日誌

田上教育長日誌

コロナ禍だからこそ子供の話を聴くことが大切です

 もう大分前になりますが、横浜のとある町に、「聴き舎(や)」という喫茶店があることをラジオで知りました。(現在あるかどうかは不明です。)聞くところによると、この店ではコーヒーや紅茶を飲みながら、仕事や恋愛などの悩みを30分1000円で聴いてくれるそうです。訪れる客は、見ず知らずの店主であっても、話を聴いてもらえることに喜びを感じ、心が癒されるといいます。人と話すこと、人に話を聴いてもらえることが、どれほど精神衛生上大切なことかが分かります。
 翻って、子供たちはどうでしょうか。もっと教師や親に話を聴いてもらいたいと思っているのではないでしょうか。
 幼い子供は、「先生、あのね」「お母さん、あのね」と、教師や親に自分の話を聴いてもらいたいと懸命に話しかけます。しかし、いつしか子供は話をしなくなります。なぜでしょうか。思春期の特徴だからとか、反抗期だからといって一蹴してよいのでしょうか。 
 問題行動が多くいつも斜に構えているような中学生でも、相対で話をすると、意外とよく話すので驚くことがあります。そういった子供でも、やはり教師に話を聴いてもらいたいのです。ですから、話さなくなる原因は、子供の側だけにあるのではありません。教師も親も忙しく、子供の話をよく聴かない、聴かないからいつしか子供は話さなくなる。加えて、人間関係もうまく築けない、子供同士でも話せる相手がいない、だからストレスが溜まる、という連鎖が起こります。教師が子供の話をよく聴くことによって、このような連鎖を断ち切り、ストレスから子供を守ることができます。
  特に、もう1年以上もコロナ禍が続いていますから、子供のストレスが心配になります。 

 気になるデータもあります。それは3月に発表された昨年の自殺者数なのですが、児童・生徒の自殺者が過去最多となっていることです。厚生労働省は、「コロナ禍で学校が長期休業したことや、外出自粛により家族で過ごす時間が増えたことで、学業や進路、家族の不和などに悩む子供が増加したことに因る」と、増加はコロナの影響と見ています。感染症への恐怖と再三の外出自粛等の行動制限により、社会全体に閉塞感が続く中で、ストレスを抱えている子供が増えていることが予想されます。
  そういった子供を救うには、教師が子供に話しかけ、子供の話を聴くことが何よりも大切です。コロナ禍で、毎日感染対策に細心の注意を払うなど、教師はこれまで以上に忙しく、子供から離れがちになってしまうのが懸念されます。だからこそ、意識して子供と向き合い、話を聴いて頂きたいと思います。
    

若い教職員を育てる機運を高めていただきたい

 3月25日(木)に県教委から、令和3年度小中学校教職員の人事異動が発表されました。今回の人事異動で特徴的なのは、芳賀地区の新規採用教職員が、過去10年間で最も多い62名(小学校30名、中学校25名、養護教諭4名、事務職員3名)となったことです。しかも、この中で大学や大学院の新卒者が33名と多く、特に小学校では30名のうち20名が新卒者です。
    新規採用教職員は過去3年間を見ても、平成30年度は28名でしたが、令和元年度40名、令和2年度59名と年々増加しています。これはご承知の通り、芳賀地区では今が教職員の大量退職・大量採用の真っ只中にあるからです。10年前、教職員の約半数が50歳代で、新卒者などほとんどいなかった学校と比べると、若い教職員が増えて大分様変わりしました。こういった傾向はまだしばらくの間続くものと思われます。
    先月、芳賀教育事務所から配布された『これからの芳賀の教育を考える -管理面から見える現状と見通し-』(令和3年2月)によりますと、芳賀地区の教職員の年齢構成は、40歳前後が少ない「ふたこぶラクダ型」のグラフになっています。現在はまだ50歳代が約40%を占めていますから、これらの退職に伴い若い教職員が増えることになります。そして、53歳の教職員の定年退職が近付くにつれ、一気に若返りが進み、定年延長がないと仮定すると、学校運営の主体は若い教職員中心となると予想しています。
    若い教職員が増えると、学校に新しい風が入り、切磋琢磨して学校全体が活気付くことが期待できる一方、経験不足による授業づくりや学級づくり、子供との関わりや保護者対応等での課題も指摘されています。若い教職員がこれらの課題を克服し、近い将来学校の主力となるには、もちろん自らの研鑽が不可欠ですが、併せて「育てる」ことも重要です。
    本市では4年前から、若手教員を育てるために教職2~4年目教員支援事業を実施しています。この事業は、教職4年目までに教師としての「イロハ」である、学習指導、学級経営、児童・生徒指導を確実に身に付けさせることを目的にしています。また、指導主事ができるだけ身近で若手教員の成長を支えるために、担任制を取っています。
    学校ではこの事業を積極的に活用して頂くとともに、若い教職員を育てるという気運を一層高めて頂きたいと思います。特に新規採用教職員は、初任校での仕事や同僚、管理職、学校風土等に影響を受けやすく、そこでの経験が将来を左右するといっても過言ではありません。従いまして、これからの若い教職員を育てることは学校の責務であって、全校体制で取り組んで頂きたいと思います。

