日誌

田上教育長日誌

校長の言葉は学校組織を動かす

 5月18日(水)に第2回真岡市小中学校校長会がありました。その折りに、次のことをお話ししました。
 
 
 

 「校長は講話で勝負する」と言われますように、校長先生は、児童生徒や教職員、保護者、地域の方々の前で話す機会がたくさんあります。そのため、自分の思いや考えを分かりやすく簡潔に伝えることが何よりも大切になります。しかしながら、これがそう簡単ではなく、同じことを話しても、話す人によって大分印象が違ってしまいます。
  その違いは何でしょうか。話の構成や話し方の抑揚・強弱、話し手の表情等、いくつかの要因はありますが、とりわけ一つ一つの「言葉」は大きく影響します。
 昔から言葉には霊的な力が宿ると言われており、言霊(ことだま)とも呼ばれています。つまり言葉には力があるのです。特に、リーダーにとっての言葉は極めて重要になります。かつての名だたるリーダーをみれば分かりますように、彼らは人を引きつける言葉をもっていました。また、人を動かし、人を引っ張る言葉をもっていたと思います。もちろん、校長先生は学校のトップリーダーですから、校長先生が発する言葉の意味は大きく、「校長の言葉は学校組織を動かす」と言えます。
 「校長先生の仕事は・・・」と言えば、先ずは「考えること」です。「校長室が広いのは、校長が考える場所だから」と森隆夫氏は言っていますが、校長室に限らず、校長先生はいつでもどこでも学校のことを考えています。学校の最高責任者として、児童生徒のこと、教職員のこと、保護者や地域のこと等々、学校内外のあらゆることを常に考えています。
 そして、その考えを確実に伝え人を動かすことが校長先生の仕事です。そのためには発信力が必要であって、言葉が大きな意味をもちます。話し言葉であっても書き言葉であっても、言葉には、その人の品性や識見の高さ、人間性までもが如実に表れます。特に、教職員に対する校長先生の一つ一つの言葉が、信頼と尊敬を集めると言っても過言ではありません。そして、それによってはじめて学校組織が円滑に機能するのです。
  教職員に何をどのように伝えるか、校長先生の言葉が学校組織を動かします。したがって、校長先生は言葉にこだわり、言葉に一層の磨きをかけてほしいと思います。