたくさんの「福」が見られること、とても楽しみです。

 アスリートは、自分の体、心、技術を、鬼のように徹底的に磨き上げます。来る日も来る日も練習に明け暮れ、極限まで自分を鍛え上げます。また、プレッシャーにも打ち勝てるように、心を鍛えるトレーニングもします。有名になればなるほど、応援されるだけでなく、誹謗中傷などもたくさん言われるので、常に心を整えるのも鬼のように大変です。しかし、選手たちには「目標」があります。だから鬼のような練習も、鬼のようなプレッシャーも、突き刺さるような批判の声も、時には怪我に苦しむ事も、前向きに受け止めようとするのです。つまり、体のトレーニングも、技術のトレーニングも、心のトレーニングも、鬼のように厳しいけれど、目標に向かう事で「鬼」を「福」に変えようと努力し、少しずつ「福」を増やしていくことで、自信を深めたり周りに感謝できるようになっていったりするのです。

 これは、オリンピック選手だけではなく、皆さんにも同じような事があります。例えば、漢字10個をノートに10回ずつ書いてくる宿題が出たとします。何も目標がなければ、ただ書くだけの面倒くさい宿題です。つまり「鬼」です。でも、次の日その10問の漢字テストがあるとすれば、「満点取る」という目標を立てて努力することができた時、それは「福」に変わります。満点が取れればそれも「福」になるし、満点が取れなくても、できなかった漢字が分かり、もう一度覚え直すことができるのだから、それも「福」になります。物事は、考えようによって「鬼」にも「福」にもなるのです。「鬼は外、福は内」というのは「物事を悪い方に考えることは心の外に出し、良い方に考えていくことで、福はどんどんやってくるよ」という解釈もできそうです。

 約2週間の冬のオリンピックでは、たくさんの「福」が見られるはずです。さらに、視点の当て方で、自分の周りにもたくさんの「福」が転がっているはずです。豆まきの時のようにたくさん撒かれる「福」を感じながら、自分自身の身近にある小さな「福」を増やしていきましょう。「福」が増えると自然に「顔晴る(がんばる)」人が増えていきます。皆さんの「顔晴る」姿を頼もしく思っています。

                                               校長

P.S 保護者の皆様も、日常に転がっている「福」を年の数だけ拾ってみてください。勿論、もっと拾ってもいいですが(^~^)

 

コラム⑦ 笑顔の育て方について考える

 学校は笑顔であふれるところであってほしいと、常々考えています。そして、その中でも重要な笑顔のひとつは、課題をクリアできた時の達成感の笑顔です。例えば、「できなかったことができるようになった」とか、「知らなかったことを知ることができた」、「うまくいかなかったことがうまくいくようになった」などです。つまり、今までの自分より成長した自分を感じた時の笑顔は最高に輝いています。

 2学期、2年生が掛け算九九を暗唱できるように全員で努力を重ねました。早く覚えた児童は苦労している友達を助けたり、教え合ったり励まし合ったりしながら、全員が九九暗唱テストで合格しました。緊張しながらテストを受ける子供たち、合格できた時の満面の笑顔は充実感にあふれていました。そして、クラス全員が合格した時、教室は笑顔であふれていました。

 縄跳び検定があると、一生懸命に縄跳びの練習をし、できなかった二重跳びやハヤブサなどができるようになると「先生見て見て!」と大喜びです。漢字50問テストに向けて一生懸命勉強して満点とれたとか、運動会で発表するダンスをたくさん練習して、本番満足のいくパフォ-マンスができたなど、苦労すればするほど達成感を味わった時の笑顔は充実感にあふれ、成長につながります。

 友達と心がすれ違ってつらい思いを抱えた子供が、解決のために保護者や教師に相談したり、友達に自分の気持ちを伝えたりして、解決のために勇気を出す経験をしながらこの問題に向き合います。解決し安心感を味わえた時、笑顔が戻ってきます。我々大人もホッとする笑顔です。

 長い期間努力を重ねて目標を達成できたときの笑顔、悔しい思いやつらい思い、毎日続ける苦労などを大きな価値に変えてくれます。

 いつもどんな時でも笑顔でいるのはとても難しいことです。世の中に出ると、歯を食いしばって頑張らなければならないことがたくさんあります。そのために、課題をクリアさせて達成感を味わわせることは大変重要な学びです。小さなうちから発達段階に応じた課題のクリアを経験させ、それを自信につなげていきたいものです。周りの大人は、子供を見守り、励まし、寄り添い、心の成長を支えてあげることが大切です。ややもすると、大人が先回りして子供自身が乗り越えられる課題の解決能力を摘んでしまうことがあります。もちろん、未然防止に努めなければならないことも山ほどありますが、子供たちの「乗り越える力」を育て、賢く優しくたくましく成長させていくために大人がうまく舵取りをしていくことは重要です。

 子供たちの成長の「笑顔」に教えられることがたくさんあります。子供たちの「笑顔」に感謝!です。