校長室から

お知らせ

コラム⑤  夏休みの思い出

 昔々の話でちょっと恥ずかしいのですが、載せさせていただきました。

 私が小学校1年生の頃、奇跡的に県の理科展で金賞を取った経験があります。題名は「あさがおの観察」でした。

 1学期に学校で育てたあさがおを夏休みに持ち帰り、家で観察するのが宿題でした。当時は毎朝育成会でラジオ体操を行っていたのですが、ラジオ体操終了後、あさがおの観察を行うのが日課となりました。観察する「葉っぱ」を2枚決めて、日記に葉っぱを当て、葉っぱの縁を鉛筆でなぞりながら、毎日鉛筆描きの葉っぱをためていきました。「葉っぱ」を描き終わると母に「かけたよ~」と見せに行き「上手に描けたね~。じゃあご飯にしよう!」きれいにあさがおが咲いたときには、クレヨンであさがおの絵を描いて褒めてもらったり、夕方しぼんでしまったあさがおを見てはしょんぼりしながら絵を描いて励ましてもらったり・・・「母に褒めてもらうためのあさがおの観察」、本校1年生のあさがおを育てる姿から、ぼんやりしていた私の記憶が映像として戻ってきました。

 「あさがおの葉っぱを絵日記に描くと母に褒められておいしい朝ご飯が食べられる」これがルーティーンになり、

42日間のあさがおの観察の宿題が無事に終了、母の罠にまんまとはまりました。担任の先生が理科展に出してくれ、生まれて初めて全校生の前で表彰していただいたときには緊張して心臓がドキドキでした。「継続は力なり」、たった42日間の継続ですが、小1の私には大きな自信になりました。

 自分の幼かった頃の記憶はぼんやりとしか覚えていませんが、今かわいい亀小の子どもたちを見ていると自分もたくさんの方々にかわいがってもらったんだと、今更ながら改めて気づきます。怒られてばっかりのだめ子どもだった自分の記憶、「宿題やったの?」「明日の準備したの?」「何でできないの?」「○○ちゃんはできるのに何であなたはやらないの?」そんな言葉ばかりしか覚えていないのですが、きっと嫌だったりつらかったりする記憶の方がいつまでも残っているのかも知れません。本校に勤務したおかげで、ほっこりとしたかすかな記憶と再会することができ、自分の心を癒してくれています。

 長い夏休み、お子さんの自信を深めるために何か仕掛けてみてはいかがでしょうか。

コラム④「親子の適度な距離感」について考える

 

 親子は、「付かず離れず『適度な距離感』を持つことが大事」ということは分かっていても、実践はとても難しいものです。親が「適度」と思っていても、子どもは離れすぎてしまって寂しいと思っていたり、逆に近すぎてうっとうしく思っていたりして、うまくいかないこともしばしばです。しかし、親子というものは、最初から適度な距離感を持っているものではありません。それは、何度もずれながらも、互いに歩み寄ったり離れたりして、試行錯誤しながら作りあげていくものなのです。親が子どもとの適度な距離感を作りあげていこうと思う時、まずは子どもを理解することが大切です。発達段階によって特徴が違うので、関わり方もアップデートしていく必要があります。(月間『倫風』「親子の“距離感”幼児期から小学校低学年まで 岩立京子」より抜粋)

 子どもの安全基地は何といっても親であり、家族です。親子の信頼関係の深まりは、まさにこの“距離感”を親子で模索していくことで得られていくのではないでしょうか。子どもにとって安心できる安全基地があると、様々な困難を頑張って乗り越えようとする力が強くなっていきます。スキンシップを大切にし、子どもの感情に共感し、受容しながら、壁にぶつかった時には子どもと一緒に解決していく、そんな日常的に行われている関わりによって、子どもは自立へと向かえるように成長していきます。

