日誌

田上教育長日誌

感染防止の徹底と教育の質の保障

 新年明けましておめでとうございます。令和3年がスタートしました。2021
 今年は丑(うし)年です。「丑」という漢字は、発芽直前の曲がった芽が硬い殻を破ろうとし、エネルギーが漲っている状態を表しているそうです。丑年にあやかり、コロナ禍で硬く覆われた閉塞感を打ち破るような、エネルギッシュな年になることを切に願っております。
   それにしても、昨年の11月から始まった新型コロナウイルス感染拡大の第3波は、年が明けても全く収束の見通しが立たない状況にあります。それどころか、年末年始の人の往来等により、更なる感染の拡大も危惧されています。
 そこで今年やるべきことは、何と言っても「感染防止の徹底と教育の質の保障」が最優先となります。

    昨年は4月から小学校で新学習指導要領が全面実施されたにもかかわらず、新型コロナウイルス感染症の影響で、臨時休校や分散登校、感染防止や身体的距離の確保のため、カリキュラムを大幅に変更しなければなりませんでした。そのため、新学習指導要領の趣旨を十分に反映させた教育活動が出来ませんでした。4月からは中学校でも新学習指導要領が全面実施となります。

   ご承知の通り、新学習指導要領では、これからの21世紀を生きる子供たちに生きて働く力を身に付けさせるために、社会との連携や協働による「社会に開かれた教育課程」を実現し、「主体的・対話的で深い学び」による授業改善が求められています。今回の学習指導要領は、従来までの内容重視から、「学んだことから何が身に付き、何ができるようになったか」を特に重視するようになりました。今年こそは、こういった新学習指導要領の趣旨を踏まえた教育活動を確実に実施し、教育の質を保障しなければなりません。そのためには感染防止の徹底が不可欠です。
   残念ながら昨年は、感染拡大の猛威に晒され、市内の学校でも感染者が出てしまいました。しかし幸いにも、校内での感染者はなく、当該学校の感染防止が徹底していたことが示されました。これは他の学校でも同じです。これまで市内全ての学校で、検温やマスクの着用、うがい、手洗い、手指消毒、換気等の感染防止の徹底に努めて頂いた結果、校内での感染を防ぐことができたものと思っています。これは大変すばらしいことです。
 今年もいつまでコロナ禍が続くか分かりませんが、昨年同様に感染防止の徹底をお願いします。そして、新学習指導要領の全面実施に相応しい教育の質を高めていって頂きたいと思います。
 令和3年の年頭に当たり、「感染防止の徹底と教育の質の保障」を各学校でも共有して頂き、学校と市教委が一体となってコロナ禍の教育の充実を図っていきたいと思います。

今こそ凡事徹底を!

 小さな記事だったのですが、10月26日(月)の下野新聞の「新型コロナミニ知識」という欄に、京都府立医科大学の研究チームが、新型コロナウイルスは人の皮膚の上で9時間生存できることを突き止め、アメリカ感染症学会誌に発表したという記事がありました。
  9時間も生存できるということは、インフルエンザウイルスに比べて5倍も長く生存することになるそうです。これによって、新型コロナウイルスは触れた物を介して広がる「接触感染」のリスクが高いことが明らかになりました。但し、濃度80%のアルコールで15秒消毒すると感染力が消滅することも同時に分かりました。研究チームの広瀬亮平准教授は、「新型コロナウイルスが比較的長生きな理由はまだ分からないが、手の消毒という初歩的な対策の重要さが改めて分かった」と話されているとのことです。
  新型コロナウイルス感染症は世界に広がり、12月19日(土)現在で、感染者は累計で7495万人を超え、死者は166万人を上回っています。日本でも感染者数が連日最多を更新するなど、ウイルスの猛威はとどまる所を知らず、感染は加速しているようです。目に見えないウイルスの恐怖に晒され、世界は萎縮しつつあります。

 しかし、その脅威のウイルスも、飛沫感染にはマスクが有効なことはAIのシミュレーションでわかっていますし、今回の京都府立医科大学の研究で接触感染にはアルコール消毒が有効なことがわかったことから、初歩的な対策の徹底で防げるということになります。
 改めて、「凡事徹底」が感染防止の王道といえます。ただ、「徹底」は容易ではなく、言うと行うとは別物になってしまいがちです。