立志式を迎えた皆さんへ

   本市では、立志を迎えた皆さんを市全体で祝福するために、市内9中学校で一斉に立志式を行っています。今年は新型コロナウイルス感染防止のため、教育委員会や来賓の出席はありませんでしたが、改めて、教育長としてお祝いのことばを申し上げます。
 立志を迎えた中学2年生の皆さん、そして保護者の皆様、おめでとうございます。
 立志式とは、武士の社会で行われていた「元服」の儀にちなんで、14歳になったことを祝う式のことです。元服とは、奈良時代以降、成人を示すものとして行われる儀式のことで、通過儀礼の一つになっていました。つまり、この時代では、14歳になると大人の仲間入りをしたということになります。現代では20歳に行われる成人式が大人の仲間入りをする儀式ですから、「立志」とは文字通り「志を立てる」ことであり、この時期に立志を迎える意義は大きいのです。
 と言いますのは、14歳という時期は、3年生への進級を控え、自分の進路や生き方について、これまでを振り返り、これからどのように生きるか、新たに誓いを立てることが必要な、節目となる時期だからです。ですから皆さんは、それぞれが立志の誓いとして、将来の夢や希望を真剣に考えて「誓いのことば」等に表したことと思います。そして、式では堂々と発表されたと思います。
 元東京大学の総長で、政治学者であった南原繁(なんばら しげる)氏は、「夢や理想は単なる抽象的な概念ではない。必ず実現の力となって働くものだ」と言っています。つまり、夢や理想を持つこと自体に意味があって、それは実現の原動力となるからだと言っているのです。
 皆さんが生きるこれからの21世紀は、一層情報化やグローバル化が進むと思われます。
変化の激しい、先行き不透明な時代とも言われています。そのような中だからこそ、大きな夢をもち、高い理想を掲げ、その実現のために強い意志をもってやりぬいていただきたいと思います。意志あるところに道は開けます。皆さんの輝かしい未来を祝福いたします。
 結びに、保護者の皆様に一言お願い申し上げます
 お子様は、14歳を迎え、思春期前期に入り、人生において最も多感な時期に差し掛かります。この時期は、自発性が高まり、自ら考え、判断し、目標に向かって努力できる時期でもあります。勉強や部活動に、「目標をもってがんばる」という、人生における基本を身に付けることが大切な時期になります。学校ではその基本を身に付けられるよう、勉強や部活動指導を行っております。保護者の皆様にも、一層の学校へのご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げ、お祝いの言葉といたします。

いじめのない学校風土をつくる

   昨年度の少年の主張芳賀地区大会で、大内中の大塚雫華(しずは)さんは、「いじめのない社会へ」と題して、次のように発表をしています。

    私の学校では、全校生徒による「いじめ防止サミット」を行っています。自分たちの行動を振り返り、いじめを撲滅し、明るい学校にする。そのために、クラスや学校全体でいじめについて話し合い、いじめ撲滅宣言を作成しました。いじめの理不尽さを知り、いじめについて深く考えることができて良かったと思います。 「いじめ防止サミット」を行う前は、誰かの陰口などをよく聞きましたが、サミットの後は、あまり聞かなくなりました。