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コラム③ 子育てについて考える

笑いあり、涙あり、感動あり、悩みあり… 子育ては、波乱万丈な長編ドラマのようです。そして、この年になって感じるのは、子どもと親はWIN- WIN の関係なのだという事です。自分の人生が、我が子のおかげでどれだけ豊かになったことか、我が子の存在に感謝するのはもちろんのこと、子育てに関わってくださったすべての方に感謝したい気持ちです。子育ては、何度も壁にぶつかり、心が折れそうになる事もしょっちゅうで、順風満帆にはいきません。我が子が成人した後も自分の子育ては後悔ばかりです。それでも立派に育ってくれた我が子に感謝したり、周りに感謝したり、自分の苦労をねぎらったりしながら、自分自身の子育て長編ドラマを振り返ってみるのも感慨深いものがあります。

 子育ての目標は、「立派に社会の中で生きていける大人にすること」、つまり「自立」させることです。

子どもは手をかけなくても「自立」するための行動が見られます。いろいろなことに興味をもち出し、自分でやりたいと思うようになる乳幼児期の行動は、本当に何をやってもかわいいものです。でも、何をしでかすか分からない危なっかしさで毎日ハラハラです。そして、そのハラハラは形を変えながらずっと続いていきます。「大人として『自立』させる」という課題に向かってどんな舵取りをしていくか、波乱万丈な長編ドラマをつくり上げていくための試行錯誤の毎日です。

 子育ては社会全体が役割分担を担いながら進めていくものです。教育システム、社会の制度やサービス、人とのつながりなど、我が子を自立した大人にしていくために、どんどんお世話になると良いと思います。そしてお世話になったことを感謝し、我が子と一緒に感謝の心を味わうのです。

 立派な大人に成長した我が子の姿を着地点にし、そこに向かって努力している親としての自分を大いに褒めたり励ましたりしながら、壮大なドラマを描き上げていくことで、困難に突き当たった時でも少しは心が軽くなるのではないでしょうか。子育てに奮闘している方々に、小さなエールをお届けできたら幸いです。

コラム② 「はい」という返事について

「はい」という返事について

「はい」という返事、気持ちがいいですね。この「はい」という返事があたり前にできる人は周りから好感をもたれ、周りが心を開いて近づいてきてくれます。つまり、人間関係がどんどん良くなっていきます。教室のいたるところから「はい」が聞こえてきて、どのクラスも温かさを感じます。

教育学者、森信三先生はこうおっしゃっています。

「特に、家庭の中で「はい」とはっきりとした返事ができること、これが大切です。『はい』という一言によって、その人は『我』を捨てるわけです。つまり、それまでの意地の張り合いを投げ捨てるわけです。同時に、それによってもとより、一家の人々の雰囲気までが変わりだすのです。」(森信三の「しつけの3原則」より

 遠慮のない家庭の中だからこそ「はい」が魔法の言葉になっているのかも知れません。学校で飛び交っている「はい」は、御家庭での教育の賜です。我々大人も大切にしたいものです。

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コラム① あいさつについて

哲学者で教育者でもあった 故 森信三は、「しつけの三原則」として、次の3つを挙げています。

1.朝、必ず親に挨拶をする子にすること

2.親に呼ばれたら必ず、「ハイ」とハッキリ返事のできる子にすること

3.ハキモノを脱いだら、必ずそろえ、席を立ったら必ずイスを入れる子にすること

  (哲学者・教育学者 森 信三「しつけの3原則」人間力.comから引用)

日常生活のやろうと思えば誰でもできることに、躾の本質があると、彼は説いています。

 

 4月の朝会(校長講話)では、「あいさつ」について話をしました。「気持ちよいあいさつや返事ができる子」は本校のめざす児童像の重点項目です。

 「あいさつ」は、「自分自身の心にエネルギーを与え」「相手との距離を縮め」「全体の雰囲気をよくする」という効果があることを話し、次のような標語を示しました。「あいさつは 大きな声で 人より先に 心を込めて 相手の目を見て お辞儀もしっかり」。すると、次の日から満点挨拶者が続出でした。「あいさつ」は大切なコミュニケーションスキルです。明るいあいさつが飛び交う亀山っ子であってほしいと思っています。

 よく話を聞き、行動に移し、頑張ってくれる亀小の児童は、自慢の子供たちです。

                              R3.4.30 三田 紀代美