ですから、今回はそうならないよう、誰もが新型コロナウイルス感染防止のため、マスク着用やアルコール消毒等の凡事を徹底していただきたいと思います。

「今が最強!」と言えるように

 偶然なのですが、退職校長会会報第114号(平成30年10月4日)の「今が最強」というタイトルの寄稿文に目が留まりました。それは、元佐野市立天明小学校長の西沢弘先生という方が書かれたものだったのですが、恐らく、瞬時に「退職したのになぜ最強?」という意識が私に働いたからだと思います。
 「公立学校退職後、縁あって私立の中等学校で理科・化学の指導に当たらせてもらっている。種々の要因があり、個人的には理科教員として今が最強である」という書き出しで始まっているその文面には、理科の教員としてのやり甲斐や教えることの楽しさが綴られ、退職後の新たな教師生活での高揚感や喜びが満面に感じられました。
  では、いったいどうして最強なのでしょうか。西沢先生は「種々の要因がある」と言っている中で、第一にICT機器やデジタル教材を挙げ、次のように書いています。

 第一要因は、電子黒板等のICT機器やデジタル教材の進展である。受精卵の卵割など最先端の画像、気象衛星ひまわりの画像は昨日大雨を降らせた雲の動きを、地球全体を捉えた冬至・春分・夏至の画像から地軸の傾きを直接見ることができる。素材選択の幅が広がりこんなに面白いことはない。

 電子黒板等のICT機器やデジタル教材は、使えば使うほどその有用さが実感でき、授業が抜本的に変わってきます。アナログでは到底不可能だったことをデジタルは可能にします。特に理科の授業で、鮮明な画像による動的世界を子供たちに提供できることは、西沢先生にとって至極の喜びだったのでしょう。 
 また、教材研究については次のように書かれていて、理科教員の本分が垣間見えます。

 教材研究に集中して膨大な時間が使えること。調べれば調べるほど疑問が湧き、その疑問が次の疑問に。もう、ワクワクである。

 僭越ですが、読んでいて「やっぱり教師なんだなー!」と痛感した次第です。
 ICTという最強の武器を得て、教材研究に没頭できる時間が十分あって、最高の授業づくりができる今が、西沢先生にとっては最強なんですね。
   現役ではなかなかこうはいかないかと思いますが、ICTという最強の武器はあります。要は時間ですが、時間は与えられるものではなく、自らつくるもの、です。
 本市の先生方誰もが、「今が最強!」と言える充実した教師生活を送れることを期待しております。

「学びの保障」を実現しなければならない

 2学期がスタートして1か月が過ぎました。令和2年度の学校から見れば、6月に学校が再開され、16日間の夏休みを除けば、学校の教育活動は実質3か月間行われたことになります。学校の臨時休業により、子供がいない学校が3か月も続いたことを思えば、この3か月間は、当たり前のことではありますが、学校は「子供のためにある」ということを実感したのではないでしょうか。そして、学校のあらゆる教育活動も子供のためにあることが再認識できたと思います。
 そこで、これからが重要な時期になります。と言いますのは、これまでの3か月間では、授業をはじめ学校行事等の教育活動が見直され、少しずつ軌道修正しながら進められてきました。そして3か月経った現在に至っては、どこの学校でも日常を取り戻し、教育活動も軌道に乗り始めていることと思います。
 この3か月間では、未履修の学習内容は時間を確保して補充したり、系統的な教科は関連する単元の前に指導したりして、未履修の解消を図ってきました。また、授業においては、子供たちの学びを保障するために、教科書の学習内容の扱いに軽重を付けたり、指導順序を変更したり、個人でも学習可能な内容の一部を家庭学習等の授業以外で行うようにしたりして、学習の重点化を図って進めています。
 とはいえ、これまでの3か月間は、何かと制限がある中で学習の遅れを取り戻すために心血が注がれた授業でした。これは致し方ないことであって、子供たちもそれは理解し、懸命に授業に臨んでいたと思います。
  このようなこれまでの状況を踏まえると、いよいよこれからが本番で、子供たちの「学びの保障」を実現していかなければなりません。国においても、「学校・子供応援サポーター人材バンク」を開設して学校支援員を配置したり、補習等のための指導員等派遣事業により学習指導員を配置したりして、学びを保障するための人的支援を行っています。これらは今後順次配置されますので、有効活用するとともに、特に次の3点を重視してこれからの学習指導の充実を図って頂きたいと思います。
 1点目は、小学校では今年度から新学習指導要領が全面実施となっていますが、小・中ともに、なるべく出来る範囲で新学習指導要領の趣旨を踏まえた授業を行ってください。
 2点目は、受験生の不安を払拭するため、中学3年生対象の補習授業を積極的に行ってください。文部科学省が公表した中学3年生のスケジュール案にも週2回の補習授業が示されていますので、実施は不可欠と考えています。 
 3点目は、学習の遅れや学力の差が懸念されますので、学習指導員等を活用し、これまで以上に個別指導の充実を図ってください。