    校内いじめ防止サミットは、いじめのない学校を目指して、子供たち自らが考え、力を合わせていじめ防止に取り組む活動です。いじめは子供の中で起きていますから、早期発見や防止には、子供たちのいじめに対する感覚を磨き、意識を高めることが何よりも大切です。校内いじめ防止サミットはそのための活動であり、子供たちが日常的にいじめ防止に取り組む態勢をつくることができます。
 この活動は、平成29年度・30年度に山前中学校が県教委指定の人権教育研究校となったことを機に、その取組の一環として始めたものです。その後、各学校でも取り組んでいただいておりますが、昨年度の大塚さんの発表はその成果の表れと大変嬉しく思いました。
   いじめは軽微なものを含めると、ほとんどの学校で起きています。しかも、年々増加の傾向にあります。

    昨年10月に発表された文部科学省の問題行動調査では、全国の国公私立小中高校と特別支援学校で令和元年度に認知されたいじめは61万件を超え、過去最多を更新しました。本県でも24%増の6003件と過去10年間で最多となっています。これは、学校がいじめを見逃さないよう細心の注意を払っている結果と言えます。問題は、平成28年度に90%を超えていたいじめの解消率が82%に低下していることです。いじめは見えにくく、加害者と言われても悪意や自覚がないことがあります。また、いじめは複雑で、加害者と被害者が逆転することもあり、対応が難しくなっていることがこの数値に表れています。
    ひとたびいじめが起きると解決に苦慮するケースが増えています。ですから、いじめが起きないことがベストであって、そういう学校風土をつくらなければなりません。再度言いますが、いじめは子供の中で起きていますから、それは教職員だけでは難しく、子供の力が必要です。そのためには、校内いじめ防止サミットなど全校体制の取組が一層充実することを期待しております。

感染防止の徹底と教育の質の保障

 新年明けましておめでとうございます。令和3年がスタートしました。2021
 今年は丑(うし)年です。「丑」という漢字は、発芽直前の曲がった芽が硬い殻を破ろうとし、エネルギーが漲っている状態を表しているそうです。丑年にあやかり、コロナ禍で硬く覆われた閉塞感を打ち破るような、エネルギッシュな年になることを切に願っております。
   それにしても、昨年の11月から始まった新型コロナウイルス感染拡大の第3波は、年が明けても全く収束の見通しが立たない状況にあります。それどころか、年末年始の人の往来等により、更なる感染の拡大も危惧されています。
 そこで今年やるべきことは、何と言っても「感染防止の徹底と教育の質の保障」が最優先となります。

    昨年は4月から小学校で新学習指導要領が全面実施されたにもかかわらず、新型コロナウイルス感染症の影響で、臨時休校や分散登校、感染防止や身体的距離の確保のため、カリキュラムを大幅に変更しなければなりませんでした。そのため、新学習指導要領の趣旨を十分に反映させた教育活動が出来ませんでした。4月からは中学校でも新学習指導要領が全面実施となります。

   ご承知の通り、新学習指導要領では、これからの21世紀を生きる子供たちに生きて働く力を身に付けさせるために、社会との連携や協働による「社会に開かれた教育課程」を実現し、「主体的・対話的で深い学び」による授業改善が求められています。今回の学習指導要領は、従来までの内容重視から、「学んだことから何が身に付き、何ができるようになったか」を特に重視するようになりました。今年こそは、こういった新学習指導要領の趣旨を踏まえた教育活動を確実に実施し、教育の質を保障しなければなりません。そのためには感染防止の徹底が不可欠です。
   残念ながら昨年は、感染拡大の猛威に晒され、市内の学校でも感染者が出てしまいました。しかし幸いにも、校内での感染者はなく、当該学校の感染防止が徹底していたことが示されました。これは他の学校でも同じです。これまで市内全ての学校で、検温やマスクの着用、うがい、手洗い、手指消毒、換気等の感染防止の徹底に努めて頂いた結果、校内での感染を防ぐことができたものと思っています。これは大変すばらしいことです。
 今年もいつまでコロナ禍が続くか分かりませんが、昨年同様に感染防止の徹底をお願いします。そして、新学習指導要領の全面実施に相応しい教育の質を高めていって頂きたいと思います。
 令和3年の年頭に当たり、「感染防止の徹底と教育の質の保障」を各学校でも共有して頂き、学校と市教委が一体となってコロナ禍の教育の充実を図っていきたいと思います。

今こそ凡事徹底を!

