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2021年3月の記事一覧

若い教職員を育てる機運を高めていただきたい

 3月25日(木)に県教委から、令和3年度小中学校教職員の人事異動が発表されました。今回の人事異動で特徴的なのは、芳賀地区の新規採用教職員が、過去10年間で最も多い62名(小学校30名、中学校25名、養護教諭4名、事務職員3名)となったことです。しかも、この中で大学や大学院の新卒者が33名と多く、特に小学校では30名のうち20名が新卒者です。
    新規採用教職員は過去3年間を見ても、平成30年度は28名でしたが、令和元年度40名、令和2年度59名と年々増加しています。これはご承知の通り、芳賀地区では今が教職員の大量退職・大量採用の真っ只中にあるからです。10年前、教職員の約半数が50歳代で、新卒者などほとんどいなかった学校と比べると、若い教職員が増えて大分様変わりしました。こういった傾向はまだしばらくの間続くものと思われます。
    先月、芳賀教育事務所から配布された『これからの芳賀の教育を考える -管理面から見える現状と見通し-』(令和3年2月)によりますと、芳賀地区の教職員の年齢構成は、40歳前後が少ない「ふたこぶラクダ型」のグラフになっています。現在はまだ50歳代が約40%を占めていますから、これらの退職に伴い若い教職員が増えることになります。そして、53歳の教職員の定年退職が近付くにつれ、一気に若返りが進み、定年延長がないと仮定すると、学校運営の主体は若い教職員中心となると予想しています。
    若い教職員が増えると、学校に新しい風が入り、切磋琢磨して学校全体が活気付くことが期待できる一方、経験不足による授業づくりや学級づくり、子供との関わりや保護者対応等での課題も指摘されています。若い教職員がこれらの課題を克服し、近い将来学校の主力となるには、もちろん自らの研鑽が不可欠ですが、併せて「育てる」ことも重要です。
    本市では4年前から、若手教員を育てるために教職2~4年目教員支援事業を実施しています。この事業は、教職4年目までに教師としての「イロハ」である、学習指導、学級経営、児童・生徒指導を確実に身に付けさせることを目的にしています。また、指導主事ができるだけ身近で若手教員の成長を支えるために、担任制を取っています。
    学校ではこの事業を積極的に活用して頂くとともに、若い教職員を育てるという気運を一層高めて頂きたいと思います。特に新規採用教職員は、初任校での仕事や同僚、管理職、学校風土等に影響を受けやすく、そこでの経験が将来を左右するといっても過言ではありません。従いまして、これからの若い教職員を育てることは学校の責務であって、全校体制で取り組んで頂きたいと思います。