お盆明けだからこそ注意が必要~新型コロナウイルス感染症対策

   8月1日(土)からの短い夏休みも終了し、今日から2学期がスタートしました。今年はいつもの2学期とは異なり、熱中症対策に加えて新型コロナウイルス感染症対策で、学校は細心の注意を払って対応していることと思います。
 幸いにも、これまで本市の小・中学校では、熱中症も新型コロナウイルス感染症も学校から出ていませんでした。しかし、新型コロナウイルス感染症については、本市で連日感染者が確認され、8月14日(金)には本市独自の感染厳重注意報が出される状況にあっては、今後それは難しいかもしれません。特に、夏休み中に迎えたお盆では、外出等を控える傾向はあったものの、人の移動も多く、県外から帰省した家族等で会食や会合が行われたものと思われます。
 お盆の帰省については、県では体調が悪い場合は帰省を控えること、高齢者等がいる家庭では十分配慮すること、大人数での宴会や飲み会は控えることを呼びかけましたが、県境をまたぐ移動の自粛は要請しませんでした。県では、お盆の帰省自体は否定せず、感染防止に十分な配慮を求めたものでした。
 しかしながら、各家庭の受け止めや感染防止対策に差が出てしまうのは当然であり、それはやむを得ないことです。恐らく多くの家庭で、日常と違った人の往来があったことは間違いありません。そうなりますと、お盆明けはこれまで以上に感染拡大が懸念されることになります。となれば、学校は感染防止はもちろんのこと、感染者が出た場合であっても迅速に対応できるよう、次の3点を徹底するなど一層緊張感をもって臨む必要があります。
 1点目は、学校にウイルスを入れない水際対策が極めて重要になります。そのため、子供一人一人の家庭での検温の徹底を再度呼びかけるとともに、サーマルカメラによる検温とその後の適切な対応をお願いします。
 2点目として、これまで同様、うがい、手洗い、手指消毒、熱中症に注意しながらのマスク着用、教室換気、手すりやドアノブの消毒等による感染防止をお願いします。特に、学校におけるクラスターの発生が最も危惧されますので、こういった基本的な感染防止を徹底することが何よりも大切です。
 3点目として、8月6日(木)の臨時校長会での資料により、感染者が出た場合の学校の対応について、教職員と共有化を図っていただき、教職員誰もが共通認識のもとに、迅速に対応できるようお願いします。
  2学期が始まり忙しい中ではありますが、学校と市教委が一丸となってこの難局を乗り越えなければなりませんので、よろしくお願いします。