 小さな記事だったのですが、10月26日(月)の下野新聞の「新型コロナミニ知識」という欄に、京都府立医科大学の研究チームが、新型コロナウイルスは人の皮膚の上で9時間生存できることを突き止め、アメリカ感染症学会誌に発表したという記事がありました。
  9時間も生存できるということは、インフルエンザウイルスに比べて5倍も長く生存することになるそうです。これによって、新型コロナウイルスは触れた物を介して広がる「接触感染」のリスクが高いことが明らかになりました。但し、濃度80%のアルコールで15秒消毒すると感染力が消滅することも同時に分かりました。研究チームの広瀬亮平准教授は、「新型コロナウイルスが比較的長生きな理由はまだ分からないが、手の消毒という初歩的な対策の重要さが改めて分かった」と話されているとのことです。
  新型コロナウイルス感染症は世界に広がり、12月19日(土)現在で、感染者は累計で7495万人を超え、死者は166万人を上回っています。日本でも感染者数が連日最多を更新するなど、ウイルスの猛威はとどまる所を知らず、感染は加速しているようです。目に見えないウイルスの恐怖に晒され、世界は萎縮しつつあります。

 しかし、その脅威のウイルスも、飛沫感染にはマスクが有効なことはAIのシミュレーションでわかっていますし、今回の京都府立医科大学の研究で接触感染にはアルコール消毒が有効なことがわかったことから、初歩的な対策の徹底で防げるということになります。
 改めて、「凡事徹底」が感染防止の王道といえます。ただ、「徹底」は容易ではなく、言うと行うとは別物になってしまいがちです。

ですから、今回はそうならないよう、誰もが新型コロナウイルス感染防止のため、マスク着用やアルコール消毒等の凡事を徹底していただきたいと思います。

「今が最強!」と言えるように

 偶然なのですが、退職校長会会報第114号(平成30年10月4日)の「今が最強」というタイトルの寄稿文に目が留まりました。それは、元佐野市立天明小学校長の西沢弘先生という方が書かれたものだったのですが、恐らく、瞬時に「退職したのになぜ最強?」という意識が私に働いたからだと思います。
 「公立学校退職後、縁あって私立の中等学校で理科・化学の指導に当たらせてもらっている。種々の要因があり、個人的には理科教員として今が最強である」という書き出しで始まっているその文面には、理科の教員としてのやり甲斐や教えることの楽しさが綴られ、退職後の新たな教師生活での高揚感や喜びが満面に感じられました。
  では、いったいどうして最強なのでしょうか。西沢先生は「種々の要因がある」と言っている中で、第一にICT機器やデジタル教材を挙げ、次のように書いています。

 第一要因は、電子黒板等のICT機器やデジタル教材の進展である。受精卵の卵割など最先端の画像、気象衛星ひまわりの画像は昨日大雨を降らせた雲の動きを、地球全体を捉えた冬至・春分・夏至の画像から地軸の傾きを直接見ることができる。素材選択の幅が広がりこんなに面白いことはない。

 電子黒板等のICT機器やデジタル教材は、使えば使うほどその有用さが実感でき、授業が抜本的に変わってきます。アナログでは到底不可能だったことをデジタルは可能にします。特に理科の授業で、鮮明な画像による動的世界を子供たちに提供できることは、西沢先生にとって至極の喜びだったのでしょう。 
 また、教材研究については次のように書かれていて、理科教員の本分が垣間見えます。