今こそカリキュラム・マネジメントが必要とされます

 学校が再開されたとはいえ、新型コロナウイルスの感染拡大のリスクがなくなったわけではありません。そのため学校では、教育活動における「3密」を可能な限り避ける工夫をするとともに、検温、マスク着用、うがい、手洗い、アルコール消毒等を徹底するなど、細心の注意を払って感染症対策を行っています。また、感染拡大の第2波、第3波も懸念されますので、不測の事態に備えて、今後どのように教育課程を見直し実施していったらよいか、難しい課題に直面しています。
 文部科学省では、休業期間が長期化し、標準授業時数を下回る地域も予想されることから、今年度在籍している最終学年以外の児童生徒に係る教育課程に関する特例的対応として、今年度指導を計画している内容について学年内に指導を終えることが難しい場合には、次学年又は次々学年に移して教育課程を編成してもよい旨の通知を出しています。(令和2年5月15日付2文科初第265号文部科学省初等中等教育局長通知)
 しかしながら本県においては、どの市町も6月1日(月)から学校再開が可能になったことから、今年度指導する内容については、年度をまたぐことなく当該年度内で指導するよう授業計画を立てることとしています。
 とは言っても、今回の臨時休校により時間がなくなったばかりではなく、感染拡大のリスクを考えて、学校で活動できる場所が制限されたり、活動の中での児童生徒の関わりが制限されたりと、これまでのような教育活動ができない状況にあります。こういった中で、児童生徒の学校生活の質を維持しつつ学びを保障するためには、必要な授業時数を確保するとともに、教育活動を見直し重点化を図ることが不可欠となってきます。
 特に今年度は、小学校で新学習指導要領が全面実施となっています。新学習指導要領に規定されている「何ができるようになるか」(育成を目指す資質・能力)を意識した上で、「何を学ぶか」(指導すべき内容)を明確化し、今般の事態を受けた様々な環境変化を踏まえて「どのように学ぶか」(指導方法)を柔軟に見直すことが求められています。限られた時間と環境の中で、効率的・効果的な教育活動を展開し成果を上げなければなりません。したがって、これからは各学校のカリキュラム・マネジメントが問われることになります。
 これまでも、カリキュラム・マネジメントの重要性は言われてはいましたが、教育活動の中心である各教科のカリキュラムは教科書に基づき整備されており、マネジメントの余地はほとんどありませんでした。しかし今度は違います。教科学習の重点化が不可欠となっている今、教科書の学習内容の扱いに軽重を付けたり、指導順序を変更したり、個人でも学習可能な内容の一部を家庭学習等の授業以外で行うようにしたりして、児童生徒の学びを保障しなければなりません。これがまさにカリキュラム・マネジメントであって、校長先生のリーダーシップの下、各学校の先生方の教科経営力に期待しています。

子供たちに自己防衛意識を醸成する

 政府は5月14日(木)に、新型コロナウイルス特措法に基づき全国に発令していた緊急事態宣言を、一部の都道府県を除いて解除しました。これまでの自粛モードは一変し、まだ感染の脅威はあるものの、世間は少しずつ動き出しています。
 学校もすでに段階的に分散登校を実施するなど、学校再開に向けて準備が進められています。県立高校では学校再開を前倒しし、5月25日(月)からとしました。本市においても、5月13日(水)の臨時校長会や14日(木)の市PTA連絡協議会役員会を経て、本日から分散登校を開始しました。子供が学校に戻ってきたことは喜ばしいのですが、学校は至る所で「3密」の危険性を孕んでいますから、注意しなければなりません。
 福島大学の筒井雄二教授は、「子供は大人と違い、指示がなければ友達と密集してしまう。一層注意が必要である」と、学校に集まる子供たちへの目配りは欠かせないことを指摘しています。(5月15日付下野新聞)
 学校では、これら「3密」を可能な限り避ける工夫をするとともに、検温、マスク着用、うがい、手洗い、アルコール消毒、教室換気等を徹底することが大切です。
 と言いましても、感染リスクは学校だけにあるのではありません。教師の目が届かない学校外のリスクも、もちろんあります。ですから、こういった状況の中で子供たちを感染から守るには、自ら進んで感染予防に努めるようにすることが大切です。むしろ、これから先の子供たちのことを考えれば、子供たちに「自分のことは自分で守る」という、自己防衛意識を植え付けることが不可欠と考えます。
   かつて未曾有の災害をもたらした東日本大震災の時、岩手県釜石市の子供たちは「自分の命は自分で守る」という「津波てんでんこ」の教えで避難し、被害が最小限に抑えられました。後に「釜石の奇跡」と言われ、いかに子供たちの自己防衛意識が大切かを知らせれました。

 しかしながら、平時に自己防衛意識を醸成することは容易ではありません。このコロナ禍では誰もが疲弊し苦しんでいます。しかし、緊急事態宣言が解除され、新たなステージが動き出しています。「ピンチをチャンスに」というフレーズも耳にするようになってきました。学校も、これまで子供たちに身に付けることが難しかった「自分のことは自分で守る」という、自己防衛意識を醸成することができる絶好の機会と捉えることができます。そして、それが実現できれば、まさにピンチがチャンスになったことになるのではないでしょうか。そのためにも、子供たちが学校内外を問わず、正しい感染予防を実践できるように指導していかなければなりません。 

ご卒業おめでとうございます。

 小学校及び中学校をそれぞれ卒業されたみなさん、ご卒業おめでとうございます。また、この日を長く待ち望んでおらました保護者の皆様には、心よりお慶び申し上げます。
 今年は新型コロナウイルスの感染防止のため、卒業生と教職員、保護者のみなさんだけの卒業式となってしまいましたが、卒業生のみなさんの門出を心からお祝い申し上げます。

 さて、中学校を卒業されたみなさんは、4月から新しい門出を迎えます。進む高校等も異なり、各自の進む道はそれぞれ異なります。自分の人生設計に基づいて自分の意思で歩んで行くことになります。
 そこで大切にしてほしいことは、「感謝の気持ちを忘れない」ということです。
 9年前の3月11日午後2時46分、未曾有の被害をもたらした東日本大震災が起こりました。ここ真岡市でも震度6弱の激しい揺れに見舞われ、甚大な被害が生じました。水は出ない、電気は付かない、スーパーでの買い物もできない、ガソリンスタンドには長蛇の列、一瞬にして「日常」が奪われてしまいました。学校でも、電気や水、トイレ、チャイム、給食、授業、そして部活動等々、今回の新型コロナウイルス感染防止のための臨時休業のように、当たり前のことが当たり前でない状態になってしまいました。
 その後、少しずつ復旧していきましたが、その都度、誰もが当たり前の生活ができることに感謝したことと思います。東日本大震災という過去に経験したことのない大災害を乗り越えてきたときのように、「感謝の気持ち」の大切さを深く心に刻み、これからも忘れないでほしいと思います。
 私たちは誰でも、一人では生きていくことができません。皆さんがこうして卒業の日を迎えられたのも、決して皆さん一人だけの力ではありません。これからの人生、皆さんが生きていくためには多くの人の力を必要とします。そうした方々への感謝の気持ちが大切で、その気持ちが何よりも自分自身の人生を豊かにしてくれます。感謝の気持ちを忘れずに大切にしてほしいと思っています。
 みなさんの前途に幸多きことをご祈念申し上げます。
 
 次に、小学校課程を終了した6年生のみなさんは、4月から中学生となります。中学生の時期は思春期前期に当たり、心も体も人生の中で最も成長する時期です。また、感受性も強くなり多感な時期でもあります。ですから、中学校での学びや体験はそのときだけに留まらず、将来に大きな影響を与えることになります。しかし、中学校は小学校と違って3年間しかありませんから、これまで以上に一日一日の生活が大切になります。
 そこで大事なことは、先ずは勉学に励んでほしいということです。中学校での学習は、小学校とだいぶ違います。「算数」が中学校では「数学」となります。名前が変わっただけではなく、内容もより考える力が求められるようになります。英語の授業も本格的に始まります。また、授業も教科ごとに先生が違う教科担任制になります。さらに、小学校ではなかった中間・期末テストがあります。そのため、予習や復習などの家庭学習も計画的にやることが大切になります。中学校3年間は、皆さんが自ら進んで勉強する良い時期でありますし、意欲的に学んでほしいと願っています。
 次に、何かに本気で打ち込み友情を育んでほしいと思います。中学校では、体育祭や文化祭など様々な行事があります。また、生徒会活動や部活動も活気があります。特に部活動では、県大会をはじめ、関東大会や全国大会ですばらしい活躍をしています。このような活躍は、皆さんの先輩たちが、毎日努力を積み重ね、本気で取り組んできた成果なのです。仲間と本気で取り組めば、そこに確かな友情が生まれます。共に何かを成し遂げる体験やそこで生まれてくる友情は一生の宝物です。豊かな体験を通して友情を育み、一生の友とできる人を探してほしいと願っています。
 みなさんの中学校での活躍をご祈念申し上げます。