 教材研究に集中して膨大な時間が使えること。調べれば調べるほど疑問が湧き、その疑問が次の疑問に。もう、ワクワクである。

 僭越ですが、読んでいて「やっぱり教師なんだなー!」と痛感した次第です。
 ICTという最強の武器を得て、教材研究に没頭できる時間が十分あって、最高の授業づくりができる今が、西沢先生にとっては最強なんですね。
   現役ではなかなかこうはいかないかと思いますが、ICTという最強の武器はあります。要は時間ですが、時間は与えられるものではなく、自らつくるもの、です。
 本市の先生方誰もが、「今が最強!」と言える充実した教師生活を送れることを期待しております。

「学びの保障」を実現しなければならない

 2学期がスタートして1か月が過ぎました。令和2年度の学校から見れば、6月に学校が再開され、16日間の夏休みを除けば、学校の教育活動は実質3か月間行われたことになります。学校の臨時休業により、子供がいない学校が3か月も続いたことを思えば、この3か月間は、当たり前のことではありますが、学校は「子供のためにある」ということを実感したのではないでしょうか。そして、学校のあらゆる教育活動も子供のためにあることが再認識できたと思います。
 そこで、これからが重要な時期になります。と言いますのは、これまでの3か月間では、授業をはじめ学校行事等の教育活動が見直され、少しずつ軌道修正しながら進められてきました。そして3か月経った現在に至っては、どこの学校でも日常を取り戻し、教育活動も軌道に乗り始めていることと思います。
 この3か月間では、未履修の学習内容は時間を確保して補充したり、系統的な教科は関連する単元の前に指導したりして、未履修の解消を図ってきました。また、授業においては、子供たちの学びを保障するために、教科書の学習内容の扱いに軽重を付けたり、指導順序を変更したり、個人でも学習可能な内容の一部を家庭学習等の授業以外で行うようにしたりして、学習の重点化を図って進めています。
 とはいえ、これまでの3か月間は、何かと制限がある中で学習の遅れを取り戻すために心血が注がれた授業でした。これは致し方ないことであって、子供たちもそれは理解し、懸命に授業に臨んでいたと思います。
  このようなこれまでの状況を踏まえると、いよいよこれからが本番で、子供たちの「学びの保障」を実現していかなければなりません。国においても、「学校・子供応援サポーター人材バンク」を開設して学校支援員を配置したり、補習等のための指導員等派遣事業により学習指導員を配置したりして、学びを保障するための人的支援を行っています。これらは今後順次配置されますので、有効活用するとともに、特に次の3点を重視してこれからの学習指導の充実を図って頂きたいと思います。
 1点目は、小学校では今年度から新学習指導要領が全面実施となっていますが、小・中ともに、なるべく出来る範囲で新学習指導要領の趣旨を踏まえた授業を行ってください。
 2点目は、受験生の不安を払拭するため、中学3年生対象の補習授業を積極的に行ってください。文部科学省が公表した中学3年生のスケジュール案にも週2回の補習授業が示されていますので、実施は不可欠と考えています。 
 3点目は、学習の遅れや学力の差が懸念されますので、学習指導員等を活用し、これまで以上に個別指導の充実を図ってください。