立志式を迎えた皆さんへ

 本市では、立志を迎えた皆さんを市全体で祝福するために、本日市内9中学校で一斉に立志式を行いました。改めて、教育長としてお祝いのことばを申し上げます。
 立志を迎えた中学2年生の皆さん、そして保護者の皆様、おめでとうございます。
 立志式とは、武士の社会で行われていた「元服」の儀にちなんで、14歳になったことを祝う式のことです。元服とは、奈良時代以降、成人を示すものとして行われる儀式のことで、通過儀礼の一つになっていました。つまり、この時代では、14歳になると大人の仲間入りをしたということになります。現代では20歳に行われる成人式が大人の仲間入りをする儀式ですから、「立志」とは文字通り「志を立てる」ことであり、この時期に立志を迎える意義は大きいのです。
 と言いますのは、14歳という時期は、3年生への進級を控え、自分の進路や生き方について、これまでを振り返り、これからどのように生きるか、新たに誓いを立てることが必要な、節目となる時期だからです。ですから皆さんは、それぞれが立志の誓いとして、将来の夢や希望を真剣に考えて「誓いのことば」等に表したことと思います。そして、式では堂々と発表されたと思います。
 元東京大学の総長で、政治学者であった南原繁(なんばら しげる)氏は、「夢や理想は単なる抽象的な概念ではない。必ず実現の力となって働くものだ」と言っています。つまり、夢や理想を持つこと自体に意味があって、それは実現の原動力となるからだと言っているのです。
 皆さんが生きるこれからの21世紀は、一層情報化やグローバル化が進むと思われます。
変化の激しい、先行き不透明な時代とも言われています。そのような中だからこそ、大きな夢をもち、高い理想を掲げ、その実現のために強い意志をもってやりぬいていただきたいと思います。意志あるところに道は開けます。皆さんの輝かしい未来を祝福いたします。
 結びに、保護者の皆様に一言お願い申し上げます
 お子様は、14歳を迎え、思春期前期に入り、人生において最も多感な時期に差し掛かります。この時期は、自発性が高まり、自ら考え、判断し、目標に向かって努力できる時期でもあります。勉強や部活動に、「目標をもってがんばる」という、人生における基本を身に付けることが大切な時期になります。学校ではその基本を身に付けられるよう、勉強や部活動指導を行っております。保護者の皆様にも、一層の学校へのご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げ、お祝いの言葉といたします。

県内トップレベルの教育環境で県内トップレベルの学力を目指す

 新年明けましておめでとうございます。

 令和2年がスタートしました。今年は子(ね)年です。2020ねずみ十二支の最初ということもあり、全ての始まりと未来への可能性を秘めていると言われます。今年が皆さんにとりまして実り多い1年となるようご祈念申し上げます。
 さて、現在真岡市教育委員会では、まちづくりの基本戦略のひとつ「こどもの元気な成長プロジェクト」の5つの施策、学力の向上、ICT教育の推進、英語教育の充実、体力アップ、次世代リーダーの育成に積極的に取り組んでおります。
 特にICT教育については、市内小中学校全ての普通教室、特別支援教室、理科室に65インチのモニター一体型電子黒板を完備し、ICT導入モデル校の真岡東小と真岡西中をはじめ、全ての学校でこれらの機器を活用した授業づくりに取り組んでおります。また、タブレットやデジタル教科書も2月末までには全ての学校に配備しますので、学習環境が整います。さらに、教職員の事務処理の負担が軽減できるよう、統合型校務支援システムも3月末までには全校配備します。
 英語教育においては、各中学校にAET(外国人英語指導助手)を配置するとともに、小学校全ての英語の授業をAETまたはJTE(日本人英語活動支援員)とチーム・ティーチングで行うようにしています。また、小学校には英語専科教員や英語指導力向上専門員を派遣し、英語授業の充実を図っています。さらに、昨年小学校の各学級に英語の絵本を配布するなどして、英語に親しむ環境づくりに努めています。
 こういった学習環境の整備に加え、昨年、理科室や音楽室などの各学校の特別教室にエアコンを設置しました。これで学校では、普通教室、特別支援教室、特別教室と子供たちが授業を受ける全ての教室にエアコンが完備され、教室環境が整ったことになります。
 他にも、図書館司書の配置や本市独自の学力調査「真岡市総合学力調査」の実施など、本市の教育環境はほぼ整っており、全県的に見てもトップレベルの教育環境にあると言えます。それらを余すところなく活用し、一層の教育効果を上げることが本市教育の充実・発展には不可欠と考えております。とりわけ学力向上においては、子供たちの将来をも左右する重要事項であって、冒頭のまちづくりの基本戦略「こどもの元気な成長プロジェクト」の1番目の施策でもあります。
 そこで、年頭に当たり、「県内トップレベルの教育環境で県内トップレベルの学力を目指す」を合い言葉に、学校と市教委が一丸となって学力向上に取り組んで参りたいと思います。各学校ではこの言葉を共有し、「分かる・できる・定着する」指導をはじめ、これまで以上に学力向上の取組を充実させて頂きたいと思います