お盆明けだからこそ注意が必要~新型コロナウイルス感染症対策

   8月1日(土)からの短い夏休みも終了し、今日から2学期がスタートしました。今年はいつもの2学期とは異なり、熱中症対策に加えて新型コロナウイルス感染症対策で、学校は細心の注意を払って対応していることと思います。
 幸いにも、これまで本市の小・中学校では、熱中症も新型コロナウイルス感染症も学校から出ていませんでした。しかし、新型コロナウイルス感染症については、本市で連日感染者が確認され、8月14日(金)には本市独自の感染厳重注意報が出される状況にあっては、今後それは難しいかもしれません。特に、夏休み中に迎えたお盆では、外出等を控える傾向はあったものの、人の移動も多く、県外から帰省した家族等で会食や会合が行われたものと思われます。
 お盆の帰省については、県では体調が悪い場合は帰省を控えること、高齢者等がいる家庭では十分配慮すること、大人数での宴会や飲み会は控えることを呼びかけましたが、県境をまたぐ移動の自粛は要請しませんでした。県では、お盆の帰省自体は否定せず、感染防止に十分な配慮を求めたものでした。
 しかしながら、各家庭の受け止めや感染防止対策に差が出てしまうのは当然であり、それはやむを得ないことです。恐らく多くの家庭で、日常と違った人の往来があったことは間違いありません。そうなりますと、お盆明けはこれまで以上に感染拡大が懸念されることになります。となれば、学校は感染防止はもちろんのこと、感染者が出た場合であっても迅速に対応できるよう、次の3点を徹底するなど一層緊張感をもって臨む必要があります。
 1点目は、学校にウイルスを入れない水際対策が極めて重要になります。そのため、子供一人一人の家庭での検温の徹底を再度呼びかけるとともに、サーマルカメラによる検温とその後の適切な対応をお願いします。
 2点目として、これまで同様、うがい、手洗い、手指消毒、熱中症に注意しながらのマスク着用、教室換気、手すりやドアノブの消毒等による感染防止をお願いします。特に、学校におけるクラスターの発生が最も危惧されますので、こういった基本的な感染防止を徹底することが何よりも大切です。
 3点目として、8月6日(木)の臨時校長会での資料により、感染者が出た場合の学校の対応について、教職員と共有化を図っていただき、教職員誰もが共通認識のもとに、迅速に対応できるようお願いします。
  2学期が始まり忙しい中ではありますが、学校と市教委が一丸となってこの難局を乗り越えなければなりませんので、よろしくお願いします。

今こそカリキュラム・マネジメントが必要とされます

 学校が再開されたとはいえ、新型コロナウイルスの感染拡大のリスクがなくなったわけではありません。そのため学校では、教育活動における「3密」を可能な限り避ける工夫をするとともに、検温、マスク着用、うがい、手洗い、アルコール消毒等を徹底するなど、細心の注意を払って感染症対策を行っています。また、感染拡大の第2波、第3波も懸念されますので、不測の事態に備えて、今後どのように教育課程を見直し実施していったらよいか、難しい課題に直面しています。
 文部科学省では、休業期間が長期化し、標準授業時数を下回る地域も予想されることから、今年度在籍している最終学年以外の児童生徒に係る教育課程に関する特例的対応として、今年度指導を計画している内容について学年内に指導を終えることが難しい場合には、次学年又は次々学年に移して教育課程を編成してもよい旨の通知を出しています。(令和2年5月15日付2文科初第265号文部科学省初等中等教育局長通知)
 しかしながら本県においては、どの市町も6月1日(月)から学校再開が可能になったことから、今年度指導する内容については、年度をまたぐことなく当該年度内で指導するよう授業計画を立てることとしています。
 とは言っても、今回の臨時休校により時間がなくなったばかりではなく、感染拡大のリスクを考えて、学校で活動できる場所が制限されたり、活動の中での児童生徒の関わりが制限されたりと、これまでのような教育活動ができない状況にあります。こういった中で、児童生徒の学校生活の質を維持しつつ学びを保障するためには、必要な授業時数を確保するとともに、教育活動を見直し重点化を図ることが不可欠となってきます。
 特に今年度は、小学校で新学習指導要領が全面実施となっています。新学習指導要領に規定されている「何ができるようになるか」(育成を目指す資質・能力)を意識した上で、「何を学ぶか」(指導すべき内容)を明確化し、今般の事態を受けた様々な環境変化を踏まえて「どのように学ぶか」(指導方法)を柔軟に見直すことが求められています。限られた時間と環境の中で、効率的・効果的な教育活動を展開し成果を上げなければなりません。したがって、これからは各学校のカリキュラム・マネジメントが問われることになります。
 これまでも、カリキュラム・マネジメントの重要性は言われてはいましたが、教育活動の中心である各教科のカリキュラムは教科書に基づき整備されており、マネジメントの余地はほとんどありませんでした。しかし今度は違います。教科学習の重点化が不可欠となっている今、教科書の学習内容の扱いに軽重を付けたり、指導順序を変更したり、個人でも学習可能な内容の一部を家庭学習等の授業以外で行うようにしたりして、児童生徒の学びを保障しなければなりません。これがまさにカリキュラム・マネジメントであって、校長先生のリーダーシップの下、各学校の先生方の教科経営力に期待しています。